人は忘れるけれど急に昔のことを思い出したりもする(教員採用試験対策教育心理学追加分)
教員採用試験対策としての「教育心理学」。
頻出の用語をひとつづずつ説明して「マガジン」にしていますが、今回は5つの用語をひとまとめにしました。
選択肢などに入りそうな用語です。勉強をしているとありがちな話にまとめてみました。
人は忘れる
教員採用試験の受験勉強でも欠かせない「暗記」ですが、すべてを覚えようとしても、時間がたつと忘れてしまう部分があります。
その「忘れる(忘却)」についての指標となっているもののひとつに、「忘却曲線」があります。
エビングハウスによるものが有名であり、教員採用試験にも出題されることがあります。
エビングハウスの忘却曲線には、人は時間の経過とともに忘れていくということが、
縦軸に記憶の保持の程度を表す節約率(%)
横軸に時間経過
で示されています。
グラフをみると、節約率が大きいほど、よく覚えているということがわかります。
縦軸の節約率とは
節約率は記憶の保持の程度のこと。
といっても、それでは少しわかりにくいので、具体例で確認していきましょう。
たとえば、2の段のかけ算九九を始めて学習した時に10分間で覚えられたとします。
しかし、しばらくすると少し忘れてしまいました。
そこで再学習をすることにしました。
最初の時よりも短い6分間で覚えることができました。
このときの節約率は40パーセントになります。
60パーセントの時間を使って覚えられたので、40パーセント節約できたということです。
覚えるのに必要だった時間ではありません。
60パーセントではなく、40パーセントが節約率になるということです。
伸び悩みの時期
学習をしていると、始めはグンと伸びたのに、急に伸び悩み、停滞していると感じるときがあります。
こういった現象をプラトー現象といいます。
教員採用試験の勉強中に、プラトー現象だなと感じたときは、あきらめたり止めたりしないで、そういう時期なんだなと思って続けてみてくださいね。
忘れていたことを急に思い出す
また、教員採用試験の勉強中に、小学校時代の授業をくわしく思い出すことがあるかもしれません。
この現象を、レミニセンス(レミニッセンス)といいます。
一般的には忘却曲線が示すように、だんだんと忘れていくのですが、ある時急に思い出すこともあるのは、おもしろいですね。
レディネステスト
新しいことを始める前に、今の力を知るテストを行うことがあります。
学習者が心理的にも身体的にも、その学習にふさわしい一定の発達を遂げているかという学習に対する準備性のことをレディネスといい、レディネスを知るためのテストをレディネステストといいます。
教員採用試験の勉強を始める前にも、レディネスを知るために、確認テストをしたり、過去問を解いたりします。
モチベーションを保つ
教員採用試験の勉強をしていると、気持ちが乗らなかったり、やる気が起こらなくなったりすることがあるかもしれません。
そのようなとき、
モチベーションを保てない
モチベーションがあがらない
などということが多いですね。
この「モチベーション」ですが、教育心理学では「動機づけ(motivation)」と使われることが多いです。
動機づけ(motivation)は、行動のもととなり、行動を起こし持続するための力のこと。
行動のもととなる「動機」だけではなく、行動を起こして続けていく力が「動機づけ」です。
動機づけには2種類あります。
教員採用試験の受験勉強は、先生になったら役に立ちそうだから楽しいと思える場合は、自分が楽しいと思う自発的な意思で行動をしているので、内発的動機づけいいます。
教員採用試験に合格するために受験勉強をするという場合は、勉強は、合格するためにしている行動なので、外発的動機づけが働いていると考えます。
この記事のまとめ
今回は、教育心理学用語として「忘却曲線」「プラトー現象」「レミニセンス(レミニッセンス)」「レディネス」「動機づけ」について、簡単に説明をさせていただきました。
教員採用試験対策として、この5つの用語も確認しておいたほうがよいかなと思いましたので「要点すっきりシリーズ教育心理学マガジン」に追加します。