ピアジェは教員採用試験で超頻出なので理解しながらキーワードを覚えよう(発達段階理論)
子どもの認知発達を考えるうえで基礎となるピアジェの発達段階理論。
ピアジェの認知発達の視点は、子どもの思考や学びの過程を理解するという点で、現在でも多くの研究や実践がされています。
今回は、ピアジェの発達段階理論を教員採用試験対策として確認していきます。
ピアジェはいつの時代の人か
ピアジェが発達段階理論を提唱したのは1913年です。
日本では大正2年に当たります。
森永ミルクキャラメルが発売開始された時期だそうなので、わりと新しい理論だと感じますね。
このピアジェの発達段階説は、子どもの認知発達を考えるうえで、とても革新的なものとなりました。
ピアジェの4段階説
ピアジェは、思考の発達過程を4段階にわけました。
表にしたものがこちらです。
表の左に記した「シェマ」とは何でしょう。
シェマとは
シェマを理解するには、「赤ちゃん」を思い浮かべると簡単です。
2歳くらいまでの赤ちゃんは、自分の目の前にあるものに、偶然手が当たると、触ってみたり、口に入れてみたりします。
触るとピーっと音が鳴るものがあると、
(触るとピーッと音が鳴る)
と思います。
触るとピーッと音が鳴るもの
と、自分の感覚に取り入れることを
シェマの同化といいます。
ピーッと鳴ると思っていたら、ブーッという音もした。
そう思ったとき、シェマの調節をしたとなります。
シェマは、「外界からの情報を処理する認知的枠組み」のことで、
このように、赤ちゃんの頃から形成され、その後も同化、調節しながら均衡化されます。
新しい環境に適応するために、さまざまなものを認知し発達していく、大切なこの時期を感覚運動期といいます。
幼児期の頃
この頃の子どもは、「他の人も自分と同じように見えたり、考えたりしている(自己中心的)」という時期です。
「おひさまがわらっている」
「おはながわらっている」
「お空が泣いている」
何にでも生命があると考えることを「アニミズム」といいます。
2~7歳頃の時期(幼児期)を、前操作期といいますが、この「操作」は、子どもが実際に手を使って操作するということではなく、頭の中での操作のことを指しています。
児童期の頃
この時期になると、友だちは、自分とちがう考え方をしているということがわかるようになってきます。また、
雨が降りそうだから傘を持っていく
水を温めると温度が上がり熱い
など具体的な場面で、論理的思考もできるようになってきます。
大小のコップに水を入れかえても、水の量は変わらないなどの保存の概念、
3+5=8を理解し、8-5=3も理解するというような可逆的思考も発達する時期です。
この時期を具体的操作期といいます。
中高生の頃
12歳以降になると、抽象的な対象に対する論理的な思考もできるようになります。
知的能力が完成していく時期とし、形式的操作期といわれます。
この記事のまとめ
発達理論といえばピアジェ。
ピアジェによる認知発達を視点とした発達の4段階は、子どもの思考の発達を考えていく上で、今でも活用されています。
入学したての児童が、太陽に目や口を描いていたというときに、ピアジェの発達段階を思い出すことができると、その後の指導に役立てることができそうですね。
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