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京津畑日記 第16週 10月20日〜10月26日
京津畑集落に向けて瓦版を作ったり、自伐型林業の見どころの作業道研修があったり、火事があったり、引越しで持ってきた礼服がカビモゲラ泣だったり、今週も濃密な時間でした。
柿が実り良い色合いです。まだ固くて食べられません。
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10月20日(金曜日) 行政区長に挨拶、note
協力隊員で話し合った「瓦版」。
着任してから4ヶ月ほど経ちますが、集落の方に情報が行き渡らないことがありました。ブログを見ることのできない方もいらっしゃるので、紙媒体が必要だよね。ということで、瓦版の発行に関して配布や締め切りの確認を行政区長さんに伺いに行きました。
事前に自治会長さんからお話を通していただけましたので、すんなりとOKをいただき、発行の運びになりました。
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台所の床を剥がしています。
10月21日(土曜日) 作業道研修 1日目
一関市主催の自伐型研修も作業道で一旦終了になります。
市役所から15分くらいの距離にある市有林。こちらも例に漏れず人の手が入っていないため荒れています。
7月、一関市長に着任の挨拶をした際、「山に入りたくて一関に来た」と言うと「山は沢山ある」と笑われました。
「人が植林した後に、人が入っていない山が沢山ある」という意味だったのかは分かりかねますが、荒れた山をご存知であれば日本の国土保全のために、政策を進めていただきたい。
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さて午前中は自伐型林業推進協会の中嶋代表の講義。
ハッとさせられたのは、
「100年生の山は、5回間伐することで混合林になる。」
という言葉。将来は混合林(針葉樹と広葉樹)の森にしようと思っていました。しかし自分の代では、不可能ですわ!笑
一気に変える事も必要ですが、自然の法則に逆らったらあきまへんね。自分の思考が舞い上がってお花畑にいたことがよく分かりました。地道にそろりそろり徐々にシフトしていきます。
作業道講師は、岡橋清隆先生。
吉野林業の5大林家の一つ岡橋家の次男として生まれる。大橋慶三郎さんから兄の清元さんと共に道づくりを実践的に学ぶ。岡橋家の山に、自ら2トントラックで搬出できる作業道を開設した。現在、自伐型林業を志す若者からの相談・依頼が多く、道づくりの指導に全国を飛び回っている。
関西弁で軽やかに話されます。若い頃は口下手で就職した営業の仕事がお辛かったそうですが、微塵も感じ取れませんでした。好きなことを仕事にされているからかもしれません。
・林業は儲かりません。孫のためにやるモノです。
・現世利益を求めたら(木が育った)80歳でボケてますよ。笑
・副業も必要でしょう。
・A材は化粧材、昔はお座敷ですねん。木材の40%しか使われていない。
・昔はアスベストも使用可能でしたが、今の接着剤が数年後にアウトになる可能性もあります。今、アスベストはどうにもなりません。
・地表のスイカの皮だけを削ります。深く掘ると山に怒られます。
・間伐は間引きです。いい木を残すためにするモノです。
・枝打ちは必要ないです。雨が入ったりして材にシミが出来てしまいます。
・列状間伐と言いますのは、部分皆伐という言葉遊びです。NGです。
・作業道で一番大事なのは、路線です。
崩れると効率も悪くなります。作業道は水路の働きです。
・登山道は硬いところについているはず。
・赤色立体地図アプリも使用する。
・緑化を促し維持して管理費を抑える道
・植生や地質の状態を観て、確実に安全に。
・自分が落ちない。崩れない道。
午後から山に入り、作業道をつけるためのルート選択をしていきます。
地図だけではわからないこともあり、対面の山から観る。地図アプリを使う。視点を変えて見ることが必要になってきます。
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ルートが決まったら、ユンボで道を開いていきます。
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10月22日(日曜日) 作業道研修2日目
昨日の岩があったところから、ルートを少しずらされました。
「先行間伐はしなくてよろしい。少しずつ進めばいい。」
ルートが変更しても、周りの良い木は残すことができます。
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ルートの途中で岩が出てきました。
3トンユンボでは難しいこともありますが、立ち位置を変えたり、引っ掻いたり岩の位置を変えていかれます。バケットが痛みやすいので、爪で動かされていました。
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岡橋先生のサポートにきてくださったのは、島根県津和野町の地域おこし協力隊3年目、現役の中村さん。津和野町は自伐林家さんもいらっしゃり、協力隊は7期だそうです。先輩から受け継ぎ上手くリレーができているそうです。中国地方以外からも協力隊の活動を視察にこられています。
岩の後は、木組み。
小さな谷の箇所ですが、水の流れを堰き止めると崩れやすくなります。
一関あたりの土質が、脆い「黒ぼく」。色も黒いです。写真を見返してもらうと分かりますが、作業道の入り口は白い「真砂土」です。真砂土もパラパラで崩れやすいです。
要所要所に崩れないように木組みをします。仕上げは大釘で留めます。
色々な協力隊のブログにも登場する大釘ですが、特注なので高価です。ですから曲げると損します。緊張します!的なことを書かれています。
なんと今回の研修では、一本も曲がりませんでした。わーい
岡橋先生も「曲がらなかったのは初めて。」と言われました。一関市民は釘打ちが上手い!!!ということにします。
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写真の右下に、動かした岩が見て取れます。
山にあるもの、自然物を使って道を壊れないものにしていきます。東北は雨と雪もあるので、数年後にどのような表情になるのでしょうか。楽しみですね。
研修が終わり皆さんが背中を向けている間に、気になった木を伐倒しました。直径10センチくらいの枯れ杉です。周りはシロアリに食われてカスカス。手でゆすると枝がない上部は20センチくらい揺れて途中で折れて落ちてきそうです。
受け口、追い口をつけ伐倒しましたが、受け口が朽ちた部分だけになっており中心の赤みには付いていませんでした。
倒れる前にその場でグイッと向きをかえ、チェーンソーのバーの上に木が乗ってしまいました。ヒヤリ
追い口を入れる勢いで乗った木は落ちましたが、目的の方向よりも90度、自分の方に倒れてきました。うーん。。。
今回の岡橋先生の言葉
「枯れ木も山の賑わい」
自分では良かれと思っていたので、お陰で小さな経験を積みました。
研修後、京津畑に帰宅すると周りはとっぷり日が暮れて、鹿の目がライトに照らされてホラーです。
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広島県宮島にいる鹿とは、違います。ひー
10月23日(月曜日) 片付け、瓦版
床板を剥がすときは、上のモノを片してから!
脚立を置く位置が危ないですね。
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夜は、京津畑地区への瓦版を書いてました。
10月24日(火曜日) やまあい工房、鉄屑、床剥がし、火事
朝はやまあい工房のお手伝い。毎週火曜日は惣菜の日です。
そして清庵弁当の注文が重なると、お母さん方だけでは手が足りません。協力隊の手も借りたい程の忙しさ。
今日のお茶子(一休みの休憩)は、座る暇もなく立って食べました。
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清庵弁当がすんで、惣菜を手伝っているとアドバイザーから電話がかかりました。
「廃品回収に来ているので、(15日に皆さんに手伝っていただいき仕分けした鉄屑を)引き取ってもらったらどうか?」
それはありがたい!
やまあい工房さんに事情を話し貸家へ向かいました。面白いことに今回もサッと3時間で片付きました。台湾?中国?系の彼と彼女は鉄を積むために、タイヤのゴムを切ったり、小型家電のコードを切ったり、「これは使わないね」と勝手に使うもの積み込もうとしたり(苦笑い)とても働いてくれました。
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よく積みましたねー。
夕方、妻が買い物に行っている間に、床剥がし。
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暗くなってきたこともあり18時15分に終了し、家に帰ると差し入れのお惣菜が玄関にありました。家で一口パクつくと
「こちらは一関防災放送です。大東町中川字上ノ山で火災が発生しました」
!!!上ノ山!!!
思わずサンダルで、イヤイヤここは長靴。
商店まで行くとビックファイヤーでした。
時折、パーンという破裂音が聞こえ家は柱が黒くオレンジの炎に浮き上がっていました。不幸中の幸い。住人は他所にいて無事でした。
仕事帰りの消防団が次々と車で駆けつけ、ようやく本物の?消防車が到着。消防団の車で道が狭くなっていました。
何かできることはないかと炎を見つめていましたが、女性陣から「炊き出し」という声が聞かれMも、やまあい工房に向かいました。米を炊き、おにぎりのリレーが始まり200個くらいつくりました。
徐々に婦人が集まり最後は14、5人になりました。男はMひとり。
ずいぶん三角おにぎりが上手になります。
おにぎりが終わったので、買い物に出かけた妻に連絡を取ると、火事のために消防車とパトカーで道が規制されて帰宅できない。火は収まったかもしれませんが、煙るはもうもうと上がっています。
Mも妻もショックを受けており、人に聞くということを失念しておりました。結局、妻は10号線を北に向かい(この道しかない)江刺方面に車を走らせ、猿沢へ下って興田へ向かい、京津畑についたのは23時30分。途中スマホの電池が切れてG mapが使えない。車の古いカーナビは最短距離を示すため、今来た道を帰れ帰れと「右です。右です」と連呼する。
徒歩で15分、車で3分の道のりがこんなに遠くなるとは。。。
10月25日(水曜日) 製材機の搬出作業
午後から京津畑在住の伊東さん宅へ
製材機搬出作業のお手伝いです。
ご自分で設計図面を描かれ、細かな部品もご自身で作られています。
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大粒のにわか雨の間、お茶子をいただきました。
雨が上がったあようなので、再開です。運送会社を経営されている佐藤商店さんも加わり力強いです。
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無事にトラックに積み込んで終了です。
っと、仕事終わりの「お茶子」も頂いてました。昨日の家事の話から妻の周り道の話になった。抜け道があったそうです。苦笑
製材機のご相談は
京津畑 伊東光浩さんまで。
10月26日(木曜日) 朝活、note
朝のゴミ出しの後、1時間と時間を決めて家の周りの「燃えないごみ」を拾いました。大きいものは片付きましたが、プラスティックの波板のかけらや、ガラス破片、釘など地面にしゃがむといくらでも出てきます。
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2012年宮城県の海岸沿いの畑の瓦礫拾いを思い出します。いろんな気持ちが蠢きます。
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7月着任から引っ越しの荷物を山がっこの体育館に収めていましたので、持参した洋服類がカビモゲラになっていました。
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今週も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント、質問、フォローはお気軽にどうぞ。
次週は、引き続きやまあい工房さんのお手伝い、家の断熱改修ミーティング、興田市民センターの文化祭打ち合わせなどを予定しています。
どうぞお楽しみに!
妻も同じく一関市地域おこし協力隊員です。ご興味があればこちらのnoteもぜひご覧ください。小さな女が小さな林業をするまでの経過観察ができます。