記憶を辿る63
『 スノーボード 』
この頃、私はスノーボードにハマっていて、毎週末どこかのゲレンデに行っては車中泊をし、朝から夕方まで滑り倒していた。最後のお楽しみパターンは、京都に帰ってラーメン屋さんや焼肉屋さんに行ってから、お風呂屋さんをセットにするコースが楽しかった。
周りも同年代ばかりだから、皆が生業となるようなモノは決まりかけていたが、まだまだ遊びが優先。スノーボードに行き慣れた女子チームと一緒に行くことも多く、共学高校に進学したのに、男女の触れ合いを全くしてこなかった私にとっては、部活動をしているような気持ちだったのかも知れない。
スノーボードがトレンドだった頃だから、やりたい女の子も多く「やったことないし連れてって」と言われる事もあり、連れて行けばまた違った”春”を楽しめたかもしれないが、この誘いはほぼ断った。
初心者を連れていかなかった理由は一つ。
我々が滑れないから、だ(笑)
しかしながら大した滑りもできない男子がチャラっていたりすると、雪をぶっかけるように横を滑り抜けたりもしていたから、やっていたことは照れ臭さを隠した格好付け高校時代と何ら変わっていない事が今更ながらも恥ずかしい。
モテたいんか滑りたいんかどっちやねん。
どっちも欲しいねん! が正直なところだろう(笑)
スノーボードは、グランドトリックと呼ばれるゲレンデを滑りながら繰り出す技もあれば、民家ぐらいあるジャンプ台から飛び出して繰り出す技、Uの字に雪を舗装したハーフパイプで次々と技を出して競い合うなど楽しみ方は色々ある。
もちろん普通にゲレンデを滑るだけでも楽しいスポーツだ(笑)
この頃は”トヨタビッグエアー”というイベントが有名で、TVでやっていたので、ご存知の方も多いと思う。本家のこちらは世界ランク上位の有名なプロがビルの5階ぐらいある高さから滑り降りてジャンプする。着地までに縦に横にと回転を入れて、難易度によって勝敗が決まるような大会だった。
これに触発されない訳がない。
コケて怪我でもしたら仕事に支障をきたす。
そんな事が頭に浮かぶはずもない私はある日、これまでは遠目に見ていたゲレンデ併設のジャンプ台に突っ込むことにした。
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