[ファイティングマン]プロレスを観た後、King Gnu東京ドームライブを観たら、記憶の蓋が開いた
後楽園ホールでプロレスを観たあと、友人とKing Gnuのライブを東京ドームで観た。ライブのチケットを取った時はプロレスを観る予定はなかったんだけど、新年に初めてプロレスを観て以来はまってしまい、今年3度目の観戦。
推しはDDTプロレスの納谷幸男選手。新年3日のトーナメント戦で優勝し、その姿を見たときから応援してる。
今日は残念ながら負けてしまった。でも本当に激戦で最後まで勝つと思っていた。
勝負がついてから、もうそこにいられなくなって後楽園ホールの落書きだらけの階段を降りていたら、不思議な気持ちになった。私はずっと前にもこの光景を見た気がする。
それがいつなんだろう?と思い出せないまま、東京ドームへ。ライブの一曲目はSPECIALZだった。この曲は本当に格闘技に合う。一気にテンションが上がって爆音の中に没入していたら、ふと思い出した。
そうだ、後楽園ホールには、ずっと前にボクシングを観に行っていたんだ。あの座席、あの光景も見覚えがある。まだアシスタントの頃、駆け出しのカメラマン仲間にプロボクサーがいて、その人にチケットを貰って何度か観にいったんだ。
負けている姿しか見たことがなく、私が応援に行くと逆に負けてしまうのではと思ったほどだった。その後、怪我がもとで網膜剥離になり片目を失明。
ボクシングもカメラマンも辞めたらしく、連絡も取れなくなった。
自ら命を絶ったらしいと聞いたのは、しばらく経ってからだった。
あまりにも悲しいことだったから、後楽園ホールに応援に行った記憶は頭の中に封印していたんだ。だからかも知れないけれど、後楽園ホールの空気は、ロビーからして何だか重いものを感じてた。
King Gnuの曲を爆音で聴きながら、降るように音を浴びながら、レーザーの光が明滅する中で、地獄の釜の蓋が開いたかのように、その時の記憶がぶわーっと蘇ってきた。
私は彼のことが好きだったのかな。チケットをくれたということは、彼は私をどう思っていたのかな。もう30年近く前だから名前も顔も思い出せないけど、あまり器用には生きられない人みたいだったことだけは覚えてる。
泣きそうになったそのとき、King Gnuの「飛行艇」が演奏された。
大空を飛び回って 命揺らせ 命揺らせ。
短いけれど苛烈に生きた彼の命、まだ生きてる自分のこと、ドームの観客5万人の命、そんなエネルギーが渦巻いているようで胸が熱くなった。
そっか、それ以来、闘う男を推すのはやめようと思っていたんだ。
30年後に封印が解かれるとは思わなんだ。
家に帰ってクールダウンするためにKing Gnu以外の曲を聴こうと、シャッフルで音楽をかけたら一曲目がエレカシの「ファイティングマン」だった。
どこまで闘う男が好きなんだろう。
それにしてもファイティングマンはいい歌詞だ。
自信を全て失っても、誰かがお前を待ってる oh yeah
お前の力必要さ 俺を俺を力づけろよ
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