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【KC】TDL振り返り2023

こんにちは。Kyoo(Twitter : Kyoo_kc15)です。筆者が受験生のためなかなか記事が出せないでいましたが、さすがにトレードはまとめてとくべきだろうと思ったので書きました。TDLに限らず開幕からここまでのトレードを、個人的評価(S:最高、A:良い、B:普通、C:悪い)を含めて振り返りたいと思います。


① 今年最初のトレード


〈概要〉
KC獲得:ジェームズ・マッカーサー
                (James McArthur)

PHI獲得:ジュニア・マリン
     (Junior Marin)

個人的評価:B-


〈獲得選手について〉

マッカーサーは26歳の右投手。トレード時点でデビュー前の選手だったが、2A・3Aでも目立った成績は残せておらず。GMがこの選手のどこに惹かれたのかは不明で、移籍後も3Aでは19試合33.2イニングで防御率4.28。メジャー初登板も果たしたものの
、1イニングで被安打6、被弾1、自責点7と散々な結果に。

〈放出選手について〉
マリンは19歳の外野手。移籍前(2022シーズン)ルーキー級30試合で打率.315もHR0。移籍後は5試合で打率.294と高打率をキープも、やはりHRは0。アヘ単だが特に足が速いという訳でもなく、三振も非常に多いためなんとも言えない選手である。

〈総評〉
互いに化けてくれたら儲け物程度のトレードだったが、年齢的にも成績的にもマリンの方が覚醒する可能性は高めか。KCとしては投手事情が厳しい中で燻っている若手投手を獲得したという感じだが、環境を変えて覚醒、、というわけにもいかず。特に何も無く終わりそうなトレードだった。


② 今年の目玉、チャップマン放出


〈概要〉
KC獲得:コール・ラガンス
               (Cole Ragans)
                 ロニー・カブレラ
                (Roni Cabrera)
TEX獲得:アロルディス・チャップマン
          (Aroldis Chapman)
個人的評価:A


〈獲得選手について〉

ラガンスは25歳の左投手。昨季MLBデビューし、今季は移籍前の18試合29.1イニングで防御率5.22。移籍前は中継ぎでの起用がメインも、KCでは先発として育成する方針のよう。移籍後は2先発で11回1失点と素晴らしいピッチングを披露。メディアの多くはローテ4、5番手になれるだろうと評価している。
カブレラは18歳、右打ちの外野手。パンチ力には若干欠けるものの打力が優れている中距離打者で、ルーキー級では移籍前も移籍後もOPS1.000超え。ピッコロGM曰く打球関連の指標が良いとのことで、将来のレギュラー候補として期待できるかもしれない。

〈放出選手について〉
もはや説明不要の、人類最速左腕。昨季は大きく成績を落として年齢的にもそろそろかと思われていたが、1年契約で加入したKCで大復活。球速は最速103.8マイル(約167km/h)を計測し、31試合で防御率は2.45。満を持してトレードされ、TEX移籍後も好調を維持している。

〈総評〉
欲を言えばもう少し良い選手を取れたような気はするが、相応と思われる対価を獲得。ローテを計算できるラガンスに加え、未知数ではあるものの可能性を秘めているカブレラをチョイスしたのも良いだろう。これは憶測でしかないが、オールスター前にチャップマンをトレードすることでサルバドール・ペレス(Salvador Perez)がオールスターに選出されるように仕向けた説もあり、もしそうであればフロントは策士かもしれない。


③ 守備職人との最悪なお別れ


〈概要〉
KC獲得:テイラー・ハーン
                (Taylor Hearn)

ATL獲得:ニッキー・ロペス
         (Nicky Lopez)
個人的評価:C


〈獲得選手について〉

ハーンは28歳の左投手。先発、中継ぎ両方こなせる投手ではあるがここまで突出した成績は残しておらず、キャリアハイは2021年の42試合(11先発)で防御率4.66。プロスペクトではないが、どうやらGMは、ハーンがロイヤルズ戦に先発して(筆者の記憶では)5回無失点だった試合を見て気に入った模様。

〈放出選手について〉
ロペスは27歳、左打ちの内野手。本職は2BとSSだが、3B、1B、LFも守れるユーティリティプレイヤー。最大のウリは守備で、2Bでゴールドグラブのファイナリストに選ばれたことも。バッティングは非力で打率も高くないが、2021年には規定打席に到達して打率.300を記録し、WBCのイタリア代表でも大活躍するなど、全く打てないわけではない。ファンからの人気は高め。

〈総評〉
意味が分からない。ロペスを放出するのは仕方ないことだが、対価がロペスの1歳年上のなんでもない投手とは、全くフロントは何を考えているんだ。というのが正直な感想。実はハーンはこのトレードの1週間ほど前に金銭トレードでATLに移籍しているため、どうしてもハーンが欲しかったならそこで獲得できた上、人気もありGG級の守備を誇るロペスをその対価にすることに、筆者のみならずほとんどのKCファンがご立腹。ここ数年で最悪のトレードとまで言えるだろう。


④ 世紀のわらしべトレード?!


〈概要〉
KC獲得:ネルソン・ベラスケス
     (Nelson Velázquez)
CHC獲得:ホセ・クアス
              (Jose Cuas)
個人的評価:A+


〈獲得選手について〉

ベラスケスはWBCのプエルトリコ代表にも選出された、24歳の外野手。今季は13試合のみの出場も、3HR、OPS.934と好成績。俊足に強肩を兼ね備えており、CFを含めて外野全ポジション守れる点も◎。
2、3年後の外野のレギュラーとしてかなりの期待が持てるかもしれない。

〈放出選手について〉
クアスは、29歳、右サイドハンドの救援投手。防御率は3点台後半〜4点台と中継ぎとしては高いが、昨季は47登板、今季は移籍前までで46登板とタフさはある。変則であることが買われたか。

〈総評〉
素晴らしいトレード。クアスはDFAされてもおかしくない立場だったので買い手が見つかっただけで儲けだが、まさかこんな良い選手をくれるとは。既に得している感はあるが、ベラスケスの成長次第ではS評価になるかもしれず、世紀のわらしべトレードになる可能性も。ロペスのトレードの後にこのトレードとは、フロントが有能なのか無能なのか全く分からない。


⑤ 期限当日のトレード


〈概要〉
KC獲得:デビン・マン
                (Devin Mann)
     ダーリン・フィゲロア
    (Derlin Figueroa)
LAD獲得:ライアン・ヤーブロー
       (Ryan Yarbrough)
個人的評価:B


〈獲得選手について〉

マンは26歳だがデビュー前の内野手。2B、3Bを中心に内野全ポジション、外野両翼も守ることができるユーティリティ。パワーツールに長け、今季は3A89試合で14HR、OPS.943の好成績。KCのプロスペクトランキング26位にランクインした。
フィゲロアは19歳の内野手。SSを中心に内野全ポジションと外野両翼も守っているが、まだルーキー級のためどのポジションに収まるかは分からない。打撃走塁も特に秀でている点はなさそうで、正直現時点での少ないデータではどんな選手か分からない。

〈放出選手について〉
ヤーブローは31歳の変則左腕。防御率はキャリアを通じて4点前後で、先発中継ぎ問わず色々な場面での起用に応えることができる。今季途中に顔面にライナーが直撃するアクシデントに見舞われたが、見事復帰し直近2試合は13イニング2失点で移籍した。

〈総評〉
ヤーブローは31歳なので当然放出し、対価も相応かと思われる。マンはポジションが空けばハマる可能性はあるが、将来のレギュラー候補かと言われれば少し微妙。フィゲロアはデータ少なすぎかつ特徴見えなさすぎてよく分からない。2年前にLADへ移籍した左腕ダニー・ダフィー(Danny Duffy)は故障により1試合も登板しないままFAになったが、同じ左腕で同じくLADへ移籍することになったヤーブローはどうなるか。


⑥ 最後はクローザー放出


〈概要〉
KC獲得:ヘンリー・ウィリアムズ
     (Henry Williams)
     ヘスス・リオス
     (Jesus Rios)
SD獲得:スコット・バーロウ
     (Scott Barlow)
個人的評価:B


〈獲得選手について〉

ウィリアムズは去年のドラフト全体91位の21歳右投手。Aでは12先発で防御率5.74。コントロールには粗さがあるが、三振はそこそこ奪える投手。まだ時間はかかりそうだが、ローテレベルの投手にはなれそうか。KCのプロスペクトランキングでは9位にランクインした。
リオスも同じく21歳の右投手で、メキシコ出身。ルーキー級16試合(全て中継ぎ)で防御率6.38。データが少なすぎてよくわからぬ。

〈放出選手〉
バーロウはスライダーを武器とするリリーバー。今季は不調も、去年一昨年と70試合前後の登板で防御率2点台前半と、本来なら安定感抜群の投手。MLBの中で過小評価されている選手の1人ともされている。来年も保有できるが、ジョシュ・ヘイダー(Josh Hader)がいる今季中はセットアップを務めることになりそう。

〈総評〉
バーロウも予想通りの放出。ウィリアムズはプロスペクトではあるが、もう1、2位上の選手が取れれば満足だったかなという感じ。ウィリアムズにしろリオスにしろまだ時間がかかりそうなので今すぐに評価を下すことはできないが、チャップマンでラガンスとカブレラが取れたことを考えるともう少し高めの対価を受け取れたのではと思ってしまう。


〈最後に〉

チームの損得の前に、応援していた選手が移籍してしまうというのはやはり悲しいことですね。特にデビューからKCに所属しているバーロウとロペスには筆者も思い入れがあり、トレードされると分かっていても実際トレードのツイートを見ると残念な気持ちになってしまいます。しかしこれがビジネス。MLB。チームが勝つためにやらなければいけないことなのです。
さて、トレード全体を振り返ってどうだったかというと、可もなく不可もなくという感じでしょうか。筆者自身ここまでトレードを深く追ったのは今年が初めてなので、比較対象がなく評価しづらい部分はありますが、最低限を越える動きはしてくれたかなという印象です。ただトレードの価値というのは数年経ってみて初めて明らかになることがほとんどですから、今年のトレードが大当たりになる可能性も、大外れになる可能性もあります。それは現時点では分からないこと。とにかく今は、新加入の選手が結果を残して、KCが再建ループから脱却できることを願うしかありません。

ここまで長々と読んでいただきありがとうございました!また次の記事でお会いしませう!


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