とらえ方を少し変えるだけでストレスが減ることもあることを教育心理学的にみた話(心理療法)
私の身近には、実際に児童生徒にかかわっている臨床心理士であり公認心理師でもある人がおります。
箱庭療法が専門で、いろいろなアイテムをみせてもらった時には、とても興味深いと思いました。
今回は、箱庭療法などの心理療法について、教員採用試験対策として覚えておきたいところについてお話していきます。
学校現場でのスクールカウンセラー
学校には、スクールカウンセラーという臨床心理士や公認心理師の方が、定期的にきてくださります。
スクールカウンセラーは、児童生徒や保護者から相談を受けることが中心ですが、ときには教員の相談を受けてくれることもあります。
とはいえ、スクールカウンセラーが、学校で「心理療法」を試みるということはありません。
それならば学校現場では、「心理療法」はまったく関係がないものなのかというと、そうともいいきれません。
教員と心理療法
学校現場では、「心理療法」とまではいかなくても、その手法を利用することはできるからです。
それはどのような場合でしょうか。
学校での例
たとえば、AさんがBさんに
「おはよう」といいました。
けれどBさんは、
返事をしてくれませんでした。
児童は、担任に、
「Bさんは、おはようといったのに無視します」
と言ってきたとします。
担任はAさんに言いました。
「そうだったの。聞こえなかったのかもしれないよ?」
するとAさんは、
「そんなことない!聞こえるように言ったから」
と言いました。
このときのAさんの思いは、
などです。
このようにとらえると嫌な気持ちになりますね。
自分の捉え方が嫌な気持ちをつくっています。
ではAさんが、このようにとらえたらどうでしょうか。
このように考えた場合、Aさんは、
近くに行って声をかけ直してみようかな
また後で話しかけてみようかな
といった気持ちになり、Aさんは「嫌な気持ち」にはなりにくいですね。
認知行動療法的な視点
Aさんが相手の言動に対してどう思ったか(認知)を、少し変えただけで、自分の嫌な気持ちを減らすことができるかもしれません。
児童は、これまでの考え方のクセもあるので、担任は、
「聞こえなかったかもしれないよ」
「何か考えていたのかなあ」
とAさんに言ってあげると、Aさんの捉え方(認知)が変わり、嫌な気持ちが落ち着くこともあります。
これは認知行動療法の手法を利用した声かけの例です。
「認知行動療法」として専門的に向き合うことは、専門家におまかせするべきですが、知識を正しく理解して、学校現場で役立てることはできます。
教員採用試験対策で覚えたいこと
教員採用試験に向けては、どのような心理療法があるのか、という点をおさえておくことで対策はできると思います。
以下、要点を水色枠にまとめました。
この記事のまとめ
心理療法を知っていることで、児童生徒への声かけの幅がふえるかもしれません。
心理療法、とくに認知行動療法は、児童生徒に対するアプローチだけではなく、自分自身にも活用できそうです。
捉え方を変えた方がストレスが少なくなる。
なかなか難しいと感じる場合もあると思いますが、できることは試してみたいなと思います。