カオスの美とアートの楽しさを教えてくれた軽井沢ニューアートミュージアム
絵画教室に行き始めてからジワジワとアートに目覚めている。先日の軽井沢ひとり旅でもアートに触れてきた。行ってきたのは、軽井沢ニューアートミュージアム。
今回の旅で一番行って良かった所だ。ここで一番衝撃を受けたのが、向井修二の「記号化されたトイレ」。その名の通り、記号で作り上げた作品だ。
最初に見たときは、奇抜すぎて度肝を抜かれた。このらくがきのようなものが作品になるのか、現代アートは何でもありだな、というのが素直な感想だ。
しかし、よぉく見てみると、空間をゾーニングし、部分ごとに縦横斜のいずれかに揃えて記号が書かれている。ただ書いているのでなく、ちゃんと規則性をもたせているのだ。単体ではただの記号も、ルールに沿って書けば立派な柄になる。なるほど、一見カオスでもその中にルールがあればそれは美学となり、作品として成立するのか。見れば見るほどに引き込まれる不思議な作品だった。
草間彌生の作品にも同じことが言えるのではないだろうか。
大小中の水玉を使い分け、等間隔で並べて描かれている。アートはどこまでも自由だが、何かしら規則性をもたせることで、どんなものでも立派な作品となり、魅力が爆発する。また、その規則も自分で決めて良いのだから、アートは実に面白い。
と語ったが、これはあくまで私の解釈。私はアートの知識はないので詳しいことはわからない。でも、わからないからこそ、あれやこれやと考えて、作品毎に自分なりの解釈を構築するのがたまらなく面白く、その時間がすごく好きだ。見たものをどうとらえても、どこに魅力を感じるのかも自分次第で自由。アーティストと見る側双方が自由になって楽しめることがアートの最たる魅力なのではと個人的には思う。
今回のひとり旅では、カオスでも美は作れると知り、自分なりのアート論を確立できた旅であった。今回を機に、今後は旅先にあればぜひ美術館に訪れようと思う。旅行という非日常で緩やかな時間は、アートを楽しむのにもってこいと感じた。