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【2025年2月28日発売】海を「視る」技術:インドネシア・バンガイ諸島サマ人の漁撈と環境認識
漂海民の、海をめぐる「辞典」を編み上げる
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海をめぐる「辞典」を編み上げる……「漂海民」は海を渡り、星を手探りしながら、自分たちの位置を知る方法を培ってきた。樹木、風、天体、海底、島……ナチュラル・ナヴィゲーションこそが海を移動する技の基本となる。彼らには一体、どんな風景が見えているのだろうか?
インドネシア東部、海上生活を営むサマ人らの海上移動に密着するだけでなく、漁場の名前、岩の名前、岬の名前……それらの言葉をひとつひとつ収集し、ナヴィゲーションに関する言葉の体系を編み上げた。語彙の絡まりあいから、彼らの環境認識を探り出す画期的な試み。私たちとはちがう「海からの目」で見る風景が立ち上がる。
|目次より
序章 海を生きる人びとの世界
第1章 多島海を生きるサマ人の生活世界
第2章 バンガイ諸島サマ人の漁撈活動
第3章 海の民俗分類と空間的配置――手釣り漁師の空間認識
第4章 魚類・漁場・目標物の民俗分類
第5章 海を「視る」技術
あとがき/索引
|著者プロフィール
中野真備(なかの まきび)
東洋大学アジア文化研究所特別研究助手。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了、博士(地域研究)。主な著書に、「『君たちはどう生きるか』の天体考—星・月・隕石」(『現代思想』10月臨時増刊号、2023年)、「天文民俗の可能性—心意現象としての星から」(『現代思想』1月号、2022年)、A Study of Classifications of the Seasons by Sama-Bajau Fishermen: From Four Cases in the Banggai Islands, Indonesia, Research Papers of the Anthropological Institute 11, 2022. 「佐渡のイカ釣り漁撈における天文民俗」(『國學院雑誌』122(7)、2021年)、「インドネシア・バンガイ諸島サマ人の環境認識――外洋漁撈をめぐる魚類・漁場・目標物の民俗分類」(『東南アジア研究』58(2)、2021年)、などがある。
▼書籍詳細ページ
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