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【YS横浜】J3第14節vs.ギラヴァンツ北九州:警戒された奥田とダヴィ

みなさん、こんばんは。
ワールドカップで寝られない日々を過ごしておるとは思われますが、体調管理にはお気をつけください。

さて、本日は「DF登録に西山という名字が3人いるで有名な」YS横浜のマッチレポートをまとめてみたいと思います。なお、最近ある本を買いまして、それは「モダンサッカーの教科書」という本です。

この本の中で、「相手チームを分析する時にどんなところを観たら良いか」という項目が書かれてあったので、その分析フレームに当てはめて、ワールドカップから数試合観戦をしてみました。少しだけサッカー用語っぽいのが含まれるようになりますが、それなりに解説も加えていきながら紹介してみたいと思います。

ー攻撃的プレッシング同士の一戦、一つ上手だったYS横浜
先程述べたように、「モダンサッカーの教科書」という本の中の分析フレームに沿って、サッカーの分析をしてみたいと思っているのですが、大まかに分けて4つの観戦ポイントがあります。

①攻撃
②ポジティブ・トランジション(攻撃への切り替え)
③守備
④ネガティブ・トランジション(守備への切り替え)

なお、②と③はそれぞれ、ポジトラ、ネガトラと略させてもらいます。
よくご存知の言葉としては「攻守の切り替え」を攻撃と守備で分け離した考え方ですね。この分析フレームに当てはめてこの試合を批評してみます。

【YS横浜】

(スタメン)
GK1浅沼
DF3宗近、5西山、9大泉、25西山
MF8吉田、14後藤、奥田、23三沢、27柳
FW11北脇

キーパーにはJ3の巨匠である浅沼がスタメン。
CBコンビは安定感ある宗近、そして開幕から離脱していた西山。
SBには右に毎度の西山峻太、左に大泉。
中盤の底にはあまり見かけない柳と、高精度パスマシーンの後藤。
右のハーフには三沢、左には吉田、ワントップに北脇という並び。

可変型フォーメーションを採用しており、攻撃時と守備時には配置に大きく変化があります。言葉で言うなら、攻撃時には後藤がCBの間に降りて3バックになり、SBが一枚高い位置に出ていき、SHがインサイドレーンにズレるという形。中央付近のレーンに人を集めることで、ネガトラ時のゲーゲンプレッシングの精度を高めようという作戦。カウンター対策にもなるこの並び。J3のマンチェスター・シティや。

①攻撃

YS横浜の攻撃の軸は、中盤の後藤というプレーヤーが一番の肝。
このチームは基本的にディフェンスラインから高精度の縦パスがビシバシ通ることで、相手のプレッシング網を掻い潜っていくのですが、この後藤はその中でもずば抜けたパスセンスを持っています。殆どの攻撃で彼を経由しているといっても過言ではありません。彼のプレーをよく見ていると味方のボールホルダーに対してのサポートに常にポジショニングを変えている。高精度なパスだけでなく、謙虚にパスを受けに行く姿勢も評価すべき。縦へのパスで攻撃にスイッチを入れることができる存在でもあるので、彼の存在は非常に大きい、YSの心臓。また、後藤に限らず、YSの選手はよく走る。プレッシングでもそうですけど、攻撃時には無駄になるであろうランニングも平然とこなす。さらには、ビルドアップ時にパスコースを創出しようと、中盤の選手は降りてくる、中盤が降りたスペースの誰かが入り込んで縦パスといったように、走ることで流動性のあるサッカーを展開できていた。北脇とか、どんだけ走ってんねんってくらい走ってくれてます。

②ポジティブ・トランディション
YS横浜がボールを奪った時の話ですね。
基本的に、ボールを奪うと、自分たちの陣形を整えようとする「ポゼッション派」と、すぐに相手の空いているスペースを狙う「カウンター派」に分かれてくるのですが、YSは完全にカウンター派でとにかくを狙う。
どうしても無理な場合は横につなぐときもありますが、それは縦に行くための横パス。どうしても打開できるようでなければ、ミドルシュートで終わるという形もしばしば。ギラヴァンツはネガトラ時には、ゲーゲンプレッシングでボールを奪い返そうと企んでくるチームでしたが、そこのプレス網を後ろの数的優位で簡単にかいくぐると中盤でそれなりにボールを余裕を持って持てる展開もありましたが、北九州の中盤がそれなりに頑張ってケアしていました。結局、北脇の3点目なんかは、後藤から三沢、奥田に繋いで北脇と完璧に縦への意識が目に見えていました。ナイスゴール。

③守備
YS横浜の守備のスタイルとしては、4-4でブロックを作るという組織的守備。まあ、近年ではオーソドックスな形。最終の局面には浅沼がいるので、シュートを打たせてもコースさえ限定すればなんとかしてくれる、といった所でしょうか。プレッシングに関しては、「モダンサッカーの教科書」でいう、攻撃的プレッシング。相手陣内からボールを追いかけ回し、相手のパスが乱れた所を奪ってショートカウンター。ワールドカップでロシアが前半でこんな感じのことをしてましたよね。

④ネガティブ・トランジション
これはつまり、YS横浜がボールを奪われたときの話ですね。
基本的にYS横浜はリトリートなんかせずに、ゲーゲンプレッシングですぐにボール奪回を狙います。そのために、中央レーン付近に人を集めて濃度を高めているといって良いかもしれません。やはり、J3レベルでは多少プレスをかければパスが乱れる乱れる。それを回収して、縦パスを入れて・・・という形で、すぐにポジトラに繋げることができます。今回の対戦相手のギラヴァンツも、YSと同じようなスタイルではあったのですが、差の部分というのが走力であり、ポジトラの部分だったと思います(なんでそれをネガトラの部分で書くのか)。

【ギラヴァンツ北九州】

(スタメン)
GK1山岸
DF2有薗、4川上、28ペスヨン
MF8安藤、13浦田、15野口、22藤原、30村松
FW9ダヴィ、11池元

3-4-3という形、どこに誰が配置されているかは分からないけど、ウイングバックがかなり早い段階で自陣に帰ってきていたので、後ろの選手はリトリート。前の3枚は後ろの様子も見ないで攻撃的プレッシングを仕掛けてきていました、なんか北九州も大変だな。

①攻撃
ギラヴァンツの攻撃としては、ダヴィが頑張るパターンかセットプレーくらいしかなかったような気がするなあ。ビルドアップ時のボールホルダーに対する味方のサポートも少なくて、縦に縦に攻め続けるしかないという構図でしたね。なんか、ギラヴァンツの雰囲気が、あまりに悪そうで見ていられなかった感もあります。

②ポジティブ・トランジション

ギラヴァンツのポジトラは、劣化版YS横浜という感じ。縦に縦に攻める意識はあるが、精度もないのでダヴィが頑張って収めるというパターンが多かった気がする。なにか言及することがないか。

③守備
ギラヴァンツの守備の特徴は守備時に5バックを形成する協力な守備。ウィングバックが降りてくる形で、5バックを作り前からはプレスに行くので中盤はスカスカ。サイドからの侵入経路もしっかりと開けてあるのはもちろん、中央からもYSの縦パスがボコスカ入る。ちょっと前にJ2で流行ってた3-4-2-1をやりたかったのかもしれないけど、それにしても前に運ぶ手段がなさすぎるよ北九州。

④ネガティブ・トランジション
北九州はさすが最下位ということもあって、プレッシングはザルみたいで、ボールを奪われた感じもほぼない。ゲーゲンプレッシングを仕掛けてはきたものの前線の数枚だけしか連動していないので、むしろ1列目のプレスを簡単にかいくぐることができて、YSが中央から簡単にボールを相手陣内に運べるという謎のような展開。前から行くなら前から行って、後ろで守るなら後ろで守るを統一しないと中途半端すぎて見ていられなかった。

ー警戒された奥田とダヴィ
白でカモメさんが付いているアウェイユニを着用したYS横浜、あのユニって襟があるんだね。なんか、ギラヴァンツよりもあのスタジアム似合ってたよ。

試合会場はミクニワールドスタジアム北九州。自分としても一番の近場だったので行きたかったが、レベスタでのアビスパ福岡とアルビレックス新潟との一戦に集中することに(なお、0-2でけちょんけちょんにされました)。

今節のキーマンとして両チームが徹底的に抑えていたのが、YSは奥田、ギラヴァンツはダヴィの2枚にはとんでもなく早い矢のようなプレッシングが飛んできていました。結局、前半に奥田がラッキーゴール、後半は奥田がプレッシングの中でアシストと完全にYSが抑え勝ちした感じはありますが、ギラヴァンツの状態が酷すぎた。この試合を機会に監督が解任されたという記事もありましたが、せっかく良いスタジアム作って、それなりに人も入ってるのにJ3の最下位でクソサッカーしてたらダメでしょ。

結果だけ見ると、奥田のラッキーゴールと、北脇のこぼれとミドルで計3発。浅沼が2点を決められるもなんなく勝利。ほんま、北九州、しっかりしてくれ。なお、今日始めてみた柳くんは、それなりにしっかりとチームのやりたいことをしっかりと考えてプレーできるようで、見応えはあった。小澤のスタミナを懸念しているのかな。

ーまとめ

いやー長い。
もうちょい考えねばなあ。

今度YSの試合観に行きたいな。

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