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8月の議会で「市の未利用地活用について」質問しました。

私は8月の議会で「市の未利用地活用について」質問しました。
「未利用地」とは、市が保有している土地のうち、行政としての利用目的が今現在無く、将来的な利活用計画も定められていない土地のことです。草刈りや樹木の剪定などの管理経費が掛かり続けることから、売却による処分や賃貸借が図られています。しかし今後は、地域課題解決の視点から、自治会等の地域団体との連携による管理や活用など住民福祉の向上に資する目的での活用が願われます。

1.
1点目の地域課題は、市営住宅の管理についてです。
石山学区には市営住宅があります。現在はほとんどが空き家になっており指定管理者によって市が管理をしています。


雑草に埋もれた市営住宅の空き家


管理している、とはいえ現状は荒れ果てた様子です。
人の背丈ほどに伸びた草や茂り過ぎた樹木に空き家が埋もれています。見通しが悪く中に何があるか分かりません。

ゴミを捨てても分からないので格好のゴミ捨て場となり、看板を立ててもゴミの不法投棄が後を絶ちません。

大きく掲げられた不法投棄禁止の看板


人が住まなくなった空き家は急速に老朽化が進んでおり、地震や台風で壊れ近隣に被害を及ぼす可能性もあります。
不審者の入り込みやハクビシンなどの野生動物の侵入を危惧する声もあり、「怖いので」と、この道を避け、わざわざ遠回りをして家に帰る方も居ると聞いています。
また平成29年には不審火で空き家1棟が全焼する火災が起きており、治安の悪化を危惧する周辺住民からは建物の撤去を望む声が上がっています。

しかし、執行部に確認したところ、大津市の未利用地などの活用方針を定めた「大津市公有財産有効活用基本方針」では、売却をする場合、原則として土地と建物等の工作物を合わせて売却するものとなっているため、市としては建物の解体は行わないとのことでした。
この間、自治会としても要望を出したり直接お願いしたりして、改善を求めてきましたが、地域住民が不安を覚える現状にあることに変わりはありません。
草が生い茂って地域住民が不安を覚えるような管理状態にあることについて、どのようにお考えでしょうか。また今後どのように改善を図られるのか、市の見解をお伺いします。

執行部の答え
石山学区にある市営住宅は入居者の住み替えを進めており、空き家も含めて指定管理者による定期的なパトロールを行い、維持管理に努めています。議員ご指摘の市営住宅敷地内の除草につきましては、これまで年1回だった除草を年に2回実施とするなど、必要な対策を講じて参ります。


地域課題解決の視点から未利用地の有効活用を図るために、市営石山団地用地の利用方針が決まるまでの間、形状を変えない範囲で、自治会などの地域団体に市営住宅敷地内を、グラウンドゴルフ等、住民の福祉向上に資する利用を認めることも必要だと思いますが、市の見解をお伺いします。

執行部のこたえ
市営住宅敷地内の利用を認めることについては、入居者の住み替えが完了するまでの間、自治会などの地域団体による活用は使用の許可ができるものと考えております。


地域住民の生活の不安を解消するという地域課題解決の視点から、空き家となった市営住宅の建物を早急に撤去するためには、 土地と建物等の工作物を合わせて売却するという「大津市公有財産有効活用基本方針」を見直し、更地にして地域住民の生活の安心を取り戻すことが必要だと考えます。市の見解をお伺いします。

執行部の答え
大津市公有財産有効活用基本方針に従い、売却にあたっては、原則として土地と定着する建物等の工作物を合わせて売却するものとしております。

2.
2点目の地域課題はひきこもりについてです。
ひきこもりは病気や障がいではなく状態を表す言葉です。
不登校やひきこもり、若者無業者の支援をしている「特定非営利活動法人 あめんど」にお聞きしたところ、長期のひきこもりでは体力や筋力が落ちてしまっているので、まずは外に出ることから始め、徐々に体を慣らしていくことが必要であるとのことでした。


畑作業で徐々に体力をつけていきます。

あめんどの畑活動の様子です。各人それぞれのペースで作業をしている様子がうかがえます。畑での農作業は会話の必要がないので対人関係スキルがなくても参加することができる。また、自然とのふれあいや農作業をとおして、できる体験を積み重ねることで自信を取り戻して元気になるとのことでした。
ひきこもり支援のためには身近な地域での畑などの農作業が有効であることから、ひきこもり支援をしている社会福祉法人やNPO等が市の未利用地を活用し、農的利用を通じて居場所活動を豊かにすることも必要と考えます。ひきこもり支援の推進のために社会福祉法人やNPO等が市の未利用地の活用を積極的に進めることについて、市の見解をお伺いします。

執行部の答え
引きこもりの支援として、市の未利用地を活用することについては、個別の案件として希望される利用形態に応じて関係課と調整して参ります。

3.
3点目の地域課題は地域の人間関係の希薄化です。
近年は核家族化や非婚化、定年の延長や共働きの浸透などの社会構造の変化によって、地域社会とのつながりを持たない人が増え、地域の人間関係の希薄化が進んでいます。
その結果、自治会加入率の低下、民生委員児童委員の成り手不足、役員の高齢化成り手不足など、地域を担う人材が足りないという状況になっています。
もう一度、地域がゆるやかに繋がり合う仕掛け、新しい取り組みが地域課題解決のために必要とされています。
人間関係の希薄化という地域課題解決の視点から、地域の自治会やスポーツ団体等が、市の未利用地を使って農園などに取り組んだりスポーツを通じて健康づくりをすること等についてどのように考え、どのような支援が可能でしょうか。市の見解をお伺いします。

執行部の答え
市の未利用地は、あくまで大津市公有財産有効活用基本方針に従い、土地ごとに利活用の検討を行っていくものと考えております。このことから事業化する予定はございません。各自治会等から要望があった場合は、個別の案件として対応して参ります。


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