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【日本代表】ロシアW杯vs.コロンビア:掴み取った奇跡の勝利

日本、やりましたね。
正直もう何も言及したくないくらいの快挙な訳ですが、個人的にこの試合を分析してみようと思います。なお、この分析は自己満足なもので、チームに対してこうするべきであるという解決策を出すわけではありません。
ぜひ、次への繋ぎ程度の期待でお願いします。
(画像はツイッターよりお借りしました、どなたの画像か判別できなくなってしまっているので、削除要請があれば削除をしたいと思っております。)

【日本代表】
①攻撃:幸運だったカルロス・サンチェスの退場

日本の基本フォーメーションは4-2-3-1、守り時には4-4-2のような形、攻撃時には中盤の長谷部が降りてCBが開き3バックを形成して、SBを縦に動かして、前線に人数をかけようというオプション有り。コロンビアが速い段階で元アストン・ヴィラのカルロス・サンチェスがハンドにより退場という想定外な自体が起きたので、コロンビアは常時4-4-1でブロックを形成して守ってきたので、第一プレッシングはそこまで激しく来なかったこともあり、相手陣内に非常に用意にボールを運ぶことができた。日本にビルドアップはサイドバックを経由する場合が多く、相手の第一プレッッシングがかかりにくいサイドバックを経由して攻撃を開始していた。相手の第二プレッシングを超える手段としては、サイドバックからサイドハーフへの縦パスというサイドを使った攻撃が主、柴崎がボールを持つときは彼のところから縦へのボールが出ることもしばしばあった。

②ネガティブ・トランジション:引いてカウンター、縦に速く

日本はボールを奪われた時、基本的に相手陣内でゲーゲンプレッシングでボールを奪回しようという狙いが見えた。前半の早い時間では、コロンビアのカウンターも機能していた事もあって(クアドラードが途中退場するまで)、日本としても攻め込まれるシュチュエーションが増えてきたが、そういった時は、ボールホルダーに対してプレッシングをかけにいきながら、その他はリトリート。とにかく陣形を整えて数で守ろうとする狙いがあった。後半になればなるほど引いてボールを奪いに行っていた。

③守備:リードをしてからは守備的プレッシング

日本のプレッシング開始位置は、序盤はギアを上げるためか前からのものが多かった。ゲーゲンプレッシングをかけにいくために、サイドバックに高い位置を取らせたり、ボランチを落としたりといった工夫が見えた。ただ、選手間が広すぎて、組織で守備をするというより、シュチュエーションごとに見ると守備に厚みをかけられなかったという印象を受けた。時間の経過とともに、あえてプレッシング開始位置を落として、リトリートをして低い位置でボールを奪おうという狙いがあった。守り方はゾーンだったが、ボールにチャレンジに行く人が曖昧になっていたシュチュエーションが多々あった。

④ポジティブ・トランディション:サイド攻略が「自分たちのサッカー」
基本的には日本はボールを奪うと、縦を狙おうとする動きがあった。ただ、パスが通りそうにないとき、相手のプレッシングが飛んできた時は、安全にボールを保持しようと、ポゼッションの確立を目指していた。サイドバックからのギアチェンジが特徴のようで、サイドバックとサイドハーフの連携でサイドを攻略しようとする狙いが見えた。

ー勝負を大きく動かした、カルロス・サンチェスの退場
この日本の歴史的快挙を語る上で、前半3分のカルロス・サンチェスの退場は避けることのできない大きな出来事だった。早すぎた退場、100年に一度の奇跡。日本としては神が舞い降りたかのような理想的展開。

前半3分でPKを獲得し、開始直後からリードした状況・相手が1枚退場するという望んでもいなかった絶好な環境を作り出す。ややコースが甘かったものの、香川がゴールキーパーの逆を突いて先制。

相手の第一プレッシャーラインが1枚になってしまった以上、日本としては非常に容易に敵陣に侵入することができ、押し込む形をつくることが出来た。サイドのレーンは2枚、中央は柴崎が攻撃を作っていく。

コロンビアも1枚退場した程度では日本に好きなようにやらせるつもりはない。4-4-1でブロックを形成し、クラドラードを中心として縦に速い攻撃で日本陣内へと侵入してくる。日本もなんとか対応するも、コロンビアとしても開始3分で1枚が退場、失点とプランが完全に崩壊しきっているので、ファルカオのダイブで試合を崩していく。

コロンビアはFKで得点を返すものの、日本がセットプレーから大迫が勝ち越し弾をぶち込み、誰も想像していなかった日本の勝利、アジアがワールドカップで初めて南米に勝つという快挙を成し遂げる。

コロンビアは4-4-1でブロックをしいて守っていたが、終盤になるにつれて攻撃の枚数を増やしに行った。元ACミランのバッカ、そしてハメス・ロドリゲス。彼らを投入し、4-2-3のような形にして、前線の3枚で日本のディフェンスラインに対して攻撃的プレッシングを仕掛けた。ただ、そこで起きたのは、日本の攻撃をさらに強化させてしまったということ。前線の3枚のプレッシングを簡単に剥がされてしまい、結局4-4でブロックを敷くことになり、攻撃的人材を守備に回さざるを得ないというシチュエーションになってしまう。日本の決定力の無さに救われたが、万事休す。交代策がむしろ自分たちの首を締めることになってしまう。前半のクアドラードを交代した動き、自分たちの攻撃の大きな得点源を失ってしまったことも読み違いだったのかもしれない。

ー油断はならない、困った時のセットプレー

日本は理想的展開でグループリーグで勝ち点3を獲得。
ここで考えなければならないのは、今後も格上の相手と戦わなければならないということ。

幸運な環境で勝利を掴み取れた、それは素晴らしい事。誰がどうみても歴史に残る結果。ただ、得点が全てセットプレー頼みになってしまっていた、そして相手が常に10人だったという事を懸念しなければいけない。

次の試合ではさらに鋭いプレッシングが飛びついてくる。そこで落ちついてプレーできるのか、流れの中から得点を狙えるのか。今回の起点となったサイドバックからの攻撃を再現することができるのかといった部分に注目をしていかなければならない。

困った時のセットプレー、これは非常に大事だ。
韓国を下したスウェーデンも、モロッコを下したイランも、ブラジルに同点に追いついたスイスも、どれもセットプレーから得点した。

ドン引きカウンターからセットプレー一発狙いでも勝ちは勝ち、限られたリソースを存分に活かし自分たちにあった形で攻撃をしかけることはモダンサッカーでは必然といっても過言ではないだろう。ズラタン・イブラヒモビッチがいればクロスを上げたほうが得点は奪える確率が上がるかもしれないのだ。

一体私は何がいいたいのだろうか。

ーまとめ
純粋に喜べない私が悔しいし、日本の歴史的快挙と言われても心が踊らない。でも、PKでゴールを奪った時は叫ばずにはいられなかった。

やはり私は日本人なのだ。

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