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差別発言で謝罪した高校生にエールを贈りたい。

今日の話題は、ガンバ大阪のパトリック選手がTwitterで黒人差別を受けた件です。

ええ。またそういう話題、です(笑) 別に差別問題の話をするのが好きってわけじゃないんですが(だって疲れますもん)、当事者意識とでも言いますか、どうも気になってしまうんですよね…。どうかお付き合いください。

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《詳細》人種差別投稿の高校生が謝罪…パトリックも理解、クラブ処分はなし (SoccerKing)
《考察》サッカーにおける差別事件の根底にあるもの -Jリーグ黒人選手への差別ツイートについて(清義明氏のブログ)


ガンバ大阪のパトリック選手に黒人差別発言をした高校生が、先日、学校も巻き込んでの謝罪に展開したそうですね。それを受けて、パトリック選手は既に高校生の謝意を受け入れる旨のコメントをしています。選手の意向も含め、もうこの件は、「学び」と「教訓」だけしっかり残して、収束でいいんじゃないかなぁと思います。(※編集中追記:12月2日時点で、高校生のTwitterアカウントは削除されたようです。)

でも私にもいくつか、高校生の彼に言って聞かせたい事があります。

私は今回、この高校生が特殊なわけではなく、同じ事態を引き起こしてしまいそうな人は、もっとたくさんいると思っています。彼を批判した人も、もしかしたら、他人事ではいられないかもしれません。3つほど書きます。

【1】「だれ」を、カジュアルに傷つけたのか。

高校生は今回の件を『自宅でテレビ観戦中に投稿した』と話していて、私もやっぱり、驚いたんですよね。応援チームが負けてムカついたからって、その場で、相手の選手本人に向かって「お前は黒人奴隷なんだからおとなしくしね」(原文ママ)とか書いちゃうの?うわぁ、カジュアル過ぎるー、って。

でも世の中、そうやってカジュアルに死ねとか侮辱語を口にする人、たくさんいますから。驚きはしたけど、不思議ではなかったんです。特にインターネットじゃ日常茶飯事っていうか、同レベルの差別発言でもなんだかんだ放置されてるの、たくさん見かけるじゃないですか。そういう「空気」に乗っかって、「あ、こういう事を言っちゃってもいいんだ」「ネット上なら、なぁなぁで許されるんだ」とか思っちゃう人が出てきても、「そりゃ出てきちゃうよね~」としか言えない環境が、確かにあります。

でも、そういう人達にもすこし、考えてみて欲しいんですよね。
自分が今、「だれ」を傷つけたのか。

高校生は『投稿を後悔し深く反省しています。パトリック選手やガンバ大阪に謝罪したいです』と話しています。「気軽」な発言が大ごとになってしまって、きっと混乱もしたのでしょうが、そこできちんと謝罪できるのは評価に値します。でもね、

君の発言が傷つけた範囲は「黒人」だから、もう、
本人とチームに謝ればいいってレベルじゃないからな!

差別発言は、同じ属性の全員を傷つけてしまいます。今回の場合、本人はもちろん、家族や友人、さらには「黒人の友人を持つ人達」とかまで全員を傷つけます。もしそれが自分に直接投げかけられた言葉じゃなかったとしても、大切な人達を傷つけられたと感じ、怒りが湧いてくるものです。

(もしかすると、経験が無いとピンとこないのかもしれませんが・・・
例えば自分の好きな女の子が外国人で、彼女が肌の色を理由にひどい事を言われていたら、一体どんな気持ちがするでしょう?)

・・・みんなに直接は謝れないにしても、反省をするのならせめて、「だれを傷つけたのか」はしっかり認識しておいて欲しいな、と思います。

【2】「許してもらえた」とか思うなよ!

パトリック選手は大人だし経験豊富だから、高校生の謝罪を、優しく受け入れてくれました。Twitterを見ていても、彼の優しさを賞賛するコメントがたくさんありました。でも、いくら彼が優しいからと言って「すんなり許してくれた」とは、誰にも思って欲しくありません

彼のように"差別される事がある"人々は、往々にして、その状況に”慣れて”しまっているものです。「世の中には、ひどい考えに取り憑かれてしまう人がいる」という事を、ある意味で諦めながら受け入れていたり、「いくら傷つけられても、相手に謝罪されたら、許さないと話が進まない」という事を、経験からわかっているものです。本当はハラワタ煮えくり返っていたとしても、それでも、「許す」んです。

差別をされた人が差別した人を「許す」のは、軽い気持ちではできません。それは例えば、妻を殺された人が犯人を許すようなものです。ごめん、反省してる。そう言われたからって、簡単に許せると思いますか?

だからこの高校生には、侮辱を書き込んだのと同じような軽い気持ちで「許してもらえた~~」とか、そんな風にだけは思わないで欲しい。と、そう思うんです。

【3】パトリック選手に「恩返し」をしよう!

何も、ずっと謝りつづけながら生きていけ、と言っているのではありません。ただ、愛する家族や大切な友人達まで傷つけられながら、それでも「許す」というのがどういう事か、そうやって許してくれた相手に自分が何をできるのか、一度は考えてみてもらいたいんです。

パトリック選手は、投稿したのが若い高校生だと聞いて、こうコメントしました

『ああいう問題が起こると悲しい気持ちになる。若い子だと聞いているので、これから彼にも上を向いてもらいたい』


「許してもらった恩」は、
「もう同じことをしない」ことでしか返せません。

差別をされた人が相手を許すのは、その為に、許すんです。
誰かにまた同じように傷ついて欲しくないと思うから、
自分の受けた傷がせめて、相手の教材になればと願って、許すんです。

高校生が、今回のことで変にヒネくれてしまうのではなく、パトリック選手の言うように『上を向いて』明るくまっすぐ、誰かをカジュアルに傷つけたりしない優しい人間に成長していってくれたらいいな。

いや、きっと大丈夫だろう。そう、切に信じています。

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※今回の購入先オマケ記事は、私が最近気になってる、差別発言の「カジュアルさ」に関する話を少し。別記事にしようか悩んでる話題をとりあえず書きつけておきます。笑
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