【京都歳時記】初天神 北野天満宮
北野天満宮 初天神
承和十二年(845年)六月二十日に生まれ、延喜三年(903年)二月二十五日に没した菅原道真を偲び、毎月25日が縁日とされ、「天神さん」として知られる天神市が開かれ、境内一円に露店が多数並びます。
古典落語の演目でも知られる「初天神」は、その年初めて行われる天神市のこと。当日は15万人もの人が集まります。試験を控えた学生の参詣も多く、学問の神を祀る北に天満宮ならではの光景が広がります。
開催日:1月25日、早朝~夕刻
アクセス:市バス50系統、101系統で北野天満宮前下車すぐ
北野天満宮
主祭神:菅原道真公
創建:天暦元年(947年)
社格等:二十二社(下八社)、旧官幣中社、別表神社
北野天満宮は、菅原道真公(菅公)を御祭神としておまつりする全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社で、その多くは当宮より勧請されています。
天暦元年(947年)に多治比文子に道長のお告げがあり、北野に道長を祀ったとされる。また、近江の比良宮の神良種の息子へのお告げによって現在地に社殿を造営したとも伝わる。
永延元年(987年)に初めて北野祭を行い、一条天皇により「北野天満天神」の勅号を賜った。
古来「北野の天神さま」と親しまれ、入試合格・学業成就・文化芸能・災難厄除祈願のお社として幅広く信仰されています。
落語「初天神」の歴史
「初天神」は、もともと上方落語の演目として誕生しました。
初天神の原話は、安永2年(1773年)に出版された笑話集『聞上手』の「凧」というお話です。
あらすじ
1月25日の初天神の日。男は1人で天満宮に行こうとするが女房から息子を連れていくように頼まれる。あれこれ買って欲しいとねだられることを予想していたため、男は息子を連れていきたくない。父親が天満宮に行くと知って息子は、連れていかないと近所に親のあることないことを話すと脅す。しかたなく男は、何もねだらないと息子に約束させ、天満宮へ連れて行く。
何もねだらないと約束した息子であったが、あの手この手で、何かしら買わそうとする。やがて相手に疲れた男は、口を塞げればいいとして飴を買ってやる。参拝を終えた帰路、凧の屋台の前を通りかかり、息子は凧を買って欲しいとねだる。男は拒否しようとするが、凧屋の店主も息子を唆し、結局、凧を買うことになる。
2人は天満宮の隣にある空き地に向かい、買ったばかりの凧を揚げようとする。子供時代に腕に覚えがあった男は、先に自分が見本を見せてやるといって凧を挙げるが、そのまま自分が夢中になってしまう。いい加減、代わってくれと息子は何度も頼むが、無視され続け、最後に諦めて息子は言う。
「こんなことなら、親父なんか連れてくるんじゃなかった」
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