見出し画像

年金分割なんて知らなかった

私は一昨年離婚をした。
当時、息子ふたりはすでに成人していたため、親権問題はなく、財産というほどの資産もローンが残った1軒屋と車とわずかな貯金くらい。この自宅は希望価格で売却する事ができたので残債を精算し、プラスで900万ほど受け取れた。8割くらい私が受け取り、息子達の奨学金を一部繰上げ返済し、手元に残ったのはそんなに多くはない。ローンが残っている車は通勤の事もあり私がもらった。元旦那は実家、私は賃貸暮らしで当時大学4回生の次男と住む事に。

幸い息子達はふたりとも国立大学で長男はすでに独立、次男の残った授業料もしれてる、学生の間は数ヶ月だけだったが月2万の養育費はくれていたし、私は会社員(管理職)なので、生活はどうにかなった。そんな次男も去年の春に就職で私の元から巣立った。

1人暮らしにも慣れた頃、ふと離婚届を役所でもらった際に「年金分割について」というチラシを一緒にくれたのを思い出した。年金の事はあまり普段気にせず生きてきたが、「年金分割」というなんだか難しそうな内容だけども離婚届とセットということには意味があるはずと、ネットで調べることに。


年金分割とは

「年金分割」とは、離婚した際に、夫婦の間で積み立てた年金を分ける制度。主に、離婚時の年金の積立額を公平に分け合うことを目的としており、婚姻期間中に夫婦が積み立てた年金の一部を相手に譲渡することができるものだ。

年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て。
分割されるのはあくまでも「厚生年金」の記録分だけだ。

〜画像:年金のまなびばさんより〜

3号分割と合意分割の2種類がある

「3号分割」は専業主婦やパートなど、夫の扶養に入っていた人が請求できる制度。これは手続きをすれば、相手方の保険料納付記録を1/2ずつ分割でき、相手方の合意は必要ない。ただし、2008年4月以降分に限られる。3号分割は後からできた制度で、2008年以降に結婚した人で扶養内の場合は請求さえすれば分割してもらえる。

一方、「合意分割」は2008年4月より前から婚姻期間がある人で、婚姻期間全ての相手の厚生年金記録に対してmax50%までの割合で分割の請求をすることになる。相手の合意が必要で、合意してくれない場合は家庭裁判所に調停の申立て、当事者双方を含めた調停委員会の話し合いで決まる。これでも調停が不成立の場合は、審判手続きに移行され…最終的には裁判官が決めてくれるという流れ。
こうなると手続きが面倒になること間違いなし。

合意分割なら手続きは割と簡単

私の場合はというと、離婚成立より1年くらい経った頃に元夫に連絡し、年金分割について説明、書類は全てこっちで準備するから合意してもらえないかと頼んでみた。

ごねるだろうなぁと思っていたが、意外にもあっさり承諾してくれた。
向こうは家賃要らずの実家暮らし。こちらは50も過ぎてからの家賃暮らしなので、少しばかりは可哀想かと慈悲の心でもあったのか、なかったのか…真相は分からない。

合意してくれるとなれば、まずやる事はというと「年金分割のための情報提供請求書」に必要書類を添えて年金事務所に情報提供請求をし,「年金分割のための情報通知書」という書類を入手する。この通知書に、年金を払うようになってからの過去の記録がすべて記載されている。50歳以上なら、年金の見込額も分かるのだ。

実際の私の通知書

見ての通り、年金分割をするかしないかで年間30万近くも年金額が変わると分かる(驚)
ちなみに、私は結婚後にすぐに会社を辞め、13年ほど専業主婦+扶養内パート時代がある。下の子が小4になるタイミングを見計らい39歳で再就職を果たした。

手続きにはいくつかの必要書類を持って、年金事務所へ元夫とふたりで行く必要がある。代理では手続きは出来ない上に、年金事務所は今や予約がないと手続きもできない。しかも年金分割についてはネット予約はできず、電話予約という不便に加え、元夫は急な会議がよくあるため、結局予約を入れては延期、また延期となり3度目の正直でやっと手続きに行く事ができた。

準備した書類が完璧だったため、1時間の枠があったが30分ほどで手続きは終了したので、年金についていろいろ担当の人にレクチャーしてもらった。マイナポータルアプリにねんきんねっとを連携すると、スマホで年金記録や情報を確認出来ると言われ早速やってみた。

年金定期便もマイナポータルで内容を確認できるようになり、ペーパーレスにする事もできる。年金見込額もマイナポータルで確認出来るのだ。

マイナポータルとねんきんねっとを連携せよ

スマホからマイナポータルにログインすると、写真のとおり「年金」というのがある。ここから連携処理をする。


スクロールすると、おかね→年金 がある

ねんきんネットと連携ができると、いつもハガキで送られている通知書や、将来の年金見込額が見れるようになる。

将来の年金額を試算するに進むと…


試算額が「年金分割のための情報通知書」に書かれていた分割後120万(10万/月)という金額と違うのは詳しい計算前と計算後の違いもある。さらには、上の119,068円/月という数字も、私が60まで今と変わらない年収を受け取った場合の試算のため、年収が下がったり、転職すると話は当然変わってくる。

本来は離婚協議の際に年金分割を盛り込む

私は年金分割について無知であったため、離婚後に年金分割について元夫に申し出をする事になったが、理想は離婚の協議の段階で盛り込んでおく事をおすすめしたい。手続きは離婚後2年以内でないと請求できないので要注意だ。
私は、離婚後に子供のことでLINEをする事はあり、向こうも子供にならお金を出す事はさほど抵抗なさそうだったが、年金分割についての本音はどうだったのか….。離婚した妻に年金を分ける事を快諾するほど出来た人間はそういないはずだ。

ちなみに、分割された年金については、元夫が亡くなったとしても、こちらの受取額が増減することはない。分割された金額はそのまま支給になる。

あと、これは弁護士事務所で働く友人に聞くところによると、合意が得られ得ず、面倒な手続きを代理人に頼む場合、相場や税込110,000円だそうだ。
110,000円浮いたので元夫には感謝したい。


いざ、年金分割することになり、ネットで情報を漁ると、仕組みについての記事はいくらでも出てきたが、実際に離婚し年金分割をしましたという人のブログはほぼ出てこなかったので、記録しておこうと書いてみた。

新しい人生を進もうと思ってらっしゃる誰かの参考になれば。

いいなと思ったら応援しよう!