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【YS横浜】明治安田生命J3リーグ第20節vs.G大阪U-23:厳しい結果、完敗のYS横浜【マッチレビュー】

2018年明治安田生命J3リーグ 第30節
日時:2018年8月26日(日)19:00キックオフ
試合会場:パナソニックスタジアム吹田/586人

結果:G大阪U-23 3-0 Y.S.C.C.横浜

皆さん、こんにちは。

約1か月、久しぶりにJ3が帰ってきました。

本業であるアビスパ福岡のマッチレビュー、プレビュー作成が楽しくて楽しくて仕方ない中で、こうやってYS横浜の記事作成の方も張りきってやっていこうと思っている次第です。

僕はYS横浜を始め、そもそも関東圏にほとんど縁もない訳ですが、こうやって横浜のクラブを応援しています。これがサッカーの面白いところであり、サッカーの秘めている力ですね。

それでは、まずはYSCC横浜に関する嬉しいニュースから発表してみましょう。

YSCC横浜に胸スポンサーが付きました!


その名もコマンダースポーツ様

後半シーズンは胸にこのロゴを入れて戦うことになります。

アウェイユニフォームですが、この第20節からしっかりとスポンサーが入っていました。とても嬉しい報告ですね!

そして、代表のコメントを読んでいると、こんなことが書かれていました。

コマンダースポーツ株式会社(科曼得体育株式会社)はサッカー選手の育成、指導、プロ選手のコンサルタント及びプロチーム運営を中心にサポートを提供しています。また、日中サッカー分野の交流にも貢献しております。この度、弊社の活動の一環として、横浜スポーツ&カルチャークラブY.S.C.C.のオフィシャルスポンサーとしてご協力させていただく機会を頂戴いたしましたこと、大変ありがたく存じます。2018年シーズン後半戦はチームのご活躍を心よりお祈り申し上げます。

横浜スポーツ&カルチャークラブY.S.C.C.!?


えっと、YSCCの略が「横浜スポーツ&カルチャークラブ」だから・・・


横浜スポーツ&カルチャークラブ横浜スポーツ&カルチャークラブ!

すっごいカルチャー!!そして、スポーツ!!横浜!!!!

出資、本当にありがとうございます。

それでは試合の方に入っていきましょうか。

【試合前情報】

まずは恒例のスターティングメンバーから

まずは我が軍、YSCC横浜から見ていきましょう。

スターティングメンバーにやや不可解な所がありましたね。後藤、小沢、そして土舘というセンターハーフのプレーヤーを3枚起用してきました。配置としては、この画像通りではなく、トップ下の吉田、左に土舘、右に奥田という配置。

試合の途中から、土舘が右に回って、トップ下に奥田、左に吉田という配置に変わりました。

この狙いを考察するには、サイドバックの攻め上がりというストロングポイントのあるため、サイドのレーンのサイドバックにまかせてしまって、土舘を中央に寄らせてプレーしようという狙いがあったのだと思います。

それ以外のフォーメーションは特に変わっていません。

次にG大阪U23のスターティングメンバーを見ていきましょう。

なんと、代表キャップのある今野が怪我明けの試合ということでJ3に初出場。

後で軽く触れてみたいと思っていますが、やはり元は代表の選手。ボールのタッチや、その展開力は違いを見せていました。

そして、詳しくは分からないのですが、トップチームでの出場機会のある食野(これでメシノって読む)が注目プレーヤーとして挙げられていました。

G大阪U23の選手はそこまで知らなかったので、試合の中で覚えていきましたが、非常に良いチームでしたね。その中で目立っていたプレーヤーも何人かいましたので、後で紹介していきたいと思います。

【前半】試合が動いたのは僅か3分、今野の復帰ゴール

最後まで試合を観終わったときに感じたのが「G大阪U23は非常に良いチームだった」ということでした。

他の所のU23に比べて組織としてのまとまりが桁違いでした。典型的な4-4-2だったのですが、当たり前のプレーを全員が当たり前にできる中で、高い個の力を活かした爆発的なショート・ミドルカウンターは非常に迫力がありました。

ゴールシーンを含めて解説を簡単にいれてみようかと思いますが、まずは高木のチェイシングでパスミスを起こした所のこぼれ球をしっかりと押しこんだ怪我から復帰した今野の先制点。

これだけの選手をあれだけフリーでシュートを打たせてしまっては仕方ないという1点目でした。

ただ、G大阪U23のチーム全体として狙っていた前からのプレッシングの形の時にしっかりと中盤を押し上げて高いポジショニングをしていたからこそ生まれたこのゴール、元代表のキャップは伊達ではありません。

ただ、2点目こそがG大阪U23の素晴らしいミドル・カウンターだったのでしっかりと画像付きで解説してみたいと思います。

このシーン、G大阪U23は右側に攻撃しているシーンなのですが、素早いボール回しでYSCCの守備陣がシフトしきれていない所の逆サイドに、前半始めから積極的に前に走ってきた山口がオーバーラップを仕掛けてきます。

ボールを持っているのは左サイドハーフながらやや絞った位置でプレーをしている食野。しっかりとボールをキープしながら、サイドの選択肢をチラつかせていきます。

これによって、サイドの大きく空いたスペースにボールを入れられてしまうとフリーでクロスをあげられることになってしまうので、大きなピンチを招くきっかけとなってきます。幸い、近くには小澤がいますし、ゴールまでの距離はまだあるのでシュートには至らないと考えるのが普通です。

そこでYS横浜のDF陣は空いた膨大なスペースを埋めるべく、空いたスペースにシフトをしていきます。まだシュートには至らないはずなので、一番危険なスペースを埋めるということなので、正しい判断ですね。

ただ、この局面で時間を作っているうちに、G大阪U23のワントップを担当している高木が裏のスペースにスイと出てきます。時間を作ってタメを作り、目線を逆サイドに持ってきた食野はサイドを囮に使い、逆を突いて中央にパスを出します。この時点でYS横浜のディフェンダーの中西の対応が遅れていますね。

目線を奪われていたので中央は完全にフリーとなってしまい、対応の遅れたまま完璧な1vs1の状況を作られてしまいます。

一度は中西が足に当ててボールをはじいたものの、セカンドボールを再び高木が押し込んで追加点。

G大阪U23の選手の個のレベルの高さ、組織としてしっかりと攻撃時(ポジティブトランジション)に前に出てくるという原則の元で攻撃をサボらずしっかりと遂行できていました。

U23チームらしい、ハングリー精神が見えた展開だったと思います。

さて、一度目線を引いてみますが、G大阪は古典的であり、現代的な4-4-2を採用してきました。

G大阪の守備は、とにかく4-4-2でブロックを作りながら、相手のビルドアップを妨害していく形を狙い続けていました。そして、ボールを奪うと、とにかく縦に早く展開していくというサッカーを続けていました。

G大阪としては、YS横浜のストロングである「ビルドアップでショートパスを用いてくる」部分を潰しにきたかったのではないかと思います。実際、そこでかなり苦しんでいたみたいです。

それに対して、YS横浜としては高い位置からプレッシングをかけて、高い位置でボールを奪ってのショートカウンターを狙っていました。

例えばこんなシーン、

センターバックからサイドバックにパスが出た場面、CFの北脇が後ろのパスコースを消します。そして、前からはプレッシングをかけます。

空いているのは横のコースだけも、そこに対してもしっかりと選手を当てて対応をしてきます。

ここで横のコースに入ったボールに対してもしっかりと詰めてボールを奪うことで、前線の相手の守備のバランスが崩れている所に攻撃を仕掛けていくという狙いがありました。

このシーンでは北脇がシュートを放ったものの、惜しくもキーパーに取られてしまいますが、完璧な狙い通りの形でボール奪取を出来た場面でした。

余談にはなりますが、こういったチーム(前からプレッシングに行ってボールを高い位置で奪おうとするチーム)に必要になってくるのが、非常に高いレベルのセンターバックです。

なぜなら、こういったプレッシャーをかけて高い位置でボールを奪いに行くチームにとって、プレッシャー網を掻い潜られた時には後ろの枚数は少なくなる訳ですから、数的不利、数的同数の中でもシュートブロック、ボール奪取ができるようなスーパーなセンターバックが必要になるのはマストです。

海外のマンチェスターシティというチームでも、後ろにスーパーなセンターバックを抱えていることもチームの高い位置からのプレッシングを支えている要因であるように、プレッシングに行く際に必要なのはスーパーなCBなのですが、YS横浜としてはまだまだ役不足感が否めないですね。

2失点目のシーンを見返しても、中央でぶち切られた中西は不利なシーンでのディフェンスが続いていたのはもちろんなのですが、ディフェンスの局面で勝ち切れなかった時が目立ちましたね。

こういったサッカーを続けていくのであれば、そこのケアをどうするのかといった部分まで考えていきたいものです。

YSCCとしては、ショートパスでリズムを作っていきたい所ですが、セオリー通りしっかりとビルドアップを妨害してきながら、サイドプレーヤーに対してもしっかりとプレッシャーをかけてくるサッカーを続けてくるG大阪U23に対して苦戦を続けます。

この写真のシーンでもあるのですが、とにかく課題だったのは、押し上げが遅かったのが一番だったのではないかと思います。

縦へのスピード感という部分は、現代サッカーにおいては非常に重要になってきます。どのクラブもある程度守備を整備してくる訳ですから、穴を作るには、ボールを奪った後にどれだけゴールまで到達できるかという部分に関わってくると思います。

YS横浜としては、ボールを奪った後もなかなか押し上げが進まず、G大阪U23が守備陣形をしっかりと整えてしまってからの攻撃となってしまいました。ボールを左右に動かしながら相手のブロックに穴をあけようとしますが、細かなパスミスが連発してしまい、とても穴を作れるような攻撃はできません。

サイドに1vs1で絶対勝てるサイドプレーヤーがいれば話は変わってきますが、そういった選手がいない以上、攻撃のセットプレーとトランジション時にどれだけ早く相手ゴールの到達できるかという部分に関わってきます。

それから、YS横浜の選手の動き方として、三角形、ひし型を意識した動きが多かったように感じました。

(この場合はセーフティのパスコースを選択)

ポジションという考え方を捨てて、局面で動くというプレー原則ですね。こういうサッカーを採用することによって、相手にマークを絞らせない、局面ごとに優位性を保つことで、ゴールという目標にたどり着きやすくするというやり方ですが、見ている感じだとパスにこだわりすぎて、肝心のゴールが遠くなってしまっている印象を受けました。

最終目標点はゴールということを忘れず、もっと早い展開からゴールを奪っていきたい所です。また、後藤がしっかりと縦にパスを通した展開は山のようにありましたが、そこに対して2枚目、3枚目のプレーヤーが関わっていけるような動きが必要ですね。

ただ、この気候ですからね。走るサッカーは割りに合いません。

様々な要因を元に攻撃を考えていきたいところです。(一番可能性のあった形が、ショートカウンターからの奥田のシュートという流れでした)

そして、G大阪U23代表はよく頑張って走り通しました。連携面でもしっかりと声を出して対応してきますし、サイドの入ったときに誰がチャレンジに行くかという部分が明白で、無駄な選手が存在していませんでした。そういった所が守備ブロックの強化につながったのではないかと思います。

特に、面白かったプレーヤーがトップ下の位置でプレーしていた井出。

守備時にもしっかりとプレッシングに行けますし、ボールを触れば高い技術を活かして攻撃のタクトを振ります。

時間を作るボールキープ能力など、選択肢の多いプレーヤーでした。

ちなみに後半はこんな異次元ゴールまで決めています。

また、この流れで個人的にピックアップしてみたい、成長が期待できるプレーヤーとしては左サイドバックの山口

積極的なオーバーラップ、その運動量と足の速さは非常に強力でした。2得点目もその走りで味方の選択肢を広げる活躍をしました。クロスの精度には難ありでしたが、これから期待して見ていきたい選手の一人です。

忘れていましたが、前半はG大阪U23が個々の力を存分に活かして2点差でリードして終えます。

【後半】厳しい結果、完敗のYS横浜

この試合は本当に成す術がありませんでした、完敗です。

奥田や北脇、そして後藤といった選手がしっかりと狭い所でボールを収めることができるのですが、そこにセカンドプレーヤーが関わってくるとミスが連発でカウンターを浴びてしまうという展開が続いた後半でした。

非常にコンパクトに保った陣形で中央をしっかりと固めてくるG大阪U23に対して、どうやって中央を崩すかという問題に当たったとき、横からの単純なクロスでは高さで負けてしまう。

パスで崩そうにもどうしてもミスが続いてしまい、最終的には後藤や奥田といったプレーヤーは自分でシュートを狙いにいく局面なども目立ってきます。

とにかくこの気候だった分、戦い方をどうにか考えられなかったものかという所です。

やはり、J2でも高いレベルに位置するチームは夏場の戦い方という所はやはり考えてあるものです。

高い位置からプレッシャーをかけに行くにしても、後半までフルで持つか分からない。そういう時に、どうやって戦うかというプランが欲しかったところです。

スタミナがなくなってしまった後は、もう前は個人でプレッシングに行くけどそれに連動して選手がついてこれないので、ただそこにスペースを与えるだけでG大阪U23相手に簡単に回され続けていきます。

守るのか、攻めるのかという部分において、「負けているから攻めなければならない」という気持ちと、「もう走れないからスタイルを変えるべきだ」という選手の気持ちのズレを統一できなかったことが、後半の失点にも繋がっていたのだと思います。

(この表情の樋口監督)

ここ数試合勝ち切れていませんが、その要因はやはり「理想と現実との乖離が大きすぎる」という所にあるのではないかと思います。

樋口監督のやろうとしていることは分かりますし、それが理想的なサッカーであることは間違いありません。自分たちでボールを握りながら、相手を圧倒するというサッカー。

ただし、そこには強力なセンターバックや、1vs1では絶対に負けないウインガーが必要となってくるはずです。

各チーム、リソースが限られている分、理想を追求する中でリソースを見極めて、実現可能性をしっかりと確認すべきだと思います。

僕はシーズンの開幕からYS横浜のサッカーを見てきましたが、このサッカーの魅力を十分に知っていますので、このまま夢を見たい感じもありますけどね(笑)

結果がついてこなければ、選手たちも魅力的なクラブだと思ってくれないのではないかと冷や冷やしています。攻撃陣を始めとして非常に優秀な選手、J2ではかなりやれるんじゃないかというプレーヤーもいますので、そういった選手たちにもチームに残って欲しいので、もがきながらの中だとは思いますが僕は見守っていこうと思います。

【勝ち点計算表】

ううむ、勝てない試合が続きますね。

ただ、まだ実は優勝の可能性は消えていないのです。

この後全勝すれば勝ち点「73」で、最悪まだ3敗2分までなら優勝の可能性があるのです!

まだまだ諦めません!

せっかく胸スポンサーがついたんですから!


【まとめ】

J3に今野はやばいって・・・

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