京津畑日記 第9週 9月1日〜9月7日
ようやく朝夕は涼しく感じるようになりましたね。
蜂に始まった9月でしたが、広葉樹施業は興味をそそられました。
それではどうぞ。
9月1日(金曜日) チガリ
チガリとは、蜂を意味する方言。
月の初めの1日参りは日月神社から。9月はくっつける、結の月と心機一転。
ところが参った後、神社の縁側に腰掛けて一服していると、羽音が聞こえ(またアブか)と思っていると頭頂部に止まられ、ガブっ!!!?
「いっった!!」
先月も1日参り後に腕を刺されていたようです。蜂の種類は違うようです。mは同じ色のロングTシャツを着ていました。このシャツ(暗い緑色や黒色)は、もう外では着れないですね。
幸いにも無事です。蜂の種類は特定できていませんが、似ているのかもしれないのは、モンスズメバチ。刺されたのか噛まれたのか今となっては(9月7日時点)わかりません。オスのモンスズメバチには針がないそうです。
午後は、真菰の刈り取り作業に行く予定でしたが、安静にして過ごしました。
9月2日(土曜日) 南三陸町、広葉樹研修
広葉樹・・・栗、桜、欅けやき、ぶな、どんぐりの木など重くて硬い家具や炭などを作る際に使われる。中には照葉樹(冬でも葉が落ちない)も含まれる。
一関市自伐型林業でサポート講師をしてくださった渡辺啓さんにお誘いをいただき、南三陸町で開催された東北自伐型林業塾『森と共に「豊か」さを。』の広葉樹施業にオブザーバー参加させて頂きました。
講師は、九戸山族ー夏井蔵代表の夏井辰徳さんです。
九戸山族(国内トップクラスの広葉樹施業で日本の林業界を牽引):https://kunohesanzoku.jimdosite.com/
夏井先生は初めてお会いしました。とにかく話が面白い。正確ではありませんが、mが感じ残った一部を書き出すと、
「山は全てがある。死も生も性も、芸術も経済も町作りも。『隻手の音声』片手で音は出せない。自然を相手にどんな音、リズムを出せるのか。
頭で納得、心で会得、体で体得しなければね。思考停止してますよね。山にはエンターキーはないですよ。
2年間、山を歩いて樹種を覚えるまでチェーンソーは持たせないと言う師匠もいた。
祭りは夜やってこそ楽しい、昼と夜。善と悪。陰樹と陽樹。混合しているから上手くいく。山は理不尽です。答えは早くて10年、20年先かもしれない。達成感や高揚感と共に、魂が全身で喜びを感じるAWE体験(下部にリンクあり)をぜひ感じてください。」
付け加えて、先輩師匠の橋本光治先生は、
「どんな山にしたいのか?どんな森にしたいのか?経営はどうやっていくのか?それらが分かって重機を入れろ。」
と言われていたそうです。
山の哲学を聞いて思ったのは、羽黒山伏を少し体験しただけですが羽黒山伏と同じだなと思いました。
山に入って感じたこと、導き出された考えを里に降りて、伝える。
知って、理解して、腑に落とす。
山は本当に面白い。樹種を覚えるために山歩きします。ぜひ一緒に歩きましょう!
A WE体験とは、以下。
午後、山に入っての実地。
広葉樹林の手入れの仕方や伐倒する木の見極め方、風倒木の処理など実際の作業をしながら教えて頂きました。
午前中、昼休憩に使用した南三陸まなびの里いりやど。
地域おこし協力隊の方が、地元木材をデザインし製作されたそうです。素敵!
9月3日(日曜日) 岩手県の森林整備?
夕方、岩手県内の某所を訪れました。岩手県の森林整備は、「6割間伐しないと助成金が出ない」と言われて、間伐をしてもらったが、想像以上に間伐されてガッカリしたとお聞きして取材させていただきました。
自伐型林業、継続可能な森林施業では『2割間伐以下』を基準にしており、天を仰いでも空は隙間からしか見えません。
6割間伐をすると空に風の道が入り込み乾燥して良い材にはなりません。どこが森林整備なのでしょうか?トラ刈ですね。
mも岩手県の制度が納得できないので、調べてみようと思います。ちなみにmは自伐型林業を展開していくにあたり、補助金の類は可能な限り最小限に抑えたいと考えています。この山に台風13号の影響が少ないことを祈るばかり。。
9月4日(月曜日) 報告書作成、市役所ミーティング
市に提出する日報、月報の事務作業。
午後、市役所にて月一定例のミーティング。
皮膚科で、かぶれの経過報告とエピペンを処方してもらう。
9月5日(火曜日) 刈払い、図書館
仮住まい候補の家を草刈り。蜂に敏感になっているため、姿や蜂の巣がよく見つけられる。巣を避けるよう遠回りに道をつける。
昼から市立大東図書館。
9月6日(水曜日) 刈払い実験、片付け
刈払機の刃は丸鋸タイプが主流ですが、危険度が高いということでE Uではビニルタイプが主流だそうです。日本でも使う人がいますが、ビニルが飛び散ってプラスチックゴミが増えるという懸念が聞こえました。そこで実験。
ビニル紐のような形状で、環境に負荷が少ないものは?
荷作りの面紐が道具箱にあったので、使ってみました。
mの目指す草刈りは、「大地の再生」の風の草刈り、「土中環境」をよくする借り方が示す根本から刈るのではなく、自然の風が草を千切るように刈るやり方です。
昼間は、加藤隊員の住む空き家の清掃とタンスなどの移動に行きました。片付けで出るゴミの仕分けが一関市は細かく決められており、手間取りました。
昭和前半は物が少なくても良かった時代。
戦後の高度成長期は、物を増やしまくった時代。
現代は必要な物を厳選する時代。
今年に入ってから、自分の引越しも含め、家の中身に携わる事が増えました。生活の質、暮らし方を念頭に整えていきたい。そんな気持ちになっています。
9月7日(木曜日) たたら製鉄
同じ大東町。京津畑の山を越えた東隣にある砂鉄川たたら製鉄学習館を訪れました。
地元の大原小学校24人が体験研修に来られていました。
いよいよクライマックス。
土炉を壊して中の鉄を取り出します。
今週も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
来週は、連勝を重ねる区民運動会。京津畑の山歩き。
どうぞお楽しみに!
妻も同じく一関市地域おこし協力隊員です。ご興味があればこちらのnoteもぜひご覧ください。小さな女が小さな林業をするまでの経過観察ができます。