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「アビスパ部ジャージ」について思う事
みなさん、シーズンも終わりましたがいかがお過ごしでしょうか。僕はサッカーのない生活に慣れようと、海外サッカーに明け暮れています(全然慣れようとしてない)
海外サッカーの試合のキックオフの時間って、時差があるので日本時間で午前の4時や5時にキックオフするので、「君はいつ寝てるの?」なんてよくツイッターで聞かれたりしますが、そんなことはさておき、昨日のアビスパサポーターを取り巻いた一つのリリースがありました。
それはおせちでもなければ、スクール情報でもありません。
そうです、そのリリースとはこちらです。
アビスパ福岡のオフィシャルショップの2周年イベントのお知らせですね。
僕としては、「えっ、退任する井原監督のキーホルダーっていまから欲しがる人っているの!?」という意見を持ちましたが、それでも井原監督は誰もが知る人ですので、それなりの需要はあるのでしょう。
もし移籍してしまう選手がいたとして、そのサンクスグッツが売られたとしても自分としては神妙な気持ちになりますが、井原監督がアビスパ福岡にもたらしてくれたものも沢山あったこともありますし、そこは納得しました。
ただ、話題になったのはこちらです。
背面に「アビスパ部」と書かれたジャージです。
僕は大学生ですので、あさからダラダラとソファーに座って映画を見ていたのでこのリリースがあった直後のアビスパ福岡サポーターの反応をリアルタイムに追うことができました。
新監督・・・契約更新・・・新加入・・・と続々と情報がほかのチームから出てきている以上、うちは鉄壁の防御で情報の洩れを許しません。さすが、ウノゼロのアビスパ!!そういった中でリリースされたこの情報、いつもなら「なんやねんw」で終わる所がリリースされた直後の反応としてはハードルが駄々上がりの中での、このジャージの発表に絶句。
僕を含め「一体何を考えているんだ」というようなネガティブな声が飛び交っていきました。
また、アビスパ部って何?
という謎の部活を提示されたことに対する詳しい説明もないことを疑問視する声もいくつか見られました。おそらくの想定されることは、天神にある僕もよくお世話になっているバーがサポーターの一部では「部室」と呼ばれており、そこから取られた名前なのではないかとも言われていますが、あくまでその名称を使っているのはサポーターの中でも一部の人であるということがある以上、全体が見えていないのか、その一部の人をターゲットにしたニッチなものなのかという想定をすることができます。
このジャージが「クール」なのか「クールではないのか」というものは、人それぞれの感性によるはずですので、ここの判定はさておくとしても、こういったネタに走るような商品を作ることは一体どうなのかと思いツイッターのアンケートという機能を使って、簡易的な質問をしてみました。
こちらのデータによると12月11日の朝8時時点で123票の投票があり、その中でも買うが11%、買わないが63%、検討中が26%という結果になりました。
数値にすると、13.53人が購入、31.98人が検討中というデータがとれました。ツイッター上の簡易的な集計ですので、ある程度のズレはあるでしょうがそれでも購入しようとする人は1割以上、検討する人が3割の4割程度が購入に対して意欲的であったことが分かります。
僕のアンケートへの参加者は100人程度、その中でもツイッターで個別にアビスパ福岡のアカウントを作るくらい熱心に応援をしている、あるいは情報を集めているというような人のデータだとすると、母体を広げる際に購入割合も少しずつ減っていく可能性があることを考慮して、去年のスタジアム観戦者の平均値を取るとその500着近くは売れる可能性を秘めていることが分かります。これが数の経済(集積の経済)というやつですね。
大学生の僕の可処分所得は大体4万円程度(米以外の生活費込み)なのですが、そんな中での6,000円という額は大金です。その6,000円の使い道にこのジャージを選ぶか、はたまた3,000円の飲み会を2回行くのかという選択を考えると、自分は街などに着て行くようなクールなものではないと思うので他のお金の使い道を考えると思います。さらに最近ヨネックスさんが出してくださった、クラブロゴ付きのジャージを10,000円で買って1か月を「うまかっちゃん(袋麵)」で過ごした僕にとって、類似商品になってしまうので購入に行きつく理由はさらになくなります。
こうなったら他のクラブの商品を参考にしてみようということで、いくつかのクラブを引き合いに出してみたいと思います。
まずは天下の川崎フロンターレ
類似アイテムではこんなものがあります(画像をクリックすることで購入ページに行くことができます)
大体1万円くらいで購入することができるセレモニージャケットです。
ブランドはPUMAであり、ロゴが無いとしてもお金を払えるグッズですね。
シンプルなブラックのカラーに統一されており普段使いはもちろん、スタジアムでの着用もできますね。
そしてこちらも類似商品ですが、川崎独自の「Haorumono(羽織るもの)」シリーズ。黒にシンプルに統一されているので日常でも使いやすいようなカジュアルなものでありながら、サッカークラブ感がなく男女を選ばないものですね。
ちなみに、胸には
簡易化されたロゴと
マスコットのシルエットがついており、分かる人には分かるというグッズになっています。恐らく、サッカーを少しでも分かる人には「もしかして川崎好きなの?」という話にもつながることでしょう。これだけの要素が詰まって3,780円(通常価格では5,700円のセール中)という類似商品の中ではリーズナブルな価格ですね。
それからこちらのLOGOSという人気アウトドアブランドとのコラボグッズ。やはり有名ブランドとのコラボグッツは安定感がありますね、こちらの子ラブグッツは価格が9,180円となっているのですが、普通にこの価格を出してでも買いたいと思えるような商品にロゴを付けるというパターンは消費者としてもお金を出しやすいですよね。
サッカー観戦は冬場になると寒さとの競争になるときもざらにありますので、こういった商品の需要はかなり高いでしょう。
ちなみに、アビスパ福岡で6,000円を出せばこれを購入できます。
さて、次はBリーグ(バスケットボール)を見てみましょう。
これは「アルバルク東京」というチームの優勝記念グッズなのですが、以外にシンプルですよね。
裏面には大きくシーズンを制したことをアピール。こういうの着てる人って街中にいますよね(僕の住んでる長崎の田舎にはいませんが!)セール中なので¥4,640で購入できるようです。主張しすぎない感じが良いですよね。
これってBリーグの公式サイトに載っているものなのですが、Jリーグはクラブのグッズはあるけど、このようにリーグのグッズはあまり見かけませんよね。このパーカーは¥7,800ではありますが、主張が胸のロゴだけ。
着用図はこんな感じときちんと提示してくれるのが良いですね。この人絶対バスケやってる人だ!他にも類似商品として
柄付きではあるものの主張がBだけというグッズも、クールなグッズは総じて主張が少ない所であったり、そのロゴがないとしても欲しくなるようなグッズが多い印象を受けますね。
こちらはややカジュアル寄り、アビスパだったら背中に大きく「AVISPA」と書いてあることがよくありますが、こちらは胸のBだけ。
最近の若い人は可処分所得がどんどんと減っているので、普通のグッズを買うにしても「普段使いができる」という所まで考えてあげることで、普段でも使えるし、スタジアムでも使えるというような理由で購入に行きつきやすくなるのかもしれませんね。
基本的にJリーグの観客は平均が40代を超えているので、売れる商品を作ろうとすると普段使いがキーワードにならなくても「スタジアム用だから」と割り切ることができるのかもしれませんが、そういった層ばかりに向けて商品を作り続けたとしても若者のグッツ購入に対する意欲は上がらないのではないかと予測することができますよね。
「どんな商品を作ろうが、完売すればいいっちゃないと?」という意見をよく見かけましたが、詳しくはこちらの記事を読んでみましょう。
キャッチーに染まってしまうことによって、短期的には利益がでるが長期的ではないよねという話がありますが、このジャージの件も似たようなことが言えると思います。このようなジャージは面白さや話題性から短期的には完売することでクラブの利益になるかもしれない。ただ、このジャージを着ている人がクラブを応援しているということが、クラブとしてのクールさを落としてしまうかもしれないという長期的な損失を被る可能性があるのです。
現状として、福岡市には150万人ほどの人がいながらスタジアムに来る人はたったの1万人にも及んでいない状況があります。それはどうしてか。サッカー観戦という娯楽に魅力を感じていない人が多いからでしょう。その魅力をどのようにして作り出していけばいいのかという所については、サポーターも含めて多くの人が考えていかなれけばならないと思っています。
最後になりますが、
馬鹿か変態しかいないのがアビスパ福岡サポーターなので、ブランディングは大成功です。