記憶力のアジアチャンピオンになった話
こんにちは!
だいぶ遅くなりましたが、9月末にシンガポールのアジア選手権に参戦してきたので、その振り返りをしていきたいと思います。
前日まで
今回は前々日の夜中にシンガポールに入りました。だいぶ遅かったので、この日は即寝ました。
翌日(27日)に会場の下見をしに行きました。Singapore Polytechnicという大学が会場でした。主催者のKennethや、インドネシアチーム・フィリピンチームと会っていろいろ話しました。この辺は大会のたびに会ういつメン感があります。ここでモンゴルチームがキャンセルしたことを聞きました。モンゴルと戦うのが1番の楽しみだったのでちょっとがっかりでしたが、あくまで目標はグランドマスター8段なので、自分との戦いですね。
夜はセブンで買ったココナッツライスを食べました。なかなか寝付けなかったので、ホテルの周りを散歩したりしてました。今まで、海外の道路=信号がなく未整備というイメージだったので、日本以上にきれいな道が印象的でした。
1日目
今回は、1日目6種目・2日目4種目という構成だったので、1日目は割とタイトなスケジュールになってました。
6時過ぎに起きて、駅のセブンでおにぎり(280円)とRedbull(500円)を買って食べました。高すぎる!
今回は他に日本人選手が二人(Sayaka選手とYas選手)が参加していて、近くの駅でお二人と待ち合わせして会場に向かいました。
8時半に会場に到着しましたが、すでにインドネシアチームの選手が準備を始めていました。今回の参加者は全体で50人弱しかいなかったのですが、そのうち18人がインドネシア選手で、大所帯になってました。
日本人3人以外で世界レベルの選手は、Janet(インドネシア、wmsc世界記録保持者)とChloe(フィリピン)あたりでした。
開会式のあと、さっそく最初の種目の準備が始まりました。ここからは種目ごとに振り返っていきます。
1. 顔と名前
最初の種目が顔と名前だったのはありがたかったです。というのも、顔と名前は10種目の中でも採点ルールが緩い方の種目で大ミスしにくいため、緊張しすぎず割とリラックスした状態で試合に入れました。スコアは139点で去年より9ポイントUpしました。1位は去年と同じJanetで195取ってました。えぐいですね。
2. 2進数
2進数は得意かつ個人的に好きな種目です。目標は4800あたり、上振れで5000行ければ…くらいに思ってましたが、序盤からあまりスピードが上がらず、見る量が想定よりも400桁くらい少なくなってしまいました。ただ、リコールの正答率はいつもより良く、スコアは去年(4611桁)より微増の4740桁でした。
1日目午前はほぼ目標通りのスタートになりました。大会の方々が昼食を用意してくださっており(ありがたい!)、日本チームの選手と食べました(ケーキも美味しかったですよ!)。
3. イメージ
昼食後、始めの種目はイメージでした。ずっと苦手種目でしたが、最近はだいぶ調子が良かったので割と期待してましたが、中盤で若干リズムを崩してしまい、327点に終わりました。とはいえ、大会では初めての300超えなので十分満足です。Yas選手が466点を叩き出し、日本記録を大幅に塗り替えてました。すごいです。
4. スピードナンバー
スピードナンバーは2回トライアルがあり、良い方のスコアが採用されます。今回は1回目守り・2回目攻めの作戦で行きました。1回目で作戦通りある程度の点数(384桁)を確保できたので、2回目は思い切って世界記録に挑戦しました。Gamaの世界記録は572だったので、もう1箇所分多い576桁見ましたが、全くダメでした。まあこの失敗は想定内なのでOkです。
5. 架空の年表
年表も2進数と並んで好きな種目です。大会2週間前あたりからほとんど毎日練習しており、120あたりも何回か取ってたのですが、103点に終わりました。割と似たようなイメージの言葉で始まる文章が多く、個人的には難しいセットに感じました。
6. 30分カード
初日最後が30分カードでした。去年もそうだったんですが、最後にロングをやるのはかなりしんどいです。グランドマスター8段の目標を達成するには14デッキ必要だったんですが、わずかに届かず、13.6デッキで終わりました。記憶時間があと15秒くらいあれば14デッキ行けた気がします。ここだけが今回の悔しいポイントでした。
1日目終了時点で、4230ポイント、1位通過でした。おそらく2位とは600点くらい離れてた気がします。そこまで離れているわけでもないので、2日目も攻めすぎずに合計点を伸ばしていきたいところです。自分は割と大会直前も練習するタイプなので、夜9時くらいからホテルのロビーで単語とスピードカードをやってました。
2日目
2日目は4種目で体力的にはやや楽でしたが、単語やスポークン、スピードカードなど、ミスが命取りの種目が続くので、かなり緊張感はありました。
7. 15分単語
MLの単語と違い、ロングの単語はそこまで得意ではないので、前回の記録(209)くらい行ければ御の字と思って挑みました。結果は、246個みてミスが二つ、スコアは226点でした。個人的にはかなり満足のいくスコアです。最後にスカンクのところをアリクイに変えて10ポイント失ったのはショックでした。
8. 30分数字
2進数・年表に次いで個人的に好きな種目なのですが、直近の練習結果が悪かったのと、前日のスピードナンバーもイマイチだったので、やや守り気味でいきました(1976桁×3周予定だったのを1872桁×3周に前日に作戦変更しました)。
さらに、記憶時間が始まって最初の1-2分間はかなりリズムが悪く、急遽1768桁×3周の作戦に再変更して完全に正答率重視に切り替えました。最終的には詰め込みで32桁覚えて全部でちょうど1800桁見ました。
リコールの調子はだいぶ良く、完全に忘れたところは1箇所のみ、やや自信ないところが4箇所くらいで、かなり手応えがありました。リコールが終わってスコアを見るとなんと1760桁‼︎ 完全に忘れた1箇所以外全部当たってました‼︎ 今年一嬉しい瞬間でしたね。
振り返ってみると、記憶時間の始めでつまずいたのがかえってよかったのかもしれません。そのおかげで完全に守る作戦にシフトできました。怪我の功名的な感じですね。
ここでお昼休憩が入りました。昼食にはアヒル肉がでました。
2日目の午後は、短時間の集中力が必要な2種目、スポークンナンバーとスピードカードでした。午前の2種目が目標以上に取れたため、失敗しなければ大台の総合7000点を狙える位置にいました。
9. スポークンナンバー
今大会のスポークンは3トライアルあり、そのうち一番高いトライアルのスコアが採用されます。まず最初のトライアルで100桁を死守し、2回目で170桁、3回目で240桁あたりを目指す作戦でした。
ところが、1・2回目ともになかなかうまくいかず、それぞれ80桁・108桁と微妙なスコアでした。200桁超えも狙っていたのですが、ここで少しでもスコアを積み上げておくと7000点にだいぶ近づくので、3回目は無理をせずに172桁を覚えました。完璧な結果ではありませんが、大会での自己ベスト&日本記録なので十分です。
10. スピードカード
最終種目はスピードカードです。トライアルは2回。いいタイムの方が最終スコアになります。もう総合チャンピオンはほぼ確定的だったので、目標は7000点のみです。スコア表から、50秒くらいでも7000に乗るっぽかったので、最初のトライアルはかなりスピードを抑えました。結果、41秒で正解できました‼︎
これで7000点オーバーは確実になり、2回目はリラックスして覚えられました。そこまでスピードは出せなかったものの、28.4秒で正解し、総合スコアを7231点まで伸ばしました‼︎
スピードカードのあと、閉会式まで少し時間があったので、周りの人といろいろ話してました。シンガポールの英語はちょっと聞き取りが難しかったです…
しばらくして別会場で閉会式が始まりました。去年もそうだったのですが、とても豪華な式でした。
種目別・年齢カテゴリー別の表彰のあと、総合スコアの表彰に移ります。結果は、、優勝でした❗️
一昨年以来の久しぶりの優勝、特にアジアオープンでの優勝はめちゃくちゃ嬉しいです!
個人戦以外にも国別団体戦があり、ここでも日本チームが優勝しました🏆
大会を振り返って
今大会の目標はグランドマスター8段でした。前記事で書いたように、全部で5つ基準があり、そのうち3つはすでに達成していて、残りは30分カード14デッキと総合7000点でした。練習では30分カードは16デッキくらい出していた一方、総合点は6700くらいだったので、7000点の基準の方が壁になりそうと思っていたところ、逆の結果になりました💦 1日目の疲れを甘くみていましたね… 僅かな差で8段は逃しましたが、7段は取れたのと、合計スコアが歴代10位にランクインしたので、全体としては非常に満足のいく結果になりました‼︎
あと、10種目すべてで去年のアジアオープンのスコアを上回っていました!
全部上回るのはいい意味で想定外だったので、自分でも驚きです。今年は練習時間もそこまでなく、特別調子がいいわけでもなかったのですが、練習の仕方をちょっとだけ変えてみました。去年までは割と漫然と練習していて、とりあえず大会のスケジュールに近い感じでトレーニングして満足していました。今回はそこまで時間がなかったこともあり、長い種目はあまり練習せずに、短い種目メインで進めていました。その代わりに、1回1回の練習の所感的なものを言語化してノートに書き溜めていって、不調のときに見返せるようにしました。これが活きたのかどうかは分かりませんが、費用対効果の高い練習はできた感じがします。またどっかのタイミングで、練習方法の記事を出せればと思います。
大会の雰囲気・進行も素晴らしかったです。スケジュールの遅れもほぼなく、会場の温度管理もちょうどよかったので、いつも以上に集中できました。主催者の方々に感謝ですね🙏
大会後
大会の翌日は出発までかなり時間があったので、いろいろ散策してました。どこを見ても新しい高層ビルばかりで異世界空間みたいでした。
マーライオンの近くで偶然フィリピンチームに会ったので、記念撮影しました。
来年もシンガポールで大会がある予定らしいので、興味ある方はぜひ参加してみてください!
ではまた❗️