UNIQLOでの奇妙な冒険
ドドドドドドッ...!
振り返った瞬間、
脳内に緊張感を伝える衝撃音が鳴り響いた。
家族3人でUNIQLOでショッピングをしていた時の出来事である。
最近本格的に冷え込んで来たため暖かいフリースが欲しくなり、取って来て良いかと妻に確認した。
妻は「私も一緒に見る」と応えた。
値段のチェックをするためだろう。
そんな他愛も無いやり取りをしていると2人共つい息子から目を離してしまった。
そしてその一瞬の隙をつき、いつの間にか2人の視界から消えていた息子。
辺りを見渡してもすぐには見当たらない。
私は店内を探そうと足を踏み出した瞬間、後ろから可愛らしい子どもの声がした。
「ママー、パパー」
声のした方向を振り返ると無邪気に微笑む息子である。
良かった...
2人はそっと胸を撫で下した。
キャッー‼︎
が次の瞬間、息子が手にしていた物を見て妻は悲鳴をあげた。
手首である。
息子は右手に右手首を持っていたのである。
何を言っているかわからないもしれないが、私も一瞬何が起こったのかわからなかった。
ありのまま起こった事を書くとそうなるのだ。
私は恐る恐る確認すると、どうやらマネキンの手首である。
手首を持っている相手に使えるフレーズとしては鉄板であるがそんな状況なんてそうそうある筈無く、使う機会に恵まれない一言。こんなツッコミは私の人生で最初で最後だろう。
今しかない!そう思いながら心の中で私は叫んだ。
「おいおい!まるで吉良吉影じゃないか⁉︎」
拾ってきたのか自分で取ったのかはわからないがそのまま放置する訳にはいかない。
2人で店内を探すと幸いにも?近くに手首の無いマネキンがあった。私は四苦八苦しながら何とか手首を嵌め込む事が出来た。嵌め込むのはなかなか大変だった。
違うマネキンの手首だったらUNIQLOの人すいません。
子どもから目を離すと何をするか分からないと言う経験でした。
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