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「京都キタ短編文学賞」~執筆のヒント~ #02 北区北部の魅力

 現在実施中の「第3回 京都キタ短編文学賞」の関連した職員Fによる連載企画!!
 
 この連載を通じて、同文学賞の応募を検討されている方のヒントになればと思いますし、北区の魅力をより多くの方に知ってもらいたいなぁと思います!
 先の記事でも書きましたが、北区はとても広域でして、ある程度、区域を分割して、記事にしたいと思います。

小野郷学区

 小野郷学区は北区の北部にあり、関西百名山の「桟敷ヶ岳」の麓に位置している山村集落です。
 職員Fも絶賛視聴中のNHK大河ドラマ「光る君へ」でも描かれる平安時代にこの小野郷地区は「小野山」と称され、主殿寮(今で言う宮内庁ですね)の領地として、朝廷に木材や炭、松明などを納めていました。  

 小野郷学区と言えば、色づく銀杏の葉が美しい「岩戸落葉神社」でしょう。
 これまた大河ドラマネタですが、まひろこと紫式部が執筆した「源氏物語」で、光源氏と葵の上の子である夕霧が恋に落ちたという「落葉姫」を祭っている神社として有名ですね。 
 最近はインスタグラムを見て、この「岩戸落葉神社」に来られる方もいるんだとか。

美しい銀杏の木々
新緑の季節もまた良きかな

 因みに、「第1回 京都キタ短編文学賞」の受賞作で、「岩戸落葉神社」を舞台にした作品がございます。
 
 作品はこちらから→ 「いちょうの葉(相原梨彩著)」


 そのほか、大森集落にある平安時代初期の文徳天皇の第一皇子である惟喬親王が創建したとされている「安楽寺」があります。
 皇位に付けず、出家し、療養のため、大森集落などに隠棲したとされています。

中川学区

 小野郷学区の南側に位置するのが中川学区。
 日本最古の林業として約600年もの歴史を誇る北山杉の生育地として有名です。
 『杉』といえば、「秋田杉」や「吉野杉」などが有名ですよね。
 日本特有の材である『杉』の特徴は「太く、長く」生育させることで、家具や建具などあらゆる用途に応じ、形を切り出して使われているわけですが、北山杉は山の急斜面に生育させ、数年おきに枝を落とすことにより「細く、長く」生育させる独特の生育法が特徴的です。
 良い木を「挿し木」などの繁殖法により生育を続けてきた結果、ほとんど花粉を持たない(花粉を飛ばして繁殖する必要がないから)点も他の『杉』と比べて特徴的です。
 北山杉の皮を剥いで乾燥させた北山丸太は茶室や和室などの日本古来の建築物の飾り柱として、部屋の格を挙げる一種のブランド品として人気を博していました。
 「茶の湯」文化を確立した千利休が手掛けた茶室にも北山丸太は使われるなど日本を代表する銘木の一つとなっています。

ほっそ長っ!
これも北山杉

 何といっても2枚目の写真の「大台杉」。
 樹齢400年以上を誇り、圧巻のフォルム。
 1本の木から1つの木材しか調達できない北山杉ならではの悩みを人工的に解消した育林方法である「台杉仕立て」という技術。
 これにより、1本の木から複数本の北山丸太を調達できると。昔の人頭イイ!!

川端康成著「古都」の舞台になった磨丸太倉庫群(現在は立ち入り禁止)

 中川学区には北山林業で生計を立ててらした方が多かったことから、地域内に加工場やこのように乾燥させることを目的とした倉庫がありました。
 現在、写真の倉庫は耐震性・耐久性の問題などから立ち入り禁止ですが、オブジェとして北山丸太も置かれており、歴史や雰囲気を感じさせてくれますよ。

雲ケ畑学区

 小野郷学区の隣で北区の最北部に位置している雲ケ畑学区。
 小野郷・中川学区と同じく小規模集落なのですが、歴史満載です。
 まずは、テレビで京都が取り上げられる時に必ずと言っていいほど、映像に移る鴨川!
 職員Fをはじめ京都市民としては、鴨川にカップルらが等間隔で河川敷に座り、甘じょっぱい時を過ごすことで有名なあの鴨川(私は経験ないです)。
 なんとこの鴨川の源流が雲ケ畑にあるんです。

 さて、雲ケ畑学区と言えば、先ほど小野郷学区でもご紹介しました惟喬親王ゆかりの地でもありまして、まずは、惟喬親王の名のついた「惟喬神社」。

 こちらは、惟喬親王没後に村民などの手で建立されたとのこと。
 集落の方々と仲良く過ごされてたのでしょうね。
 
 お次は、惟喬親王が住まわれたとされている高雲寺。

転がってこないか心配。

 説明のとおり、惟喬親王の隠棲地とされ、親王が出家後、お寺にされたそうな。
 この階段の先に本堂があるのですが、普段は閉まっています。

 惟喬親王ゆかりの場所たちから更に北上すると見えてきますは志明院。
 

シャクナゲと山門

 志明院は寺院としてももちろんながら、例年4月~5月に咲くシャクナゲが有名で、この時期は多くの方が来られます。
 そして、何より、シャクナゲが咲く山門を抜けると『霊場』とされており、撮影禁止になります。
 境内には、鴨川の水源地であり、水の流れる音がするのは当然ですが、水の流れる音が気にならなすぎるといいますか、傍に当たり前に存在しているといいますか。水や空気、木々、生き物、自分も含め全てが自然に存在している不思議な感覚。
 これは現地に行ってもらわないとわからないと思います。

 因みに、「第2回 京都キタ短編文学賞」の受賞作で、今回ご紹介した雲ケ畑学区の場所を舞台にした作品がございます。
 
 作品はこちらから→ 「雲ヶ畑の蒼色の風に(アキチカ著)」


 以上。北区北部の魅力でした。
 今回、個人的にここ!という場所などをご紹介してみましたが、もちろん、ほかにも北区北部の魅力はございますので、現地・インターネット等で探してみてください。
 それでは、次回の投稿をお楽しみにしてください(ネタ探し必死でやってます。。。)!

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