ファンタジーと日常生活のドラマが混在する世界…今回のプリキュアで二児の父がグッと来たこと。
ひえーっ「トロピカル~ジュ!プリキュア」気が付いたら日曜日で最終回なんですね! ということで今回はトロプリについて書きました。
私には娘が2人いる。どちらも幼いころよりテレビに慣れ親しんで育った。彼女たちの大好きなテレビアニメに「プリキュア」シリーズがある。子供たちに付き合ううち、こちらも毎週かかさず見るようになってしまった番組だ。
今回のシリーズ「トロピカル~ジュ!プリキュア」は5人のプリキュアが登場し、それぞれのキャラクターが悩みを持ちながら奮闘する。その中でも私はキュアフラミンゴこと滝沢あすかの友情ストーリーに惹かれた。
あすかは中学3年生。主人公の夏海まなつにスカウトされ、キュアフラミンゴに変身し敵と対峙する。テニス部に所属していたが、ある出来事がきっかけで退部することになる。
ダブルスのパートナーだったテニス部主将・白鳥百合子との息は絶妙で向かうところ敵なし。だがある試合で、あすかは百合子のラケットに細工する他校の生徒を目撃。けんかっ早い彼女は口より先に手を出し、騒ぎになってしまった。
証拠のない不正よりも手を出したことが問題となり、百合子は部の存続を考えダブルスを棄権する。仲間を守るためしかたなかったと説明されるが、「仲間」に裏切られたと感じたあすかはテニス部を去る。
その後、まなつが作った”トロピカル部”に入部し、プリキュアとしての道がスタートするあすか。でも、テニスへの情熱は消えない…。
ある日、まなつたちの気まぐれで、テニスの強豪校・フェニックス学園へ見学に行くと、そこで体験入部をしていた百合子に出会う。
前夜、壁打ちしているあすかを偶然目撃した百合子は、彼女とスポーツ推薦を賭けて試合をさせて欲しいとコーチに申し出た。
試合は激しいラリーの応酬となる。「あなたとずっとテニスがしたかった」「棄権以外の方法で一緒に闘ってほしかった」。お互いの気持ちをボールに乗せながら、いつしかあの頃の二人に戻っていく。
仲たがいをしていた友情が時を経てもう一度動き出す。今回の重要ポイントのひとつだと感じた。遠い昔、私にもそのような経験がある。仲の良かった友人と、些細なことで言い争いになりそれが原因で疎遠になってしまった。数年後に時間が解決してくれたのだが、そのことを思い出し、なんだか当時にタイムスリップしたような感覚となった。
ここまではいわゆる「スポ根もの」のオーソドックスな展開だ。だがそこはプリキュアの世界。あと1ゲーム取るとあすかの勝利となるところで敵のヤラネーダが現れ、試合はストップしてしまう。
あすかは試合を捨て、プリキュアとなって闘うことを決意。そこで仲間を信じる大切さを感じ取り、もう一度百合子とのダブルスを復活させようと心に誓う。
プリキュアに変身するファンタジーと、日常生活のドラマ。この二つが混在する世界観こそ、私をこの番組にのめりこませた理由なのだ。
敵を倒し、いつもの日常が訪れる。スポーツ推薦を百合子に譲ったあすかは一般入試でフェニックス学園への受験を決める。文武両道の難関校で、現在の彼女の学力では合格レベルに到底達しない。ここも受験するのが成績トップの百合子ではなくあすかというところが実にドラマチックだ。
無謀な挑戦かもしれない。それでも彼女は参考書を片手に勉強する。
百合子がいたからあすかが輝く、その逆もしかり。お互いを切磋琢磨できる存在ってつくづくいいなと感じてしまう。
今現在、人間関係に悩んでいる人はこの物語を見て仲間の尊さを感じ取って欲しいとすら思う。アニメの中の出来事だが素晴らしい友情ストーリーだ。あすか、百合子、君たち二人は最高だよ!
後日、スポーツ推薦が決まった百合子にあすかが出会い「待ってろよ」と微笑みながら去っていくところで二人の物語は止まっている。
日曜日の朝8時半から子供よりも早くテレビの前に陣取るほどハマった今回のプリキュア。最初はあきれていた妻も、今では普通の光景として受け入れてくれている(と思いたい)。
番組が終われば子供たちと今後の展開について話し合うこともしばしば。もうそこには大人と子供という垣根はないのだ。
上の娘はアニメより実写ドラマのヒロインの方に興味が移りつつある。次期シリーズは見ないかもと、寂しいことを言う。「プリキュアを 娘卒業 パパ留年」という川柳があるらしいが、まさか自分がその境地に至るとは…大人の方がハマってしまうと大変だ。
気が付けばあっというまで、来週の放送が最終回となる。ラストは何とかしてあすかと百合子の未来を、ほんの少しでもいいから描いてほしい。子供向けアニメにグッと来たお父さんからのお願いだ。