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映画『小学校~それは小さな社会~』が伝えたい大事なこと
感動した映画を見た後は、その余韻が残っているうちに、noteに記事を書きたくなる。改めて、こんな気持ちにさせる素敵な映画に出合った。
『小学校~それは小さな社会~』
この映画は、イギリス人の父と日本人の母を持つ山崎エマ監督が、東京の公立小学校に150日、のべ4000時間の長期取材をして、つくられたドキュメンタリー映画だ。監督自身、日本の公立小で学び、中・高はインターナショナルスクール、大学はアメリカという経歴。監督自身の強みが、日本の小学校時代にあると気づいたことから、この映画を撮ったとのこと。
映画では、1年生と6年生にスポットを当てて、日常の学校生活や行事の様子が撮影されている。
桜が咲く中、入学式で緊張した表情の1年生たち。
おぼつかない手つきながらの給食の配膳、ほうきを使った掃除。
また、入学間もない1年生を優しく手助けしたり、卒業式の練習で、挨拶や返事のタイミングを確認する6年生たち。
この映画を見て、私も自分や、娘、息子の公立小学校時代をなつかしく思い出した。
私自身失敗しながらも給食の配膳し、教室掃除やトイレ掃除もした。それに日直の仕事や、クラスの係活動や委員会活動にも参加していた。どの子にも皆、それぞれの役割があり、与えられた仕事を任されていた。もし、さぼったりしたら先生からお目玉。学活でクラスメイトに謝罪と、再度仕事のやり直しだったな。
大人の今になって振り返ると、小学校時代に自分の仕事をやることで、物事を最後まで全うする責任感や実行力、忍耐力、協調性なんかも育まれたような気がする。その中で、それぞれの立場でクラスメイトのことを気にかけ、思いやって日々過ごしていた。
これは当然のことだと思っていたけれど、知らず知らずのうちに身についていたのだと、改めて感じた。
この映画に出ている児童や先生方は、当然ながら、ごく普通の方々。
児童や先生たちの何気ない言葉や表情が、より私の心を揺さぶらせ、新しい気づきを与えてくれた。日常がまさにドラマなのだ。
ある1年生の女の子が、合奏で担当するシンバルがうまくできず、先生にも厳しく指導されボロボロ泣いていたシーンに、私も涙が出た。
でも、ついに彼女は新1年生のために「歓喜の歌」を、しっかり演奏したのだった。ここまで、一生懸命頑張ってやり遂げたこと。彼女の満面の笑みと「できたよ!」の言葉に、また涙が出た。
日本の公立小学校は、勉強だけでなく、子ども一人一人の「できた!」という達成感が、日常の様々な場面で得られる機会が多いように思う。これは素晴らしいことではないだろうか?
一方で、いじめの問題など看過できないこともある。
けれども、かつて日本語学校の留学生たちとの話や、自分の体験などを振り返ってみても、大人になるための土台作りを小学校で与えてくれ、そこに個人がそれぞれワンステップずつ積み重ね、「自分」を作り上げているのではないかと感じる。
また先般の国際成人力調査(PIAAC)で、日本はいずれの年齢層でも、世界トップレベルの習熟度だというのも、日本の小学校での教育と関係があるように思えてならない。
様々なことに気づかされ、考えさせられた映画
『小学校~それは小さな社会~』。
2024年の暮れに、良き映画と出合えて嬉しい限りだ。
ぜひ、多くの方々に見ていただきたいと思う。
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