その痛みまだ我慢しますか?
私は現在呼吸器病棟に勤務しています。肺癌や慢性呼吸不全患者が多く、酸素療法の患者さんが入院しています。《もちろん今の情勢コロナの方も隔離病棟内にみえます》特に肺癌患者さんは、呼吸苦に加え、痛みを伴うことが多いのでかなり看護師介入が多い病気でもあります。
痛みを我慢する?しない?
私は特にがんによる痛みに対する勉強をしています。がん患者さんと関わりを持ってみて、がんによる痛みを我慢する人が多いのです。
最近は医師の処方がなくても一般的にアセトアミノフェンやロキソニンといった痛み止が購入できるようになりました。「腰がいたい」「膝が痛い」と簡単に薬を飲んで納めることができ、安易に飲んで痛みを押さえてしまうことができますよね。しかし、、、がんと診断されて、痛みを伴っているのになかなか痛みを訴えない患者さんがとても多いことに驚きます。
がんの痛みは特別違いますか?
例えばAさんは食欲不振とからだの痛みで入院されました。うちには緩和ケア病棟はないので、そういう患者さんは各病棟に入院されます。Aさんは入院するともう立っていられないくらいの痛みがあり、痛みコントロールが必要であると判断しました。
でも、本人にその事をお話しするとかたくなに「そんなに痛くないです。」と薬を飲みたがりません。私がお話を初めて聞いたときもそうでした。でも明らかに座って話をしているだけでも苦痛の表情が見られます。
何故言わないのか、特に男性に多い傾向がありますが、「男の子なんだから我慢しなさい。」って育ってきた人が多い傾向にあると思います。我慢することが当たり前と思ってしまってるんですね。なので素直に痛いと言えない人が多いのかもしれません。それともう一つ、がん患者さんに多いのは痛い=進行ととらえる人が多いことです。そういう患者さんは痛いと言うことは私はもう死んでしまうかもしれないととらえてしまい、痛みを言わない傾向にあります。
痛みを取ることは悪いことじゃない
がんの患者さんはなかなか本音を言いたがりません。自分の病気を受け入れることができないからです。気持ちを話すということは自分ががんであることを認めて、受け入れる必要があるからです。だからこそ私は根気よく向き合いながら、がんによる痛みで苦しむ人をできるだけ減らしたいと時間を作って話をし、本人ががんであること、痛みがあることを受け入れるお手伝いをしています。
そして、痛みを取ることはこれから病気と戦うために必要であり、そこにマンパワーを使わないために痛みを和らげるお手伝いをさせてもらっています。
痛み止めを使うこと
痛み止めを使うこと、麻薬系の痛み止を使用することはがんの病気を進行させたり、がんが進行しているわけでもありません。ましてや飲んだから死に直結するものでもありません。
なので痛みをとって病気と向き合う勇気を持って欲しい。闘うためには身体がすこしでも楽な状態でいなければ闘えません。からだの痛みを和らげ、少しでも楽な状態で病気治療頑張って欲しいと言う思いで患者さんと向き合っています。そして少しでも、一人でも治療に前向きになれるように、お手伝いが出きればと思っています。
最後に
病気を受け入れ、闘っていくためには患者さんだけでなく家族、友人の力がとても必要です。今回の記事を呼んだ方で家族が闘病している方、痛み止を使用することは病気と立ち向かう力を蓄えるために必要です。
受け入れしてくれたら嬉しいです。
長文ありがとうございました。
静岡の白糸の滝凄かった~