
『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』上映のおしらせ
映画館・京都シネマと配給会社・Gucchi’s Free Schoolが企画する〈きょうとシネマクラブ〉、その第4弾はペドロ・アルモドバル監督の『オール・アバウト・マイ・マザー』(1999年製作)を上映。
そして、なんと『オール・アバウト・マイ・マザー』の上映と同じ時期にアルモドバル監督の最新作にして新境地ともなった『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』を上映することが決定しました。アルモドバル作品を2作品あわせて劇場で観れるのは京都シネマだけ!ぜひ、この機会にスペインの巨匠の傑作たちをお楽しみください。
🔵『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』上映情報
📅上映期間:2025年3月28日(金)~4月10(木) at 京都シネマ
*上映時間は決まり次第、劇場ホームページにて掲載いたします。
🎫料金:一般1,900円、そのほか通常料金

🌟作品紹介
第81回ベネチア国際映画祭 金獅子賞受賞!
さらに第82回ゴールデングローブ賞主演女優賞ドラマ部門に主演のティルダ・スウィントンがノミネート!!
色鮮やかな映像、エキセントリックな個性で、マッチョな男性社会の規範をユーモアのある“おちょくり”で混乱を巻き起こし、感動を紡いできたアルモドバル監督。大好きなハリウッドの巨匠ビリー・ワイルダーからは、「何があってもハリウッドには行くな」と忠告されていたということですが、ついに御年75歳にしてアメリカではじめての英語長編作を撮りました。病に侵され安楽死を望む女性と、彼女に寄り添う親友の、短くも眩い最期の数日間を描きます。
あらすじ…
重い病に侵されたマーサは、かつての親友イングリッドと再会し、会っていない時間を埋めるように病室で語らう日々を過ごしていた。治療を拒み自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願っていて…。
ついに!ついに!出会った!(短編『ヒューマン・ボイス』からの遅すぎる出会いと感じてしまうほど必然的な)ティルダ・スウィントンと、ジュリアン・ムーアのふたりが親友同士を演じました。
セリーヌ、ボッテガ・ヴェネタ、モダニズム建築、エドワード・ホッパーの絵画……。アルモドバル作品に重要なアイテムとなっていた鮮やかな色彩が女性同士の強固な信頼、アイデンティティの崩壊、そして安楽死という重たいテーマを輝かせています。
様々なテーマで語りつくすことができる重層的な作品ですが、ひとつには“物語”を継承すること。死にゆくマーサは、過去を語ることでアイデンティティを再発見し、良き聞き手となったイングリッドは、離れ離れになっていたあいだのマーサの過去を埋めることでマーサの人生を祝福し、そして疎遠になったマーサの娘へと物語を紡いでいくのです。ふたりが過ごす時間が、その場所が、愛おしくて、いつまでもふたりのことを観ていたい気持ちにさせられます。このままマーサに奇跡が起こればいいのにとか思ってしまいました。

1999年の傑作『オール・アバウト・マイ・マザー』や、そのほかアルモドバル作品には、様々なタイプの女性たちを主人公として、どれも彼女たちの人生を祝福するような内容となっていますが、つねに語り手であったアルモドバル監督が”物語を継承すること”を描いたという点では、自伝的最高傑作とされる『ペイン・アンド・グローリー』と並び、新たなフェーズに入った作品と言えるかもしれません。
京都シネマでは、『オール・アバウト・マイ・マザー』も同じ時期に上映です!
🔵『オール・アバウト・マイ・マザー』上映情報
📅上映期間:2025年3月28日(金)~4月10日(木) at 京都シネマ
*上映時間は決まり次第、劇場ホームページにて掲載いたします。
🎫料金:1,500円均一
『オール・アバウト・マイ・マザー』は、トランスジェンダー、レズビアン、そして母親などあらゆる女性たちへ贈られる物語です。生きる上でたくさんの困難を抱えて生きてきた彼女たちが、経験してきた困難や苦しみゆえに自分とは違う他者を受け入れ、ときに赦し、手を差し伸べ合いながら不死鳥のごとく何度も再生していくのです。1999年・第52回カンヌ国際映画祭の監督賞や2000年・第72回アカデミー賞の国際長編映画賞(外国語映画賞)をはじめとする多くの映画祭で受賞。いまもなお多くの人々にとって大切な1作になりうる可能性のある作品です。ぜひ劇場でご覧ください◎
あらすじ…
臓器移植のコーディネーターとして働くマヌエラは、作家志望の息子エステバンとマドリードで穏やかな生活を送っていた。ある夜、エステバンが交通事故で突然命を落としてしまう。悲しみに打ちひしがれるマヌエラは、息子の父親にその存在を知らせるため、過去に別れたバルセロナに向かう。息子の父親は、現在“ロラ”という名で性別を変えて暮らしていたのだ。旅のなかでマヌエラは、トランスジェンダーのアグラード、修道女のロサ、舞台女優のウマといった人々と出会い、それぞれの人生に触れていく……。

🔵『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』予告編
🔵『オール・アバウト・マイ・マザー』予告編

映画館・京都シネマと配給会社・Gucchi’s Free Schoolが、規模や知名度、新作、旧作にこだわらず、いまこそ見たい映画作品を上映する企画です。
vol.1では、特集「女性と映画」と題して、4作品を毎月1作品上映しました。vol.2、vol.3ではウェス・アンダーソン監督の『ムーンライズ・キングダム』と『アンソニーのハッピーモーテル』を上映。今後の上映もお楽しみに!
●特集「女性と映画」トークイベント販売記事
●『ムーンライズ・キングダム』『アンソニーのハッピーモーテル』まとめ