見出し画像

頻出の特別支援教育|この条文は覚えなくていいけど根拠は確認して理解しておこう(教員採用試験:教育法規)

noteを振り返ってみたら、まだ特別支援教育についての投稿がありませんでした(インスタにはたくさんあるよ)。

「要点まとめシリーズ特別支援教育」を投稿する前に、基本的で大事なことについて、少しふれておこうと思います。

今回は、特別支援学校と特別支援学級についてです。
意外にあいまいな捉え方をしているかもしれないので、根拠をもとに簡単に解説するよ。


特別支援学校の免許状

平成19年4月から盲学校、聾学校、養護学校が、種別を越えた特別支援学校に一本化されました。
それまでの学校種別ごとの教員免許状から、特別支援学校の免許状(視覚障害者・聴覚障害者・知的障害者・肢体不自由者・病弱者に関する教育の領域)を取得することができるようになりました。
この「特別支援学校」は、どのような学校のことでしょうか。

特別支援学校

特別支援学校は、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とした学校で、対象者は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む)となっています。

障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けること
ここが特別支援学校ならではのところです。

根拠法規は、学校教育法第72条です。

学校教育法
第72条 
特別支援学校は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。以下同じ。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。

(学校教育法)

特別支援学級とは

公立の小学校や中学校には、特別支援学級や通級がある学校がありますが、
それぞれ、どういった教育活動をする場なのでしょうか。

特別支援学級、通級による指導、そして通常の学級による指導については、学校教育法第81条で規定されています。

学校教育法
第81条
幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校においては、次項各号のいずれかに該当する幼児、児童及び生徒その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対し、文部科学大臣の定めるところにより、障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとする。
② 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校には、次の各号のいずれかに該当する児童及び生徒のために、特別支援学級を置くことができる。
一 知的障害者
二 肢体不自由者
三 身体虚弱者
四 弱視者
五 難聴者
六 その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの
③ 前項に規定する学校においては、疾病により療養中の児童及び生徒に対して、特別支援学級を設け、又は教員を派遣して、教育を行うことができる。

(学校教育法)


一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できるための場として、特別支援学校のほかにも、特別支援学級、通級による指導、通常級での指導が実施されるということが、学校教育法で規定されています。

特別支援学校と特別支援学級
冒頭で、「意外にあいまいな捉え方をしているかもしれない」と記したのは、以下の違いに気づくことができているかという点です。

特別支援学校の対象者
視覚障害者
聴覚障害者
知的障害者
肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む)

特別支援学級の対象者
知的障害者
肢体不自由者
身体虚弱者
弱視者
難聴者
その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの
疾病により療養中の児童及び生徒

障害の重さだけと捉えている場合が多いかもしれませんが、そうではないことがわかりますね。

とくに、「その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの」が特別支援学級の対象者となっています。

この対象者にあたるのは、
・言語障害者
・自閉症・情緒障害者
となります。

根拠となるのは、「障害のある児童生徒の就学について平成14年5月初中局長通知」、「情緒障害者」を対象とする特別支援学級の名称について(平成21年2月初中局長通知)」です。

就学先の決定

障害のある児童生徒の就学先については、このような規定があるから、こうなります、という断定的なものはありません。
障害が重複している場合もあります。
障害の状態や教育上必要な支援の内容、地域における教育体制の整備の状況、そして何よりも本人や保護者の意見も尊重され、教育学的、医学的、心理学的な立場の専門家の意見等を踏まえた上で、総合的な観点から就学先の決定は、教育委員会がすることになっています。

まとめ


今回は、特別支援学校と特別支援学級の違いについて、根拠に基づいてお話しました。

第4期教育振興基本計画では、インクルーシブ教育実現に向けた取組を一層進めていくとしているので、特別支援教育の対策はしっかりとしておきたいですよね。
今回あげた条文は、覚えなくてよいと思うので、違いを理解してみてください。(違いがわかれば、万が一条文が出てもこたえられるよ!)


いいなと思ったら応援しよう!

ねこのーと📘教員採用試験
*サポート*とてもうれしいです。  いただいたサポートは過去問等資料用書籍代  として使わせていただきます。