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ラオス旅🇱🇦(4) ジャール平原①


ラオスのシェンクワーンに来た理由。それはジャール平原に行くため。今回は2回に分けてジャール平原付近の魅力を伝えることができたらと思う。

ジャール平原とは?



ジャール平原は、辺り一面に石壺が広がっている地帯のことである。2019年7月、シェンクワーン県ジャール平原の巨大石壺遺跡群が世界遺産に登録された。しかし、「なぜこのような石壺が広がっているのか」「どのような目的で作られたのか」など様々な説があり、未だに謎な部分が多い地帯なのである。そのため、1930年代から様々な考古学者が訪れ、このミステリアスな地帯を解明するために研究が現在でも行なわれている。日本も、他の国と協力してラオスと共同で発掘調査を実施している。現在、ジャール平原は3つのサイトに分かれている。それぞれのサイトで特徴があり、非常に面白かった。

なぜ石壺が造られたのか


これは、未だに解明されていない難しい難題である。

最も有力な説として「石棺説」というのがある。考古学者の発掘調査により、石壺には、人骨が入った壺や青銅の腕輪、首飾りなどが発見された。つまり、この石壺が遺体を埋葬する石の棺として用いられたのではないかということだ。紀元前500年頃から利用されていたといわれており、おおよそ1500年前以降から石壺が様々な用途で使われているものだと思われる。

他の説はないかとガイド人に聞いてみたの人に聞いてみた。すると、もう1つの推測を聞くことができた。それは、「雨水の貯蔵」のためということだ。はるか昔の時代は、水を溜めておくタンクなどはなく、水は限られていた。当時は、雨水は非常に重要な資源であり、雨水を活用して飲み水や料理に使われていた。その雨水を溜めるためにこの石壺が使われたのではないかということだった。ラオスの雨季は、今の8月前後であり、実際に石壺の中を見てみると、雨水が溜まっていた。

しかし、これらの説はあくまでも仮説である。そもそもこれらの石壺を造るには多くの資材と労力を伴う。機械等を使わず全て人力で造る必要がある。ちなみに、この石壺は、人力で運ぶのは難しく、ゾウの力を使って運んだそうだ。しかし、石壺の資材等をどこからどのように調達したのかは謎のままである。それを自分なりに考えてミステリーに迫ろうとする時間が非常に面白い。

ここからは、実際に訪れた地点を紹介したい。

サイト1


ここは現在、ジャール平原の最大規模を誇るサイトである。サイト1の地点に到着してまず見てもらいたいのは、全てのサイトの中で一番大きいといわれている石壺である。高さ3.25m、重さは6tもある。

他の石壺よりも一回り大きい。重さ6tの石壺
丘から見た景色。多くの石壺が点在している。広大な原っぱに石壺が広がる光景を見て、ジャングルに来たような気分になった。
様々な形をした石壺

Bomb Crater


また、石壺ではないが、ジャール平原に訪れると、こんな穴を見かけることがある。

そう、戦争時に爆弾が落とされた際にできたクレーターである。調べてみると、1964年から1973年の間にベトナム戦争と平行して、ラオスはアメリカからものすごい数の空爆を受けた。その数はなんと58万回。時間換算で8分に1回になる。200トン以上の爆弾が落とされていると思うとぞっとする。

サイト2


続いて、サイト2である。ここには最も高い石壺がある。その高さは2m10cm。そして石壺でも、年月が経ち、割れてしまうもの。木々と同化してしまうものなどがあった。

石壺の中。水が溜まっているものもあれば、石の地肌が見えるものもある。
割れてしまった石壺。破片が落ちている
破片は手で簡単に砕くことができる。
木と同化した石壺。木々と一緒に今後成長していくのだろうか。
2m10cmの石壺。ものすごく高い。

サイト3


最後のサイト3だが、ここに行くまでの道中が非常に大変だった。雨季のため、道がぬかるんでしまい、車で通ることができなくなった。そのため徒歩で移動するのだが、ぬかるんでいるため、靴はドロドロ。立ち往生してしまう車もあった。更に、水田地帯を通る必要があるため、雨だった場合はほぼ間違いなく、靴はドロドロ、ビショビショになる。

完全に動かなくなってしまった車。トラクターのような車に引っ張られ、なんとか脱出しようと奮闘していた。
木でできた橋を渡る
水田地帯。細い路地をひたすら突き進む。靴の汚れを気にしたら負け

約400mの水田地帯を抜けると、サイト3が見えてくる。ここは色んな地点に点在しているというよりは、密集しているという感じである。更に、牛も数頭いて、まるで現地住民がここに住んでいるかのような雰囲気だった。

長方形の形のした石壺が多い


牛が4頭
こちらを静かに見ている。

以上がジャール平原のサイト1~3を訪れて発見したものである。残り2カ所シェンクワーンで訪れた地点があるので、次の投稿で紹介したいと思う。では。

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