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ノリさえあれば地域活動はできる!

 地域活動やボランティアに興味がある人は多いだろう。その一方で、敷居が高いとか小難しそうと感じる人も多いと思う。私がそうだった。

 地域活動を始める前、私の地域活動に対するイメージは″とっつきにくい″だった。理由は3つある。
 1つ目は、社会貢献しないといけない気がしていたから。地域活動をググると″地域活性化″や″福祉″など社会貢献性の高いワードが出てくる。メディアが地域活動を取り上げるときもこれらの言葉が多用する。だから、地域活動は大層なことをしないといけない気がしていた。
 2つ目は、気楽にできないと思っていたから。ただでさえ仕事で頭も気も使っているのに、プライベートで大志を掲げ、肩肘張って取り組むなんてかったるい、超めんどくさそ〜と思っていた。
 そして3つ目は、地域活動を行う人は限られていると思っていたから。時間に余裕がある人、アクティブシニアがその代表格だと思うのだけど、第2の人生を謳歌している人がやるものだと思っていた。

 ところが、いざやってみると違った。地域活動は軽い気持ちから始められるし、そういう場がある。それが、私にとっては「こくぶんじカレッジ(こくカレ)」だった。

こくぶんじカレッジ(こくカレ)の
リーフレット。
今年も開催されます!


 こくカレとは、国分寺市が行う市民向け連続講座で、まちで楽しいこと・やりたいことに取り組みたい人を後押しする場である。″まちを自分ごとにする″というキャッチフレーズには、まちの施設や空間など、まちにある物を使い倒して楽しもうぜ!というメッセージが込められている。

 また、こくカレでは、まちを使い倒す″まちづかい″が増えればまち自体が育つと考えている。私はこの考えが好きだ。いくら自治体がまちを良くしようと頑張っても、住民がまちに関心をもたなければ、まちはいつまでも発展しない。まずはまちに出て楽しむことが大切。だからこくカレでは少しでもまちに興味あればOKというスタンスだ。人によっては「結局まちづくりに繋げるんかい!」と思うかもしれない。しかし、住民の楽しさの延長線上でまちづくりが進むのはとても健全だと思う。

 この軽やかなメッセージを受けて、それなら私もやってみたいと思った。ちょうどコロナ禍で暇だったし、地元から出なくなったので何か地元で楽しいことをやりたいと考えていた。その矢先にこくカレを知ったという流れだ。

 一緒に参加した人の話を聞くと、「自分が住むまちで何かやってみたい」という好奇心から始めた人が多い。もちろん、地域をより良くしたいとか、誰かのためにやりたいとか、そういう崇高な精神で地域活動を行っている人もいるが、それが全てではない。

こくカレで立ち上げた堆肥を作るプロジェクト「まちのタイヒ」。生ゴミになる資材から堆肥を作り、それを使って農作物を育てることで身近なところから地域循環を感じてほしいというコンセプトで活動している。しかし、私がこれに参加した理由は誘われたから(笑)。
ノリで参加した。

 ここまでくると、地域活動って何?と思う人もいるだろう。私もそう思ったので調べてみた。その結果、地域活動に具体的な定義はない。名前の通り″地域で活動すること″としかいえない。よって決まりも制約もないのだ。
 しかし、前述したように地域活動といえば地域活性化や福祉、子ども・高齢者支援など社会貢献につながる言葉を耳にすることが多い。それだけを切り取られると、とんでもなく立派なことをしないといけない気がする人は多いと思う。

 だから個人的には、地域活動は「まちで楽しむこと」「まちを遊び場にする活動」「多世代で仲良くなる機会」くらいのゆるい感じで伝えたほうが良いと思っている。その結果、まちがより良くなるんだよ〜って伝えるほうが良い気がする。

 私のこくカレ同期に、盆踊り大会を復活させたい人がいた。昨年のこくカレからは、湧き水でワサビを育てようとするプロジェクトや、無料でコーヒーを配ってその場で出会った人とおしゃべりするプロジェクトが生まれた。どれも遊び心に富んでいるし、何よりも楽しそう!

フリーコーヒーで地域の人と交流を図る「わらしべコーヒー」。2023年度のこくカレで生まれたプロジェクト。

 それに、誰か・地域のために役立ちたいと思って取り組んだとしても最初から役立つとは限らない。役立ちたいという想いは確かに立派であるが、もしかしたら迷惑と思われるかもしれない。頑張ってるのに″いらない″″無駄な活動″なんて言われたらショックすぎる。でも、そういう可能性は十分ありうる。

 それなら、周りのために貢献したいと思うよりも、やる側の楽しさや充実感を重視して取り組んだほうが良いと思う。やる本人たちが楽しんでいれば、その姿を見て″なんか楽しそう″と思って参加する人が出てくるだろう。誰かが楽しんでいるだけで周りも楽しくなって笑顔になり、その場が心豊かになるはず。純粋に楽しむことこそが地域活動には必要なのではないだろうか。

 つまるところ、地域活動を始める動機も取り組んでいる最中の想いも、軽くていいと思う。暇つぶしで始めるのもあり。どんな理由であれ、試しにやったらハマるかもしれない。その逆も然りで、つまらなかったり自分に合わないかもしれない。

 でも、それでいいじゃないか。自分の好き嫌い・合う合わないがわかることは人生においては大きな収穫だ。仕事じゃないんだから自分に向いてなければ止めてしまえばいい。でも、ドタキャンとか無言で去るとかはよろしくないけどね。

 あと、地域活動はアクティブシニアが行うものと思っていたけど、そんなことはない。よくよく考えれば、自由な活動なのだから年齢制限なんてないのだ。こくカレの参加者は20代から70代と幅広く、さまざまな年代が一緒に活動している。

 こくカレの以外の団体には、特定の年代が集まって取り組んでいるところもある。70代80代の集まりの場合、若い世代に入ってほしいと思っているところは多い。実際に、私が参加している別の団体はまさにそれで「若手に活躍してほしいから入ってほしい」と言われた。だから入った次第である。アラフォーでも若手と言われるのは嬉しい限りだ。

 とにもかくにも、地域活動に興味がある人は決して敷居が高くないので、はじめの一歩を踏み出してほしい。もちろん、大志を抱いて取り組むのは素晴らしいしそれを否定する気はない。ここで私が言いたいのは、これから地域活動をしたいけど敷居が高いと感じていたしとしてもそんなことは皆無ということ。ゆるい気持ちで始められるから安心してほしい。動機は軽くていいのだ。

 ノリ、興味からの始まりで問題なし。地域活動に限らず何事も軽やかに動いたもの勝ちだ。

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