【AstonVilla】Sky Bet Championship vs.HULL CITY【MatchReview(Japanese)】
Hull City vs Aston Villa
Sky Bet Championship 7:45pm 6th Augst
KCOM Stadium
Result: Hull City 1-3 Aston Villa
英語が話せそうなタイトルにしてみたんですけど、残念ながら英語は一切分からないので、日本語でプレビューを書いていきたいと思います。
まずは、アストンヴィラはスカイベットチャンピオンシップの初戦をしっかりと勝利で収めることができました。その得点も、逆転弾を奪ったのが得るモハマディと、追加点を決めたのがアラン・ハットンと、前半でしっかりと頑張って走ってくれていた選手だったので、それが報われたようでよかったです。
ハルシティも非常に優れた選手もいましたし、展開や選手個人の質の部分でなんとかアストンヴィラの方が上だったというような試合展開でした。それでは試合情報に移ってみたいと思います。
【試合情報】
ーアストン・ヴィラ
こちらはアストン・ヴィラのスターティングメンバーです。
ヴィラはプレシーズンマッチから3バックシステムを練習していまして、3バックの前にウィーラン、そしてインサイドハーフにフリハンとグリーリッシュというような配置を採用していました。
今回もエルモハマディが右のウイングをして、アラン・ハットンがセンターバックの一角に入るのかと予想されましたが、なんと4バックでのスタート。エルモハマディは右のサイドハーフとしての起用、そしてアンカーにウィーランが入ります。
そして、アトレティコ・マドリードからローン加入したモレイラはまだベンチ外。スパーズ移籍の噂が本格味を帯びてきたグリーリッシュがスターティングメンバーです。
ーハル・シティ
こちらがハルシティのスターティングメンバーです。
ハルシティのスターティングメンバーは誰も知らなかったのですが、試合を見ていく中で、右サイドの背番号20ボーウェンは非常に強烈なインパクトを残していた選手でした。
それから右サイドバックのリチャイも勢いのあるオーバーラップ、インナーラップで右のサイドハーフであるボーウェンを手助けしていきます。その駆け上がる速度の速いこと。
どんな戦い方をしてきたかという部分につきましては、これから紹介してきたいと思います。
【前半】試合開始直後に試合は動いた、オープナーはエヴァンドロ
私のように今シーズンのチャンピオンシップの開幕を心待ちにしていたような人間にとっては、あまりに早すぎる失点でした。
アストンヴィラが4バックであるということが判明して、すぐにサッカーノートの修正にとりかかっていた時に、「それ」は起きました。
時間は7分、コーナーキックのこぼれ球に合わせたのは、ハル・シティの7番、トップ下のエヴァンドロでした。ふんわりと弧を描いてそのままゴールに吸い込まれるようにしてネットイン、ヴィラのディフェンダーであるエルフィクが追いかけますが、それも叶わず。ハル・シティが先制。
試合の落ち着く前の得点に僕も心底落ち込みますが、正直ノーチャンスのゴールだったので切り替えるしかないと思い、次のプレーに注目しました。
ハル・シティは、4-4でブロックを敷いて守るという、ロシアワールドカップでよく見かけたようなフォーメーションを採用してきました。大きな可変がある訳でもない古典的な布陣ですね。
そんなハルは、ブロックを敷いてボールを奪回すると、ポジティブトランジション時にはロングボールを軸に攻撃を組み立てていきます。これがまたイングランド感があって本当にたまりません。
それに対して、アストンヴィラは、かなり人に付いていくようにディフェンスをしていました。後ろはある程度ゾーンで守っているように見えるのですが、ハルの選手が引いてボールを受けようとするときは、そこに付いて行くこともしばしば。スティーブン・ブルース体制のヴィラの公式戦は初めて観戦することになったのですが、戦術家というよりもモチベーター的な要素があるみたいですね。
マントゥーマンで守るアストンヴィラは攻撃時には、サイドを中心に組み立てて行きます。注目は右サイド、攻撃に献身的なエルモハマディとアラン・ハットンのコンビ。前半は相当苦労していたように感じました。
ハル・シティが前線の数枚でヴィラのディフェンスのビルドアップに対してプレッシングをかけてくるシーンがありました。そういったときにボールが収まるのが、右サイドで安定感を見せていたアラン・ハットンでした。このハットンの所にボールが集まるので、必然的に攻撃は右サイドから行われていました。ヴィラの中盤はアンカーにウィーラン、インサイドハーフにグリーリッシュとフリハンの3枚。インサイドハーフのどちらも気の利くタイプではなく、横でのパスコースが無いので、詰まるとは分かっていながら、なんとか縦に突破を仕掛け続けていきます。
そして、奪うとハルはロングボールを主体に攻撃を組み立てていくのですが、そんな中で早い時間でヴィラもコーナーキックから完全にフリーになっていたエルフィックがコーナーキックからヘディングで同点へと追いつきます。それにしても、どうしてあんなにフリーになるんだというくらいフリーになっていました。
ハルシティはロングボールからのこぼれ球を上手く回収して、前線のコンビネーションからヴィラのCBの裏を狙うような良い崩しもあったりしながら攻撃を進めていきますが、ヴィラのGKスティアーも絶好調。その安定感を存分に見せつけます。
前半はかなり重心が低めだったハルシティ、しっかり引いてマントゥーマンに対応してくるヴィラに対して苦戦しますが、なんとかミドルシュートでチャンスを狙っていきます。
ヴィラもヴィラで、サイドから高い位置まで侵入できるものの、そこからの崩しの部分で中央の選手がなかなか関われないので、アーリークロスで中央に放り込むしかないという状況。ウィーランのように気の利くプレーヤーがもう一枚いれば良いのですが、さすがに彼に横のパスコース創出も求めてしまえばオーバータスクです。
また、前線のワントップを担当していたコジアは守備のタスクを免除されているようでしたが、そこからカウンターの起点となれるような動きは見られず。後半の途中から入ったヘップバーン=マーフィーの方が、積極的な仕掛けが見られたので、起用に関して見直すべきところもあるかもしれません。
前半は、ロングボールが軸のハルと、ドリブルとショートパスが軸のアストンヴィラという対立構造で終了。どちらも得点はセットプレーから、流れの中から得点の気配は前半からは感じず。後半を迎えていきます。
【後半】献身性が実を宿した、右サイドの愛すべきハゲ
本当に良かったです。ハゲとハゲかけがしっかりと試合を決めました。
ハーフタイムではどちらのチームも動かず、その意識をややテコ入れしてきました。ハルシティは、ロングボール主体の形からサイドを活かした攻撃へと、ヴィラはグリーリッシュをやや低めの位置に下ろすことで、キープレーヤーにボールを触らせようとします。
結果としては、どちらもそれがしっかりとハマったのですが、ヴィラの好調スティアーが壁として立ちはだかった結果の最終スコアだったように思います。
ヴィラとしては、ボールを持つとドリブルでチャンスメイクができるグリーリッシュがボールを持つ場面が増えます。それによって、ハルのサイドにやや余裕ができます。その余裕に付け込んだのが、ヴィラの右サイドコンビでした。
グリーリッシュが右サイドに流れてボールを受けてからカットインする流れを皮切りに、いままでは大外レーンからしか攻撃に参加できていなかったところを、ハーフスペースを使えるようになります。
ハーフスペースをドリブルで駆け上がると、同じような形でエルモハマディとハットンが立て続けにゲットゴール。このゴールが試合を決めました。
センターバックの2枚が効果的な縦パスが出せていなかった以上、ミドルサードの侵入方法が、サイドバックからとなっていた以上、サイドを効果的に活かせるようにグリーリッシュにボールを触らせたのは故意か否か。ただ、結果的にそれが勝利へと繋がったのではないかと思います。
ハルシティは右サイド攻撃が非常に優れていました。特に、多くの枚数が攻撃に関わりに行ったときは、得点になってもおかしくないような局面が多々ありました。やや絞ってプレーをしていた印象のあるボーウェンは縦にぶち抜くちからもありますし、カットインしてからハーフスペースで上手くボールを捌くこともできます。
前半の得点を挙げたトップ下のエヴァンドロが右サイドに関わる形なんて、あとは押し込むだけというチャンスを何度も作っていましたからね。ヴィラのディフェンスが根性で守り抜けたのは、これから続く長いシーズンの中でも非常にポジティブな要因だと思います。
このオープニングゲームでも登場しましたが、期待の若手のアンドレ・グリーンは守備に追われて攻撃に関わることができませんでしたが、守備に貢献的という意味で、グリーリッシュとは違う良さと捉えることにしましょう。
それから、ヴィラの課題面としては、コンビネーションで崩された時にかなり人に付くディフェンスをしているので、CBの裏をポンっと取られてしまうことです。人に付くディフェンスはつまり、相手にスペースを与えていることにもなりますからね。そこについてはシステム上仕方のないことかもしれませんが、スティアーがなんとかしれくれることを祈りましょう。
【まとめ】
アラン・ハットンのユニフォームを買おうかな(笑)