愛玩動物看護師国家試験対策 問題150 解答と解説

正解5

慢性腎疾患の動物では、腎機能の低下により、さまざまな症状がみられる。
慢性腎臓病は不可逆的な疾患であるが、適切な食事管理を行うことにより臨床症状の緩和と延命効果が明らかになっている。

・水:尿量を維持することが大切。常に新鮮な水を摂取できるようにする。フードをウェットフードに変える、ドライフードをふやかすなども効果がある。

・蛋白質:蛋白質の代謝によってできる窒素化合物が排泄できず、体内にとどまることで尿毒症が起こる(内因性蛋白質の異化作用により生じた老廃物の蓄積と、過剰な食事性蛋白質由来の窒素化合物による)。そのため、食事中の蛋白質量を減らし、体の維持に必要なエネルギーは良質な炭水化物から補給するようにする。症状が初期の場合は、食事性蛋白質の過剰摂取を避け(低蛋白食でなく)、十分エネルギーを与えることで異化される内因性蛋白質を減らす。

・リン(P):体内にリンが貯留すると、高リン血症を起こし、それがカルシウムと結合することにより低カルシウム血症が起こる。この状態が続くと、腎性二次性上皮小体亢進症が発生する。このため、食事中のリンを制限し、カルシウムを添加する。

・ナトリウムNa:ナトリウムの糸球体濾過量が低下するため、ナトリウムが体内に貯留して、細胞外液量が増加し、高血圧、体液過剰、浮腫などが発生する。そのため食事中のナトリウム量を制限する必要がある。

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