経験者募集中!【京都から日本の文化を発信し、持続可能な社会への架け橋を。 COS KYOTO株式会社(文化ビジネスコーディネート)】
「三方良し」という言葉を聞いたことはありますか?
「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」という、近江商人の言葉です。商売において、売り手と買い手、そして社会がよい状態にあることが理想であるというということを表した言葉です。
京都で「文化ビジネス」を掲げ、日本の伝統工芸や地場産業などの持続可能な社会とマーケットづくりを行っているCOS KYOTO株式会社。(以下、COS KYOTO)
代表の北林さんはお仕事の中で「五方よし」を目指しているそう。
これまでの地場産業の世界では、売り手がつくり手を抑制していたことが多々あったため、「三方よし」ではなく「つくり手」「伝え手」「使い手」「社会」「未来」の5つが幸せになってこそ健全な市場になるのではないかと考えます。
(北林さんの書かれた五方よしへの考え方のnote記事です↑)
そんな北林さんがCOS KYOTOを立ち上げたのは、子どもの頃から抱いていた環境問題への思いが根底にありました。
10歳のころにはすでに「このままでは地球環境が危ない」と思っていた北林さん。大学で環境政策などについて学ばれた後、環境問題に大きな影響を持つエネルギー面から貢献できるのではと考え、ガス会社に就職されます。法人営業として働く中で、「いくらエコな設備でも人がムダな使い方をすると結局一緒。人を変えることが一番重要なのではないか」ということに気付かれ、人材育成などを行う東京の会社に転職されました。
その後リーマンショックをきっかけに、「今」ではなく「100年先」を見据えて人が楽しんで自然と行動を変えていける仕組みを作りたいという思いから、「文化ビジネス」を掲げる村山裕三教授のもとで学ぶべく、同志社大学大学院ビジネス研究科へ入学され、大学院修了と同時にCOS KYOTOを起業されました。
(DESIGN WEEK KYOTOでの工房見学の様子)
今年で6年目の開催となる「DESIGN WEEK KYOTO」は、多様な交流を通じて京都の街をもっとクリエイティブにしたいという思いからスタートしたイベントです。京都の地場産業の現場をオープンにし、地元の方々はもちろん、つくり手同士がつながり、新たな商品開発や学び合いなどこれまでになかった様々な関係性が生まれています。
このほかにも海外との交流として、2018年度には京都の祇園祭で使われる山鉾をポーランド日本庭園で展示する取り組みを、2020年度にはオンラインでドイツのアーティストらと京都の工房をつなぐ「ONLINE KOBO」を行っています。
1100年以上続く祇園祭の歴史の中で、山鉾が海外に渡ったのは初めてのことだそう。
前例のない取り組みでしたが、北林さんご自身が京都以外の出身でありいわゆる「外のひと」だからこそ踏み切れた事例ではないかと語ります。
また ONLINE KOBOの取り組みは、それぞれのつくり手にとって新たなものづくりの視点を得られる時間になっているのではないでしょうか。
(ポートランドで展示を行った綾傘鉾)
京都にはたくさんの地場産業があります。老舗と呼ばれる、100年以上続く会社もたくさんある中で、「日本各地から様々な文化が流入してきた京都で働けば、日本のすべての地場産業を知ることができるのではないか」とおっしゃっていました。だからこそ、大変なこともあるかもしれませんが、日本の文化や歴史、多様な人たちとのつながりを身近に感じながら、100年先に続くものづくりに携わる重要なお仕事だと感じました。
また今回のインタビューで「もともと地域にある豊かな自然環境のなかで人々が生活を営み、育まれてきたものが文化。つくり手、そしてつくる過程がわかるものは大切に使おうとしますし、壊れても直して使おうとしたりと、結果的に資源の節約につながっていきます。今回の新型コロナウイルスの影響は、今までの価値観のまま経済成長を続けていけば、いずれ破綻することが見えていた中での出来事で、ある意味全世界の人々の価値観が揺さぶられ、これからのあるべき社会の形を考えるきっかけになった点はよかったのではないかと思います」と話されていたことが、とても印象的でした。
(仏師・三浦耀山氏が主宰する仏像彫刻所・土御門仏所での製作の様子。DESIGN WEEK KYOTOで出会ったキャステム京都LiQと共同で、ドローンで仏様を飛ばす試みを行った)
COS KYOTOでは、一緒に働く仲間を募集しています。
今回の募集職種は広報です。たくさんあるプロジェクトを伝え、広める役割。
「社会を変えていくことを一緒に考え、企画・発信を行い、地道な作業を乗り越えた先にある喜びや楽しみを一緒に経験できる人」がいいと北林さんは語ります。
企業のブランディングは時間をかけて取り組む必要があります。地場産業の良さを引き出すため、共に考えていく過程では粘り強さも必要になるでしょう。
「広報」という領域を超えるような場面も出てくるかもしれません。
でもそれ以上に、仕事で社会を変えるきっかけを創り出せることにやりがいを感じることができるのではないかと感じました。
歴史や文化、工芸、そしてそれらを基盤とした新たなモノづくりなどが根付く街、京都。
100年後の未来には、どんなモノやコトを次世代につないでいけるでしょうか。
地場産業やモノづくりに興味のある方、ぜひご応募を!
こちらのフォームからお問い合わせください。
*2020年12月現在、広報職での求人は終了しました。
事務職、企画職で引き続き募集されているので、ご興味のある方はご連絡ください。