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【京都検定】第25回京都検定1級を分析してみた

2024年12月8日に実施された「京都・観光文化検定試験」。本年度は、2級、1級が難しかったという声が多数聞こえます。1級についていうと、問題の傾向が変わったとの声が多数あるようです。
過去の京都検定でも、問題の傾向が変わるということはありましたが、今回がそのタイミングだったのかもしれません。

では、今年度の京都検定1級試験(全75問)を私なりに分析した結果です。
なお、あくまでも私見ですので、参考程度とお考えください。



テキストからの出題

・テキストからの出題:40問
・テキスト外からの出題:35問
前回の第23回1級試験は、テキストからの出題が「37問」、テキスト外からの出題が「38問」でしたので、難しいといわれている今年のほうがテキストからの出題は多いという結果です。

テキストから出題「40問」の出題箇所は、
・京都の寺院:14問
・京都略年表:6問
・祭と行事:5問
・京都の史跡:4問
・京都の神社・京都の建築・伝統文化:各2問
・京都の歴史・京都の庭園・京都の美術・京都の地名・天然記念物一覧表:各1問

全75問のうち40問がテキストからの出題でしたので、隅々まで読んでいれば、結構、点数を稼げたかもしれません。
とはいえ、テキスト記載を見落としそうな設問も数問ありました。
例えば、1-2「宴松原」は、テキストP16平安宮(大内裏)概略図の中にでてきます。
また、2-14「金札宮」はテキストP377付録の天然記念物一覧表の中に出てきます。ただ、第19回1級試験の公開テーマが「京の名木」でしたので、この時勉強していれば、正解にたどり着けたのではないでしょうか。
4-36「腰輿(およよ)」も盲点かもしれません。テキストP255の写真の説明書きにこっそり書かれています。

このように、1級試験では本文以外の、写真、図、巻末、からも良く出題されるので、本当に丁寧にテキストを読み進めていく必要があります。

ちなみに、個人的にはテキストP158 仲源寺の写真 扁額の文字が出るのではと予想していましたが、見事に外れました。

仲源寺扁額

過去問からの出題

過去の1級試験からは17問出題されています。
今回は比較的過去問からの出題が多く(問題文は必ずしも一致しません)、過去問を繰り返しやっておけば、十分に解答できたものとも思われます。

第18回・19回 京都検定 問題と解説

周年問題

周年問題からは8問出題されています。

・単独問題4問
 後亀山天皇(没後600年)、灌頂暦名(神護寺誕生1200年)、福田平八郎(没後50年)、黒田清輝(没後100年)
・公開テーマ1問
 法然上人(浄土宗立教開宗850年)
・非公開テーマ大問題1問
 富岡鉄斎(没後100年)
・小論文2問
 北政所ねね(没後400年)、醍醐寺(創始1150年)

周年問題は、毎年、必ずと言っていいほど出題されます。今年の富岡鉄斎は、周年と『旧富岡鉄斎邸を「文化と産業の交流拠点」へ』、という話題が重なりました。しかも旧富岡鉄斎邸「文化と産業の交流拠点」の整備は京都商工会議所の事業ですので、今年出題されなかったらいつ出題されるのか、と言えるくらい大本命のテーマだったと思います。ですので、小論文に出るのではと予想された方もいたのではないでしょうか。

旧富岡鉄斎邸跡

時事問題

時事問題からは8問出題されています。

・松尾大社
 特別展松尾大社展(京都文化博物館)
・瑞泉寺
 豊臣秀次公430回忌 特別展示 豊臣秀次と瑞泉寺(京都国立博物館)
・六観音菩薩像
 国宝指定(大報恩寺)
・佛性寺
 京都府指定文化財
・野々村仁清
 京都府南丹市美山町大野で、生誕地であると示す石碑が建立
・顕注密勘
 藤原定家が記した古今和歌集の注釈書「顕注密勘」の自筆原本が冷泉家で 
 発見
・無量壽佛堂
 旧富岡鉄斎邸を「文化と産業の交流拠点」として整備・開設
 大回顧展「没後100年 富岡鉄斎」(京都国立近代美術館)
・橋弁慶山
 前懸を復元新調

橋弁慶山

顕注密勘は、大河ドラマ「光る君へ」関連ということもあり、時事問題で出題されるだろうと予想された方も多かったと思います。
また国宝指定の大報恩寺 六観音菩薩像も今年は注目でした。国宝指定、重要文化財指定等も時事問題として出題される確率は高い分野です。

時事問題は、今年の試験では2024年7月までの話題が出題されています。試験作成の時期等を想定すると、出題されるのは前年秋から8月、ギリギリ9月あたりまでの話題だと思います。

時事問題には欠かせない「京都ひろいよみ」

さいごに

以上、私なりの分析ですが、これまでの1級の傾向を踏まえ冷静に分析していくと、出題傾向が変わったと言われますが、大きな枠組みとしてはそれほど変更はなかったと思われます。

京都検定1級合格は、合格率10%前後と、ご当地検定の中では最難関です。京都にお住まいの方や京都が好き、かつて京都に住んでいたという方でも、合格するには、しっかり勉強する必要があります。

本noteでは、京都検定1級合格に少しでもお役に立てればと思い、配信していますが、今回の分析が、これから1級受検を考えている方に、少しでもお役に立てばいいなあと思っています。

今後も、ゆる~く京都検定情報を発信していけたらと思いますので、ご興味があれば、次回の配信も引き続きお立ち寄りいただけると嬉しいです。

御礼、感謝!感謝!

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