【YS横浜】J3第18節vs.ギラヴァンツ北九州:監督交代が成功!?北Qの攻勢【マッチレポート】
2018年明治安田生命J3リーグ 第18節
日時:2018年7月15日(日)17:00キックオフ
試合会場:ニッパツ三ツ沢球技場/1231人
試合結果:Y.S.C.C.横浜0-0ギラヴァンツ北九州
【試合前情報】
Y.S.C.C横浜 スターティングメンバー
配置は4-2-3-1。守備は左から西山、中西、宗近、大泉。セントラルハーフに後藤と土舘、サイドハーフは左に吉田、右に河野。トップ下に北脇、トップに奥田という並び。
前節と比べての変化は、奥田が復帰、そして土舘のスタメン復帰。
続いてギラヴァンツ北九州のスターティングメンバー
北九州の配置は4-4-2。守備陣は左から野口、川上、有薗、野口。セントラルハーフには藤原、村松。サイドハーフは左に井上、右に安藤。2トップにダヴィ、やや下がり目の位置に池元。
以前、実は約1ヶ月前にもリーグの前半戦でも対戦をしているのですが、その際からは監督が交代、その時のシステムは3-4-3でした。
【前半】YS横浜の良さを潰す、ギラヴァンツ北九州
シーズン後半戦も始まり、お互いにさらなる上の順位を目指しての戦いが始まりましたが、この試合も気温23.4℃、湿度53%という気温でキックオフ。
この試合、北九州の鍵を握るプレーヤはなんといってもダヴィ。開始序盤は北九州はダヴィの圧倒的フィジカル的優位を活かしながら攻撃を攻勢していきます。やや下がり目でダヴィの相棒としてプレーをしていた池元がセカンドボールを回収や、サイドでの攻撃に対してのサポートを行っていました。
対してYS横浜はボールを持ちながら、縦に速い展開を進めていきます。前節では奥田を欠いていたこともあって、攻撃に厚みを増すことができなかったのですが、今節では彼が復帰。基本的にはいつものように降りてきてボールを引き出すような動きではなく、トップのような位置にいることが多かったです。北脇がトップ下のような位置で、相手のハーフスペースでボールを受けてドリブルを用いてチャンスを作り出していました。
YS横浜は攻撃時はポゼッションを好みます。ポゼッション時にフォーメーションを変更するのですが、セントラルハーフの土舘か後藤がCBの間、あるいは左CBの中西の左側に土舘が降りて3バックを作り、両サイドバックを高い位置まで進出させます。これによって、サイドからの攻撃に厚みを加える事に加え、相手のハーフスペースでボールを受けに入れる選手を増やしていきます。
北九州も負けじと、YS横浜の長所である縦への速さを封じてきます。前の4枚ほどを使って、YS横浜のビルドアップに対してプレッシャーをかけてきます。特にダヴィは攻守に渡って大きな貢献をしていました、YS横浜のディフェンス陣は臨機応変にプレッシャー回避をするために、3バック+中盤の4枚を使ってプレッシャーから逃れていたのですが、どうしてもサイドハーフが攻撃の起点として機能できないことも影響して、簡単に北九州ディフェンスの裏を狙うロングボールに頼らざるを得ない展開が続いていきます。
(CBが開いた攻撃、パスコース自体は3パターンあるものの、大泉まで抜けた後の河野が縦でボールを引き出せない為、前線にロングボールを蹴らざるを得ない)
このように、プレッシャーがかかった時に冷静に回避できるまでは良いのですが、そこから先の展開の部分で奥田がもう少しボールを引き出してあげられると良かったかもしれません。また、YS横浜の右サイドハーフの河野が、前半から迷いのあるプレーが目立っていましたね。チャンスシーンで仕掛けられず単純に狙いの無いパスを連発、仕掛ければ抜ききるだけの力を持っているだけに残念です。
当たらに桂谷監督が率いる北九州は攻撃のやり方、守備のやり方といった部分での意思統一がなされていました。ポゼッションをしながらワンサイドで崩しきろうとするYS横浜に対してしっかりとワンサイドに絞って守備、奪いどころを限定しながらYSのロングボールを蹴らせるという狙い、また守備面でも北脇の裏への抜け出しを警戒した低めのライン設定のYS横浜を苦しめた要因の一つだと思います。
攻撃面で、北九州はダヴィを軸に、サイド攻撃の幅を広げてきました。そこに池元も絡んできながら、ダヴィを警戒させた二次攻撃も上手くハマっていました。ビルドアップで詰まったらダヴィを狙い、サイドから上手く崩せた時は幅のある攻撃でYS横浜のゴールを次々と狙ってきました。結果として、YS横浜にほとんど仕事をさせず、ほぼ完璧にYS横浜の攻撃を締め、攻撃面でもあとは決めるだけという展開を続けてきました。
【後半】あとは決定力だけ、完封の北九州
前半では北九州がYS横浜のビルドアップを前から妨害して、自陣に侵入させず、ワンサイドに限定してボールを奪いダヴィを軸にサイドを起点として攻撃を進めてきました。
そこに対して、YS横浜はスタイルは変えず、そのままの形で攻撃を続けていきます。北九州の裏へのケアがやや甘くなりだしてきたころに、YS横浜もチャンスを作るシーンが増えてきましたが、それでも得意のビルドアップからの形を妨害されてしまい、なかなか相手陣内までボールを進めることができません。
後半はそう多くを語るまでもなく、前半のように北九州がやってきたことがそのまま継続されてきた挙げ句、カウンターからも攻撃の形をつくりながら北九州が攻撃を進めていきますが、決定力の問題で北九州は多くのチャンスを作りながらも、スコアレス。
YS横浜としては、カウンターからの得点パターンを作りたいと同時に、サイドハーフの選手に足元でボール受けてリズムを作り出せる選手を配置して、ビルドアップ回避した後の部分で攻撃へさらなる厚みを加えていきたいところです。なんとか今節はスコアレスに抑えたものの、前からのプレッシングを積極的にこなしてくるチームとの対戦に弱いという現状があるので、どこのチームもスカウティングでそれを調べてくるはずです、早急に対策を練りたい所です。
【勝ち点計算表】
この勝ち点計算表を評価してくれた西山選手が、鳥取に移籍してしまうという悲しいニュースもありましたが、勝ち点計算表です。
第3クールでは現時点で勝ちが1、この試合を含め勝ちが4試合無し。得点数もいままでのクールに比べて約半分。優勝を目指すのであれば現実的には厳しい勝ち点数となってきました。
失点数が減っているにも関わらず、これだけ勝ち点が取れなくなるとすると、精神的にも厳しいところがあるかもしれません。相手チームとしても半シーズンが終了して分析対象試合も増えている訳ですから、研究されているとしか言いようがありませんね。
次はアウェイで琉球、ここでは確実に勝利して、優勝勝ち点数を目指して行きたい所です。