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中間発表 グループ①「デザインによってどういう効果があるのか? 見えずらい問題」
こんにちは!美大生×官僚 共創デザインラボです。
今回は、2024年6月15日に行われた、2024年度 共創ワークショップ テーマ案プレゼンテーションより、チーム①「デザインによってどういう効果があるのか? 見えずらい問題」をお届けします!
ここでは、デザインが社会にもたらす効果や必要性が周知されていないという事を問題とし、掘り下げを行いました。
テーマ案に至ったわけ
チーム①では、他国と比較した際の日本社会でのデザインの優先順位の低さに注目しました。
例えば、イギリスではデザイン協議会というものが設立されています。この団体は1944年にイギリスの景気回復を支援するために創設され、「英国産業の製品のデザインの改善をすべての実行可能な手段によって促進すること」を目的としていました。 現在は「デザインによって生活をより良くすること」を目的として活動しています。2004年にダブルダイヤモンドと呼ばれるデザインプロセスを発表したのも、この団体です。このプロセスでは直感的思考と分析的思考を自由に切り替えながら創造的問題解決を行います。現在でも有名な思考フレームワークのひとつであり、新規事業開発や事業戦略立案者に活用されています。
このようにデザインは広く応用でき、デザインと繋げることで解決できる課題は多くあります。しかし、日本ではこのような話はまだまだ一般的ではありません。
その要因は何なのでしょうか?
ここでは日本社会でのデザインの優先度の低さの要因を「デザインの効果が見えにくいからなのでは?」と考察しました。
デザインの効果や重要性を可視化し経営者をはじめとするビジネスの世界の人々に知ってもらうことで、デザインの優先順位を上げ、より多くの社会課題の解決へと繋げられるのではないでしょうか?
エキスパート・インタビュー
企業とデザインの繋がりについて、美大生×官僚 共創デザインラボの官僚メンバーである、森野 智子さんにインタビューを行いました。
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インタビュー結果
・企業へ向けたビジネスモデルの発信/普及について
経産省からも講演などを通してビジネスモデルの有効性を発信はしているが現在の普及具合としては未知数である。DX専門の人だけでは会社全体のビジネスモデルを動かすことは難しいなどの問題もあり、残念ながら興味のない層には普及していない。
・省庁内にデザインと繋がれる場はどれだけあるのか
職員の中でデザインに関する意見交換はしているが、全体の風潮としてはない。省庁で展示を行うなどの活動はあるが、政策を実行する側である民間や企業に広まりやすい場では伝えられていない。展示自体が初めの一歩になっている側面がある。
このようなインタビュー結果から、省庁の中では政策が行われているものの国民への認知度はまだまだ低いことが明らかになりました。
また、省庁での政策が広まらない理由として大きく二つの問題点が挙げられました。
一つ目は、省庁が企業や経営者に向けて発信している講演が上から目線で一方的な印象になってしまっているのではないかということ。
二つ目は、省庁が政策を公開しているものの、公的文書は文字情報が多く堅苦しい雰囲気もあるため、必要な情報まで辿り着くことが技能的にも精神的にも難しいのではないかということです。加えて、政府のもとにあるデータの不足に対する意見もでました。
そしてこれらの問題が解決されない要因こそデザインの重要性の低さにあると結論づけました。
「デザイン」は美しいビジュアルだけでなく機能や行動、社会を美しくするという広義なデザインが存在していることを示し、その必要性と効果をより一層社会に伝えていくべきだとしました。
共創ワークショップテーマ案
以上の活動を踏まえ、今後の共創デザインラボ全体での活動に向けて、ワークショップのテーマ案を考案しました。
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テーマ案1 デザインを証明する
デザインは私たちの生活に浸透する事でその力を発揮します。
しかし、デザインをもの作りの側面でしか捉えられていないことがあるのが現状。そこでデザインの真価とは私たちの生活と共にある事であることを分かりやすくビジネスパーソンに向けて発信し、デザインの在り方や創造の本質について考えます。
テーマ案1による、仮説デザインアイデア
『Design in Town Tour Program』
生活とともにあるデザインの真の価値をビジネスパーソンに向けて分かりやすく発信する、体験型のプロジェクトの考案。
実際に街中で使われているデザインを現場で見たり説明を受けたりして、デザインへの理解を深めていきます。ただ説明をするだけではなく、実際にそのデザインを体験する機会を作ること。ビジネスマンにデザインをビジュアルではなく、機能性や実際に使用することで証明されている効果の点で知ってもらうことを目的としたプロジェクトです。
テーマ案2 「デザインってものづくりだけじゃない!」を、全ての方に理解してもらう
デザインとは、格好良い見た目のものを作ったり、グラフィックを作ったりするもの、と思われがちですが実はそうではありません。世の中にはもっと広義なデザインが多く存在しているのですが、世間にはそのことが認識されていません。そこで、多くの人に日常で関わっているはずのデザインに気づいてもらいその価値を認識してもらうために何ができるのか、美大生と官僚の視点を掛け合わせて考えます。
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テーマ案2による、仮説デザインアイデア
『これもデザイン!?プロジェクト』
一般家庭でも実践可能なデザインがある事を学ぶためのプロジェクト。「デザインとは高度な技術が必要なもの」という先入観をなくしデザインに対するハードルを下げることでデザインの本来の価値に気づいてもらうとともに、世の中に存在する広義のデザインを知ってもらう事を目的としています。
様々な展開例を述べ、デザインに興味がない層でも自然と目に留まりやすい特性を持っていることを発表しました。
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以上がチーム1のプレゼン内容になります。
他チームのプレゼンテーションはこちらからご覧いただけます!
・チーム②「アーティストのキャリアパス問題」
・チーム③「情報格差問題」
中間講評全体の記事では、各チームから出た合計6つのアイデアの中からさらに厳選し、今年のデザラボで扱う2つのテーマを発表しています!
https://note.com/kyoso_design_lab/n/n9747cc0fe534
ぜひ合わせてご覧ください!