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活動まとめ 12月13日-12月19日

岩手県一関市地域おこし協力隊の丸谷留奈です。
令和5年7月に夫婦で広島から移住し、自伐型林業×複業というテーマで活動しています。
このnoteでは、毎週金曜日に1週間分(土〜木)の活動を更新しています。

林業に興味のある方、これから林業を始めてみようかなと思われている方、地域おこし協力隊とはどのように活動しているのか知りたいという方などに読んでいただけると、少しは参考になるかも知れません。
この場を借りて、自分自身の振り返りもさせていただいています。
林業初心者の私が3年間でどのように成長し自立できるのか、見守っていただけると幸いです。
それでは今週の活動のまとめをどうぞ ↓


木材カスケード利用協働協議会 視察研修会

12月13日
一関市の同協議会の委員を対象とした視察に、私たち協力隊も参加させていただきました。
始めに訪れたのは永沢木材株式会社さん。第一工場、第二工場を社長に案内していただきました。働き手の面では、不足している上に採用してもすぐに辞めてしまう事もあり、定年制を無くされたそうです。木材に詳しい70代半ばの工場長さんがテキパキと働かれているお姿も拝見しました。

こちらでは、大きな製材所では嫌われる直径35cm以上の丸太もひく事ができるそうです。戦後植林した杉が育ち大径木が増えてきていますが、無垢材として芯を含めた構造材を取ると1本しか取れず、残りは小さな板材となってしまいます。
そこで、芯を含めて板状にひいた集成材も活用する「一関市産材パッケージ」を提案されていました。

値段を安くして売り込むのではなく、細やかな技術を駆使して木材に価値を付け、余す事なく使う取り組みをされていました。

こちらは天然乾燥。材質は良くなるが時間と置き場所も必要なため、目的・用途に応じて行われている


4枚の板を貼り合わせた集成材。
寸法が安定するだけでなく、強度もあるそうです

続いて、東磐木材流通センターを視察しました。
こちらは、以前林政推進課の菊池林政アドバイザーにも案内していただきました。

この設備で、木材ランク別に仕分けしている。


コンクールにも出展したカラ松。
曲りがなく均一の大きさなので、正三角形になっている。美しい!


小径の材。最近では直接バイオマス業者へ納品される事も多く市場で手に入りにくくなっているそうです。優先順位が違うのでは・・・?

どのような材が必要とされているのか、市場側のニーズを知る事ができました。

最後に、けせんプレカット事業協働組合さんの高田工場を視察しました。
始めに、事務所内でパソコンを使って設計をされている様子を見せていただいた後、工場へ移動して実際にプレカットしている設備を見学しました。
パソコンとプレカットの設備はシステムで繋がっていて、種類ごとに分かれた工場の中のシステムに設計図に応じたデータが送られ、自動的にプレカットされていました。仕上がった木材は人の目でチェックして、ペーパーレスのシステム上で検品済の印が付けられていました。

設計部とシステムで繋がっているパソコン。
設計図だけではなく、イメージ図でも見られるなど操作側にも分かりやすく工夫されていました


システムを利用して無駄を省きながら効率的な仕組みを作られていました。

3箇所の現場を実際に見せていただいた事で、1本の木がどのように製品になっていくのか、何が求められているのか、それに対して自分たちはどう応えられるのか・・・山に入っているだけでは分からなかった買い手や使い手のニーズが分かり、これからはイメージしながら施業できるようになるのでは、と感じました。

自伐型林業施業研修(南三陸)

12月14日
南三陸町で自伐型林業を営まれている渡辺啓さんのもとへ研修で伺いました。
まずは、前年度に私たち第一期の協力隊と研修生が作業道作りを習った山へ案内していただきました。当時の道の続きがどのように出来上がっていったのかを説明をお聞きしながら歩きました。

作業道の入り口の木は残し、ルートも直接風が入り込まないように取る事で、
強い海風から木を守っていました

次の現場へ行く前に、渡辺さんの板倉造りのご自宅の外観を見学。
ご自身で切り出した地元の木材で作られた素敵な家。板倉造りの真骨頂。私の憧れです。必ず実現させる事を改めて決意しました。

次に、現在施業中の山を見せていただきました。
先に見せていただいた山もそうですが、とにかく水がたくさん出る場所なのだそうです。

破砕帯。断層運動によって砕かれ形成された岩がたくさんあります。
水もたくさん出る。
このような箇所が各地にありました


クロボクという、水を含みやすい固まらない土質。
壁面の穴からは水が出てくる

水が多い山が故、水抜きの箇所をたくさん作る、ヘアピンカーブをキツくして水の勢いをつけ谷側へ流す、木組みをするなど自然の力を利用し対策をされていました。
次週の研修では、この近くで実際に作業道の作り方を習います。

夢っこを語る会

12月15日
今住んでいる京津畑集落で、自分の夢を発表し合う会があり、私たち移住組も誘っていただきました。
20年くらい前(うろ覚え)、このような会が開催された方があり、その一部分は現実として叶ったそうです。コロナ渦で休止されるまで県内外からお客さんが訪れる「食の文化祭」もそのうちの一つ。凄いですね!
皆さん、具体的な夢から世界平和という広い夢まで様々で、個性あふれる内容は聞いていてとても楽しかったですし、応援したくなりました。
私は、以前経営とブランドの学校で発表した「板倉作り」を短縮して発表しました。こちらは、是非応援していただけると嬉しいです。

板倉作りを、現物を使って説明


夢は、語り続けているとそこへきっかけとなるご縁が集まってくると思っています。

伐倒・造材研修(一関市)

12月17〜19日
奈良県桜井市で林業を営む原田勤さんを講師にお迎えした、伐倒・造材研修がありました。
原田先生は、昨年7月に協力隊に着任した翌日の体験研修から始まった前年度の研修でお世話になりました。
今年度は別の講師の方が担当だったのですが、都合の合わない今回だけ特別原田先生に再び習える事になりました。
最後にお会いしたのは今年の2月。
それから殆ど技術の向上がないままの対面は恥ずかしさもありましたが、相変わらず優しく丁寧にご指導くださいました。

今回は、段取りを自分たちでもイメージしながら施業するのが先生からの課題。
先生に言われた事をその通りに行うのではなく、施業をどのように終わらせるのか、そのためにどのように時間を割り振り、どのように進めるのか。
その通りにはできなくても、まずは考える事が大切です。

1日目は、木の込んだ場所で切った方が良い木を選木し、伐倒していきました。

木を伐った後の集材の事なども考え、倒す方向を決めます


安全のためにロープをかけます。
相変わらず苦戦でしたが、先生のご指導で上達


テンションのかかった木の玉切り


2日目もひたすら伐倒をし、指導していただきました。

作業道の斜面に立つ広葉樹。
切っても根は残り強度は変わらず、さらに萌芽更新で新しい芽が横から出る事も期待できる


傾きの大きい木は、追いを入れている途中で倒れてしまわないよう、受け口を2箇所作ってツルを保たせる方法もある


少し離れた場所から受け口を見て、目指す伐倒方向と合っているか確認。
まだ腑に落ちていない


ツルが斜めになってしまったため、伐倒方向が右へずれたと思われる。伐倒した木は黒ずんだ枯れが入っていた。

3日目は、午前中に切った方が良い木を選木し、1人1本ずつ切りました。

受け口を見て、倒れる方向を確認。
しかし、自分が感じる方向とは必ずズレているようです。
先生に「こっちやろ?」と言われても、正直分からなかった。
感覚の修正が必要。

午後からは3日間伐った木を林内作業車で集材しました。


滑車を2つ使い、動力を2倍にして木を引く方法。
それでも引けない時は、滑車を3つ使う方法もある


滑車をかける位置や高さ、向きも重要。
木の動きを予測して設置する

木を動かすのはとてもゆっくり。人間が重機の力に負けてしまわないためだと思います。一気に作業ができないからこそ、一つ一つの動作をいかに無駄なくするか、木の動き方、道筋、障害物など考えて集材するのはもちろん、木を伐倒する段階からどのように集材するのかも意識する事が大切なのだと分かりました。

原田先生は前年度の研修からずっと繰り返されている事ですが、技術はもちろん「観察する事」「意識する事」がとても大切なのだと、再認識した研修でした。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
夫もまた、地域おこし協力隊として一緒に活動しています。夫 丸谷誠司のnoteはこちら↓
https://note.com/kyotuhata_m

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