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篠山紀信さんが亡くなった

写真家、篠山紀信さんが亡くなった。83歳だった。

篠山さんは、以前勤めていた撮影スタジオに来てくれたことはあったものの、アシスタントさんとスタジオマンがセットを組んだ後、さっと来て撮ってすぐ帰る印象だった。
お姿は見たことがないけれど、その時は30年前だからまだ50代。
今の私と同じくらいだと思うと、改めてすごいと思う。その時、すでに巨匠のような雰囲気だったから。SNSでは、サンタフェの写真は児童ポルノすれすれとか、性的搾取と言われていることにびっくり。私にはひたすら眩しかった。
芸術なのか否かも関係なく、今、輝いている人を最高の状態で閉じ込めた写真だと思ったから。裏側はどうなのかはわからない。

篠山さんの写真の中でもBRUTUSで連載していた「人間関係」シリーズが好きだった。親子や兄弟もあれば、他人、たまたま共演した二人など、今から思うとあっと驚くペアもあった。単なるポートレートではなく、背景にあるドラマを想像できるような舞台装置や仕掛けも面白かった。

今、SNSで様々な人が「篠山さんに撮ってもらった私」の写真をUPしていて、眼福だ。貴重なものを見せていただいている気分。
それ以前からのアイドルや女優、有名なジョン&ヨーコの写真を含めると膨大な数の「時代の顔」を撮ってきた人ではないのだろうか。
それも半世紀以上。日本でこれ以上クオリティの高い写真を量産してきた人はいないと思う。「量産」と言うと良いイメージはないけれど、圧倒的な量はそれだけでパワーであり、才能だ。サンタフェの件以外にも、女優を脱がせてどうこうしようとしたんじゃないか、のツイートがあったけど、そんな暇なかったんじゃないかな。

今と違ってフィルムの時代は、それこそフィルム選びから始まって、緻密なライティングを組んで構図を決め、撮影した後は現像所で現像してと、手数が非常に多かった。女優やモデルと遊んでいる暇ないと思う。

今、これほど旬な人ばかり撮っている人はいるのかな?蜷川実花さんがそうなのだろうか?もしくはレスリー・キー?

https://x.com/kyoncy2010/status/1743062565842985379?s=20


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