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【著作紹介】鳥類学者・山岸哲

先週、佐渡北部の大佐渡エリアではじめてトキの放鳥が行われたというニュースがありましたが、国内ではトキ野生復帰にも関わって来られた山岸哲先生が、この春、京都地球環境の殿堂 第15回殿堂入り者になられました。殿堂入りの主要業績につながるマダガスカル島のアカオオハシモズ研究をはじめ、小会でのご著作を紹介します。

山岸 哲(やまぎし さとし)
昭和14(1939)年,長野県須坂市に生まれる。
信州大学教育学部卒業(京都大学理学博士)。大阪市立大学理学部教授,京都大学理学部教授,山階鳥類研究所長,新潟大学朱鷺・自然再生学研究センター長,兵庫県立コウノトリの郷公園長を歴任。この間,日本鳥学会長,応用生態工学会長などを務める。平成11(1999)年に山階芳麿賞受賞。平成19(2007)年に環境大臣表彰。令和6(2024)年京都地球環境の殿堂 第15回殿堂入り者。大阪市立大学名誉教授。



アカオオハシモズの社会

社会きわめて特異な鳥類相を有するマダガスカルにあって、ヘルパーつきの協同繁殖をする社会をもち、また、いわば「頼りになる兄貴分」として小鳥たちの混群の中心となっているアカオオハシモズの個体群の生態を精密な観察手法で明らかに。

英語版▶︎:https://www.kyoto-up.or.jp/books/9784876986569.html


近畿地区・鳥類レッドデータブック:絶滅危惧種判定システムの開発

レッドデータブックは、生物多様性の危機を訴える啓蒙資料として役割を果たしてきたが、必ずしもその判定は科学的になされてはいない。観察者のもつ主観的な生息情報を如何に客観的可視的なデータ置き換え、危急性を判定するのか? 鳥類をフィールドに絶滅判定の方法を探るとともに、豊富な図版を用いて近畿における危急状況を示す。

(*訳あり15%OFF特価実施中)


保全鳥類学

移動性が大きく多様な食性を示す鳥類は、森林や河川・湖沼、農地など多様な環境のなかで、物質循環に大きな役割を果たしている。鳥類の個体数や多様性は、環境の健全さの指標の一つとなる。保全というとコウノトリなど希少な鳥に目がいきがちだが、一見ありふれた鳥たちもまた、生態系の大切な構成要素として注目しなければならない。


日本の希少鳥類を守る

トキ,コウノトリ,アホウドリ,ヤンバルクイナ…言うまでもなく,絶滅の危機にあって救うべき鳥達.しかし,そもそも何から守るのか,どうすれば守れるのか?その原因や方策は種によって様々だ.代表的稀少種12種を取り上げ,具体的・実践的に保全の課題を示し,専門家,行政担当者から生徒児童まで,広く活用できる市民参加型学術書.


日本書紀の鳥

『日本書紀』には数多くの鳥が登場する。『万葉集』も同様だ。ところが登場する種とその頻度に注目すると,明らかに『日本書紀』と『万葉集』には違いがあるのだ。それは何故か? 分布や形態・生態などの生物学的推論,記述のされ方の違いへの着目など,文字通り文理双方の視点からの考察で,古代人と鳥との関わりに迫り,政治史の中に現れる生き物の謎に迫る。(フルカラー)


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