新！記野式：サクッと！ゲーム業界講座　8月前半号

こんにちは。「新！記野式」2か月目に突入しました。今後ともよろしくお願いいたします。

暑さだけでもグッタリなのに、宮崎、神奈川で大きな地震が続き、今年は年初から地震に悩まされる年だなとあらためて考えていたところです。被災された方々とそのご家族には心からお見舞い申し上げます。

まず、まえがきはもうすぐ閉幕してしまうパリオリンピック 2024 に絡めてeSportsのお話とオリンピックIPのゲームのお話をします。

その後、遅れていたアメリカ市場Circana（旧NPD）データ6月分報告、NewzooがレポートしてくれたMAUで見る2024年6月のゲームソフトランキング、そしていつも通りのイギリス市場週間ソフトウェアランキング、「Apple の斜陽？」、その他のニュースへと続きます。

実は、毎月Sensor Tower が報告してくれていた「世界のモバイルゲーム市場」データ…どうもSensor Tower が止めてしまったようです。残念…。後半号からは別データを準備しますのでお待ちください。今回は全世界ではなく、日本市場の2024年上半期のモバイルゲーム売上とダウンロード数のデータをゲットしたのでこちらをご覧くださいませ。

本記事での為替レートは1ドル＝147円、1ポンド＝187円、1ユーロ＝160円で計算しています。しかし…1か月前の記事を見たら1ドル＝161円でしたな。ひぇー。もう乱高下やめてー。

＜記野式まえがき：オリンピック話＞

7月26日から始まっているパリオリンピックも8月11日で幕を閉じます。あっという間でしたね。新型コロナ感染流行のため1年開催が延び無観客で行われた2021年の東京オリンピックと比べるとかなり盛り上がっている感があります。

最近フランス人と話す機会があり、「オリンピックでパリもいい感じだね？」と聞いたところ、オリンピック期間中はセキュリティの問題で住んでいるパリ市民でさえ市内の移動を制限され、通常の生活が送れないため、実はオリンピックの間にパリから脱出している市民が多い、とのことでした。

4年に1度とは言え、お金がかかりすぎるオリンピック。経済効果は望めず、むしろ経済的な損失を招いていることも少なくありません。オリンピックを誘致することが本当にその都市のためなのか？という議論はよく聞かれます。

発展途上のインフラ整備を完備する言い訳としてはオリンピックはいいお話です。1964年の東京オリンピックはインフラを含めた東京のみならず日本の大きな発展に寄与したと言われています。生まれていないので記憶にはないのですが（笑）。

が、発展を遂げ成熟した都市に必要かと言われれば、賛否は分かれますね。実際に私は東京オリンピック2020の誘致時点で反対でした。これから発展するであろう都市に譲るべきだと考えたからです。

また、4年に一回とはいえ、それぞれの競技にそれぞれの大きな大会（たとえばサッカーやラグビーなどのワールドカップ）がありますよね。各競技でそれなりの大きなヤマがあるならば、オリンピックはもう少しひねりが必要ではないか？などの声も聴かれます。ま、そろそろ「お金がかかる」イベントから「おもしろい」イベントに変化が求められているのかもしれませんね。

と、前置きが長くなりました。本題に行きましょう。

１．eSports 競技会

（１）第1回 Olympic eSports Games（オリンピックeSports 大会）が来年開催！

先月7月12日に、サウジアラビアと国際オリンピック委員会（IOC）が2025年にサウジアラビアにて第1回 Olympic eSports Games（オリンピックeSports 大会）を開催する、と発表しました。この大会は2037年まで継続が決まっており、eSports のみに特化したオリンピック大会となる予定です。