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活動まとめ 2月21日-2月27日

岩手県一関市地域おこし協力隊の丸谷留奈です。
令和5年7月に夫婦で広島から移住し、自伐型林業×複業というテーマで活動しています。
このnoteでは、毎週金曜日に1週間分(土〜木)の活動を更新しています。

林業に興味のある方、これから林業を始めてみようかなと思われている方、地域おこし協力隊とはどのように活動しているのか知りたいという方などに読んでいただけると、少しは参考になるかも知れません。
この場を借りて、自分自身の振り返りもさせていただいています。
林業初心者の私が3年間でどのように成長し自立できるのか、見守っていただけると幸いです。
それでは今週の活動のまとめをどうぞ ↓



集落の私有林の集材

2月21日
午前中は事務作業をして、午後からは集材作業で身体を温めました。
とは言っても、私はバックホーの操作専門で、協力隊の加藤さんが丸太へのワイヤー掛け、トビでの介錯、玉切りを行ってくれました。

バックホーの車窓から。
尺を測って玉切りしてくれる加藤さん
バックホーを使ってワイヤーで丸太を片方吊り、林内作業車の荷台に乗せていきました


林内作業車に接触しないよう、バックホーを慎重に操作


林内作業車で土場に木材を積み下ろした後、バックホーの側へ戻します。
残った丸太をバックホーで荷台に積んで土場へ。
この繰り返し


半日で約10本土場へ運んで積む事ができ、スッキリしました。
この日は大きなトラブルも無く、とてもスムーズでした。
毎回、このように作業ができるようになれば、仕事として成り立たせていけるのでしょうね。
機械のメンテナンスと段取りが一番大きいと感じました。

研修林の間伐(特訓)

2月22日
伐倒の経験を多く積むため、今年度の市民向け研修で使われた林で間伐の特訓をさせていただきました。
この頃は少しずつ現場にも慣れ、同じ現場に複数いると手持ち無沙汰になるケースも出てきましたので、協力隊で話し合い、複数いる場合は半分に分かれて別々の現場に入ろう、と言う事になりました。
京津畑も現場は2ヶ所ありますが、積雪のためそのうち1ヶ所は施業ができないため、雪の少ない研修林へ。

さっそく、新しいチェーンソーを試しました。

切り口がガタガタです
伐倒方向は写真中央を狙いましたが、受け口が左向きにズレています

チェーンソーの排気量が上がり重さも増し、そのパワーに負けてしまい、狙ったようにチェーンソーを木に当てる事ができませんでした。
切れるスピードは今までのチェーンソーより早いので、誤魔化しがきかず、もたもたしているとどんどん切れていきます。
そもそも、このような細めの木を切るようなクラスでは無いのです。

慣れないチェーンソーでの伐倒3本目、かかり木になってしまいました。既に時計は15時を回っていて、事故が増える時間。主人のアドバイスで、無理はせず、処理は次回に回す事にしました。

切った木の枝と立ち木の枝とが接触し、かかり木に。
揺さぶっても、倒れそうで倒れない

周囲に蛍光テープを巻いて、人が立ち入らないようにして現場を後にしました。


チェーンソーの目立て講座

2月23日
興田市民センターで行われた目立て講座を見学させていただきました。
講師は、同じ大東町出身の武田一吉さん。普段は1日100本以上切られる事もあるプロ中のプロの方ですが、講師業でも全国を飛び回られています。
昨年は参加させていただきとても勉強になりましたが、全て生かしきれているのかと言うとまだまだ。とは言え、市民の方にもよりたくさん参加していただきたかったので、私は見学としました。

ご厚意で、少しだけ参加もさせていただきました

午前中は座学で理論を教わりました。角度や長さなど、細かい数字がたくさん出てくるのですが、去年よりすんなり頭に入ってくる。少しは成長できたのでしょうか。
午後は外に出て、目立てしたチェーンソーで太いアカマツを試し切りしました。

今回は京津畑の方も参加されていて、一緒に学べたのも嬉しかったです。

講座から帰って、さっそく習った事を思い出しながら借家の庭で玉切りをしました。と、そこへ集落の若者が立ち寄ってくれました。何をしてるのか訊ねられて、説明すると興味深く聞いてくださいました。実際に見てもらいながが、少しでも普段私がしている事を伝えられて嬉しかったです。
また来てくださいね❤️


研修林の間伐(特訓)

2月24日
22日に引き続き、研修林の間伐に入りました。
前年度の研修生も久し振りに参加してくださり、主人と3人での作業です。
まずは、残していたかかり木の処理から。
前回、ロープをかけて主人に引っ張ってもらっても動きませんでしたが、男性2人で引っ張ってもらうと倒れてくれました。ありがたいです。無事で良かった。
さっそく、この木を枝払いし玉切りしました。
が・・・

またしてもチェーンソーが挟まれる…
かなり苦労しましたが、テコの原理を使い自力で脱出


午後からは再び伐倒に挑戦。新しいチェーンソーは、まずは操作に慣れるまで借家の丸太で練習する事にして、この日は今までのチェーンソーを使いました。
傾いて立っている木を見付けたので、まずは金槌で叩いて音を確かめてみました。
中が腐っているような音とは思えなかったので、私でも安全に伐倒できると判断しました。

傾いた木。重心の方向へ倒れようとする力が強い



通常の切り方では、追い切りをしている間に傾いた方向へ倒れてしまう可能性があるため、「追いヅル切り」を試してみました。

追いヅル切り↓

出典:きこりやろう
方向も狙い通り、安全に倒す事ができました

次も、傾きの強い木に挑戦しました。

結構な傾きの細っこい木


今度は細い木なので追いヅルが作れないため、半分ずつ追い切りする「分割切り」を試しました。

分割切り↓

出典:きこりやろう
こちらも狙い通り、安全に倒す事ができました

追い切りする前、顎が濡れているような感覚があり、触ってみると血が滴っていて驚きました。
この木を切り始める前に周辺の支障になる木を手で避けたのですが、どこかで抑えられていた細い木・・・指1本分くらいの木でしたが、デコピンの要領でしなって顎を強打しました。涙が出そうなくらい痛かった・・・のですが、まさか出血する程だとは。
山に入ると様々なハプニングがあります。事故に繋がらないよう、小さな事から予防しなければなりませんね。


地域おこし協力隊交流会

2月25日
2ヶ月に1度の一関市地域おこし協力隊の交流会。今回は東山町で活動されている2名のもとを訪れました。
まずは、佐藤萌香さんの現場から。
この地域に昔から伝わる「東山(とうざん)和紙」の製造技術習得・物産振興に取り組まれています。

萌香さんと、利用されている工房

工房があるのは、町内で最も寒い田河津(たこうづ)。
ここで降り落とされた雪の残りが、京津畑で降ると聞いていました。
暖かい日でしたが、さすがに工房に入ると冷えました。
紙作りに適しているのは寒い冬。

紙を漉く材料となるトロロアオイという植物の粘り。気温が上がると腐ってしまうそう

工房では、製造工程を説明していただきました。

和紙の原料となるコウゾの繊維を上から叩いて壊す。
動力は近くの砂鉄川から引いた水を利用したタービンでした。
大音量!


繊維が壊れたコウゾを更に細かくする機械。
そうめん流しのように水の流れが回転します


紙漉きの工程。
たくさんあるけれど、1つ欠けても成り立たないんだろうな


続いて、中村勝也さんの現場へ移動しました。
中村さんは、商店街の活性化や観光振興に取り組まれています。
イベント開催時には、東山町長坂商店街のど真ん中に位置する「ゆっくら」を拠点にされているそうですが、綺麗にリノベーションされた素敵な古民家でした。

江戸時代の庄屋さんを思わせる建物「ゆっくら」

他所から移設された建物で、元々はタバコ倉庫だったそうです。その後酒蔵に。腰板は後から付けられたもので、当時は土に埋まった部分だったという事で、結構な手間が掛かっています。
立派な梁が天井に露わになっていて、林業に携わる者としても興味深い内装でした。

建物の説明してくださる中村さん

普段は椅子やテーブルなどは置かず、使用する際に町内会に借り運んで来る仕組みになっているようで、少し大変そうでした。
イベント時にまた訪れてみたいと思いました。

林業とは全く別世界のお二人の活動。
今回も、とても刺激を受け、勉強になりました。

東山町内のお店で昼食を取りながら皆んなで交流した後、希望者は川崎町の防災センターへ移動し、北上川の調査船へ乗船させていただきました。

岩手と言えば、ゆったりと流れる大河 北上川。
その上を船で走れるのは感激でした。

調査船「ゆはず」と格好良い船頭さん。
「ゆはず」とは、北上川の源泉「ゆはずの泉」から付けられた名前なのだそう


雄大な北上川へいざ出航


一番深い場所辺りを通過。この日は18.8m

センター長がマイクでお話ししてくださりながらの乗船でした。
調査船という事で、生き物や環境についても観察し、乗船後のアンケートで振り返りました。
美しい北上川ですが、道路から投げ捨てられたゴミが目立つ場所もありました。
定期的にゴミ拾いをされていますが、とても大変なのだそう。
悪気はないのかも(?!)知れませんが、片付ける側の身になって、住んでいる動物の環境も考えて、謹んでいただきたいですね。

千歳橋という、普段私たちが一関市街地に出る時に渡っている橋の手前で引き返し、防災センターすぐ横の北上大橋をくぐった後、岸へ戻りました。

岸から格納庫まではゴンドラ?で移動。
かつての洪水水位の印にリアリティを感じます

こちらも、とても貴重な体験でした。
年に30回程度(20回だったかも)運行されるそうです。機会があればまた別の季節にも乗船して変化を見てみたいと思いました。

地域の山の未来を語る

2月26日
私たちの住む興田地区の振興会で安全環境部会を立ち上げられ、里山整備や獣害対策に取り組まれるSさんにご提案いただき、地域の山について語り合いました。
Sさんには、自伐型林業を推進する私たちを応援していただいており、先月の講演会の企画運営でも大変お世話になりました。
京津畑集落には、オリジナルの可動式製材機を設計・製造・販売されている方がいらっしゃり、Sさんのご希望でその方をご紹介させていただきました。

しばらくお話しした後、製材機を見学しました。

杉を製材しているところ

私たちも実際に運転しているところは初めて見ました。
想像していたよりスピーディーに引けて、表面も美しい。

滑らかな表面

自伐型林業を行う事で、獣害対策や里山整備にも繋がる可能性についても話しました。先月の講演会では予想を超えるたくさんの方が来てくださり、関心を持たれている方もいらっしゃると分かりました。
機運の高まる今、自伐型林業の普及に取り組み、それが山の持ち主のためになり、私たち施業する者の生活の糧となり、ひいては地域の里山整備にも繋がるのでは、というSさんの熱い想い。
私たち協力隊の力だけでは難しいですが、このように応援してくださる方々と一緒になれば、可能かも知れない。そう思わせていただきました。
協力隊の任期は後半分です。実際に事業化に向けて動き出す時期に来ています。
春分の日を過ぎれば木の伐期も終わるので、計画を立てながらまずは小さな事から実践していければと思います。

桜の老木の伐採 「お疲れ様」

2月27日
山がっこのシンボルツリーとも言える、桜の老木。
ソメイヨシノ特有の病気にかかり、弱った枝が落ちて事故に繋がる心配があり、伐採される事になりました。
太さも高さもある木。通常の切り方では安全には切れず、もちろん私たちでも不可能という事で、特殊伐採を行う業者が来られました。
神社の大木や道沿い・家の側の木などは、重機やロープワークを使いながらの特殊な伐採方法が使われます。私たちは特殊伐採を行うつもりはありませんが、どのような流れで切るのか勉強するため見学させていただきました。

ボロボロになった枝を抱える老木。
時々落ちてくることもありました


高所作業車に乗って、小型のチェーンソーで高い場所の枝から切っていきます


幹はロープで吊りながら切断し、ゆっくりと地面へ下げます


幹の中心は一部腐って空洞に。
辛かっただろう・・・お疲れ様でした


近寄ってみると、空洞部分には虫の糞のようなものもあり、分解されて土になっている箇所も


朽ちた木を切る場合、このように中が土になっているためすぐに刃が切れなくなるそうです。この日も、途中で丁寧に目立てされていました。

根元の伐倒


重機が入れない場所なので、人力で牽引。
様子を見に来られた集落の方も参戦


状況によって、道具や方法を使い分けていらっしゃり、それを見るだけでも勉強になりました。
伐採は、翌日も続きます。


おまけ 〜冬の遊びと春の気配〜


この頃は降雪もなく穏やかな気候が続いていますが、まだまだ朝晩は冷え風も冷たく、残雪のある京津畑。特殊伐採の業者の方は、まだ雪のある光景に驚かれていました(笑)。
グラウンドの雪の深さは15cmほど。この時期、足が埋もれる事なく雪上を歩けます。この辺りの方言で「わたる」というのだそうです。
そう言えば、小学校の頃同じような長野県の遊びで「しみわたり」というのを本で読んだ記憶があります。雪国ならではの遊びなのですね。
私も良い歳して、しばしはしゃいでしまいました(笑)。

埋もれないぞー

そんな、まだまだ寒さの厳しい京津畑ですが、日差しが暖かい日も出てきました。
雪が解け始め、歩けるようになった畑へ行ってみると・・・いつの間にか福寿草がたくさん顔を出していました!(トップ画像)

ばっきゃ(ふきのとう)も!



水仙の葉っぱも一気に伸びてきていました。東北の春は本当に駆け足。そうこうしているうちに、水仙が咲き、梅と桜も同時に開花します。
その光景は本当に極楽のように美しいのです。
もう、あの校庭の桜を見る事はできませんが、思い出しながら、もうすぐ来る春の気配を感じました。


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最後まで読んでいただきありがとうございました。
夫もまた、地域おこし協力隊として一緒に活動しています。
夫 丸谷誠司のnoteはこちら↓
https://note.com/kyotuhata_m

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