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【特集】SuperCopa2025/エルクラシコへの道2
①24-25期のクラシコ展望
誰もが予想していなかった『0-4』という数字。サンティアゴベルナベウでバルサがマニータ1歩手前まで追い込む、これがマドリディスタにとってどれほど屈辱的な事か。
勝敗を分けたのはただ一つ、バルサのハイライン戦術だ。キリアンエンバペのオフサイド数が8回という凄まじい数字が世界中に広がる事となった。ネタにされたが、個人的にキリアンエンバペの能力を疑ってはいない。彼はスペシャルであり逆に言えば、化け物を封じ込める方法はフットボールのルールに頼るしかなかったのだ。
レアルマドリードは、現代版銀河系軍団であり、どのポジションにも世界最高峰の選手を配置している。仮にローラインで押さえ込もうと対人戦に全力を注いだとしても、失点は時間の問題である。ただ、ラリーガのクラブは有りとあらゆる方法でマドリーを封じ込めた。1-1で耐えたマジョルカの中盤でのインターセプトを軸としたカウンター戦術。65%を自陣で持ち続けたラスパルマスのタイムコントロール。巨大クラブから勝ち点を奪ったオトラ達に共通している部分、兎に角前線にボールを触らせない、ただそれだけだ。バルサ相手に5-5-0ディフェンスを敷く彼らも、マドリーには別の方法を取っていた。
その中で、2024年10月24日にバルセロナは欧州屈指の宿敵、バイエルン相手にとんでもない方法で圧勝していた。ハーフラインより上を軸にした超ハイライン戦術だ。今考えれば、強敵のメガタレントを消す方法をここで完全形態として整えていたのだと考えられる。結果的にバイエルン相手よりも機能した。バイエルンよりも快速系のフォワードを揃えているレアルマドリードには更に刺さったのだ。ヤケクソになったエンバペらの裏をバルサが取り続け、アタッキングサードを急襲し続ける。マドリーに地獄を味合わせたこの試合は、バルセロナという概念を大きく覆させた。
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futmobから引用
②激闘からのその後とは
レアルマドリードはチャンピオンズリーグでリヴァプールやACミランに負けるものの、インターコンチネンタルカップに優勝し初タイトルを獲得、セリエAを蹂躙しているアタランタに撃ち合いを制すなど、キリアンエンバペ、ヴィニシウスジュニオール、そしてホドリゴが本来の力を取り戻し始めていた。さらにジュードベリンガムの完全復活により、4軸での攻撃が可能になり、バランスが良くなった印象。欧州一強の座は、まだ終わる気配がない。
一方バルセロナは、チャンピオンズリーグは順調だったが、レアルソシエダに完封負けをしたのち、セルタとラスパルマスに勝ち点をこぼし、ラリーガ3戦勝利無しと陰りを見せている。ベティス、レガネス、そしてアトレティコマドリードに勝ち点をこぼして、首位の座は折り返し地点の19節を待たずして陥落したのだった。原因は組織の負傷者が多くなった事、ハイラインに対して裏を突ける抜け出しを其々のクラブが見出した事、ゴール前での決定力の低下があげられる。バイエルン戦、レアルマドリード戦がピークになるとは正直個人的に想像できていなかったが、アトレティコ戦の時は、流石にバルセロナが勝利するとは予想できなかった。兎に角勝利の女神に見放されていたのだ。現在クレはこの氷河期を抜け出せたのか、確信の出来ない眠れぬ夜を過ごしている事だろう。
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③両者のスタッツ分析
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▶︎レアルマドリード
首位に躍り出たレアルマドリード、やはり細かいパスを繋ぎつつ、保持=安定した試合作りになり始めているのが良い点だろう。フェデバルベルデの安定度の向上に加え、ディフェンスラインの対応ミスが相当減りつつある。その土台があれば、化け物クラスの4名が自由に入れ替わり立ち替わり暴れられるのだ。特質すべきは無失点試合が8試合と多い事。バルサの二倍あり、キーワードはカウンターになるだろう。
▶︎バルセロナ
失点平均数は1.2と決して多く無いが少なくも無い。それを凌駕するほどの得点平均があるおかげで、リーグでは一番良い得失点差ではある。基本的に平均保持率67%という数字にも出ているようにボールを持つが、実際の得点パターンはパスでビルドアップからの崩しではなく、ロングカウンター及びショートカウンターが多い。逆にマドリーに保持をさせられるとカウンターを受けやすくなる、自分たちの得意なことをすると勝てないジレンマがある。
【最後】試合勝敗予想
📝右肩上がりのレアルマドリードと、長い休暇期間で復調したのかどうかまだわからないバルサ。エンバペを抑える事に集中した前回対戦とは違い、ベリンガムが軸として君臨、フェデバルベルデやリュディガーの安定度も増している。バルサも怪我人を戻してはいるが、例の騒動で試合感を取り戻せていないオルモなど不安要素は多い。タイトル戦を負けずらいマドリー、お返しをすると予想。