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プロ野球選手になってほしいのは誰のためかな:教育心理「適応機制2」

「私はプロ野球選手になれなかったから、あなたにプロ野球選手になってほしい」

こんなセリフ、ありそうですよね。

今回は「私はなれなかったから」がキーワードの教育心理学「適応機制:代償」の話をしていきます。


私はなれなかったから


「私はプロ野球選手になれなかったから、あなたにプロ野球選手になってほしい」これを別の言い方にしたら、どんな風にいうことができるでしょうか。
この文章は「私」が主語なので、「あなた」を主語にしてみましょう。

「あなたは、私の夢を叶えるために、プロ野球選手になることを望まれている」
「私の夢をかなえるために、あなたは、プロ野球選手になってほしいと思われている。」

このような感じでしょうか。
私の夢を叶えるためにあなたはプロ野球選手になってね
そういうことですね。

「私」が主語だと柔らかに聞こえますが、「あなた」を主語にすると、自分のかなえられなかった欲求を、別の形で満たそうとしていることがわかります。

なんだかあまりうれしくないなあ・・。

同じようでまったくちがう

このことを、親子関係でみてみましょう。

プロ野球選手になりたいAさん、Bさん。
Aさんを応援している親、Bさんを応援している親がいます。
それぞれの親の考え方の違いをみてください。

(©ねこのーと)

どちらの親も、子どもの夢を応援しています。違うのは、Aさんの父親は、自分がかなわなかった夢を子どもに託し応援し、Bさんの父親は、子どもの夢そのものを応援しています。

自分の夢を子どもに託す


人は自分の欲求が叶えられない場合、夢がかなえられそうなことに置き換えて満足を得ようとすることがあります。

これは、適応機制(防衛機制)のひとつである「代償」という反応で、この反応は日常的にもあることです。

Aさんの父親は、自分のかなえることができなった夢を子どもに託し「代償」で、自分の欲求を満足させようと思いました。きっと無意識だと思います。
代償から応援すると、過度な期待がかかり、子どもに無理をさせたり、必要以上に期待をかけたりすることもあるので注意が必要です。

この記事のまとめ


子どもの夢は、あくまでも子どもの夢です。
純粋に、子どもの夢を応援してあげた方が、子どもも嬉しいですよね。

「代償」は、人が自分の欠点や不足していると感じる部分を補うために行う反応なので、いろいろな形で日常的に現れます。

学校に将棋がないので紙に書いて作って遊ぶこと、他者への優越感、知識の獲得や能力の向上も代償のひとつです。

私たちは、いろいろなことに適応して自分を守っているのですね。

ねこのーと執筆者については、こちらをご覧いただければと思います。






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