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コスプレやものまねも「まねする」学習理論で説明できますという話(モデリング)
「それはよかった」
教員時代に私が、
「せんせーい、○○さんがまねをします」
と言ってきた児童に返した言葉です。
本棚の本が乱れているのに気づいた児童が、本の整理をしていたら、○○さんも本の整理を始めたというときのことです。
なぜ、私はこう言ったのでしょうか。
今回は、とても理解しやすく身近な「モデリング理論」について、
①どのような学習過程か
②教員採用試験対策として確認しておきたい用語
この2点をお話します。
まねされるのはイヤ
子どもたちは、まねをされるのがあまり好きではありません。
特に、自分がよくできた、いい感じと満足しているものをまねされることを嫌がることが多いです。
本の整理「私」が思いついて始めたのに。
「私」がやっているのに。
「私だけ」でやりたいのに。
その気持ち、わかります。
それなのに、
「せんせーい、○○さんがまねをします」
と訴えてきた児童に、
「それはよかった」
といったのはなぜでしょうか。
それは、その児童のしていることが
まねをしたいと思う、よいことだと思われた
ということを知ってほしかったからです。
もちろん、いつもいつも「それはよかった」と言っているというわけではありません。
バンデューラのモデリング
学習には、「何かの対象物を見本(モデル)にして、同じような行動や動作などをすることから学習する」というモデリングがあります。
バンデューラが提唱しました。
バンデューラのモデリングは
以下の過程で学習すると考えられています。
①注意過程:観察し把握
↓
②保持過程:把握したことを覚える
↓
③運動再生(行動産出)過程:保持したことを試す
↓
④動機づけ過程:行動するための動機づけ
まねすることは悪いこととは限らない
子どもたちには「はじめて」のことがたくさんありますね。
そしておとなにも「はじめて」がたくさんあります。
先生になって初めての給食の時。
給食室に給食をとりに行くと(今は違いますね)、並び方や受け取り方にルールがあり、けれど、そのルールを知らない私は、周りをみて、同じようにまねをしてやったことを思い出します。
知らないこと、わからないことはまねをする。
それもひとつの「学習」です。
まねをするのは悪いこととは限りません。
まねをすると悪いこともある
しかし、まねをすると悪いこともあります。
暴力的なものをみて、暴力的なことをまねするということもあるのは、バンデューラが実験により確認をしています。
まねをした結果がどうだったか
バンデューラのモデリングは、観察学習ともいわれますが、上記の水色枠に記した、学習過程の、
③運動再生(行動産出)過程:保持したことを試す
④動機づけ過程:行動するための動機づけ
について、もう少し説明を追加します。
運動再生(行動産出)過程
観察し、把握して覚えたことは、そのまま試すだけではなく、変えて行動する場合があります。
そのままだとよくない結果になるという場合は行動を変える。
これも観察学習の過程のひとつです。
動機づけ過程
覚えたことを試したら、よかった場合はさらに行動が増え、よくなかったらやっぱりやめよう(減らそう)と行動が減ることを動機づけ過程といいます。
この記事のまとめ
同じようにやってみたが、うまくいかなかった。
そんなこともありますね。
それは、もしかすると、まねたことをそのまま試すのではなく、新しいことを生み出した方がよかったのかもしれません。
いったん立ち止まる。
そしてそのまま試すか変えるかを考えてみる。
そこがモデリングの醍醐味なのかもしれません。
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