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ヤバいのはパンクじゃなくて

こんばんなまらステ💚🧡💙Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨

昨日、札幌市営地下鉄のタイヤがパンクして運休したことで、札幌市民でも初めて札幌市営地下鉄がゴムタイヤで動いてることを知った人もいるんじゃないかと思う。

ゴムタイヤで動く地下鉄というとパリメトロが有名かつ元祖だけど、パリメトロはレールが敷いてあり鉄輪とゴムタイヤを併用している。

1998年に開業した14号線は全線がレール・ゴムタイヤ併用だけど、戦前からある13路線のうちゴムタイヤを用いるのは4路線のうち一部区間ずつにすぎない。したがってこの路線を走る電車はゴムタイヤを出したり引っ込めたりしている。

ゴムタイヤを併用している理由としては急勾配の登り降りに適していたり、騒音の低減に繋がっているからで、そーいえば本業はタイヤ屋さんだったミシュランが開発に携わっている。

フランス国内のリヨン、キャナダのフランス語圏であるモントリオール、パリメトロが全面協力したメキシコシティといったところでこの方式が採用されており、札幌市もこれに目をつけた。

最初の地下鉄である南北線を建設する際、南端では建設費を節減するために旧定山渓鉄道(札幌市街と定山渓温泉を結んでいた東急系の私鉄。現在のじょうてつバス)の廃線跡地に高架線を建設することにしたのだけども、

このとき地下から高架への高低差をできるだけ短い距離で攀じ登りたいと考えた。

今は都営地下鉄大江戸線をはじめ急勾配を登り降りするのに適したリニア式地下鉄というものがあるけど、半世紀以上前には実現しておらず、パリのシステムが最適と考えたわけ。

だけども、札幌市はパリに教えを乞うたり、そっくり真似しようとは思わなかった。

レールとゴムタイヤを併用すれば、その両方のメンテナンスが必要になる。

欲しいのはゴムタイヤだけなので、じゃあレールなんかやめちゃえばいい。

時に1960年代後半、日本は既に先進国ではあったけれど、まだまだ欧米が模範だった時代。

当時まだ80万人しかおらず雪が積もる札幌が、東名阪の次に福岡を出し抜いて先に地下鉄を開業させた先進性は雪が積もらないように高架線をシェルターに張り巡らせたことも含めて、素晴らしい。

札幌が戦後の日本で最も発展した都市だと思うけれど、それはこうした先進性を持った人達によってのこと。

札幌ドームを野球・サッカー併用にしたところまでその精神は残ってたと思うけども、そこの硬直した運営で北海道日本ハムファイターズから愛想をつかされ、頼みの綱だった札幌オリンピック再誘致は頓挫、いまの札幌市政にもう輝きはない。

さて、ゴムタイヤを使えば当然パンクのリスクがある。

パリ方式なら、タイヤがパンクしても一旦鉄輪で車庫まで自走できる。

ではレールのない札幌ではどーするか。

今回パンクした南北線はタイヤをNiziU、いや二重にすることで片方がパンクしても車庫まで自走できるようにしている。

なんとも単純な解決策だけど、定期的に交換するタイヤ代は単純に倍増してしまう。

あと同じ障害物にぶつけるなどして両方パンクしたらどーすんねん、って話にもなる。

そこで後年開業させた東西線ではシングルタイヤにする代わりに、金属の補助輪をつけてパンク時に自走できるようにした。

あと南北線は樹脂の上を走ってて時折交換しなきゃいけないんだけど、東西線は鋼板なのでより頑丈だったり、その他集電のやり方などかなり大きく変えている。

そのため南北線と東西線には互換性がなく、ランニングコストを押し上げているけれど、長い目で見て改良させた方がいいという判断なのだろう。その後開業した東豊線は東西線規格で造られている。

東西線や東豊線は南北線ほどの急勾配もないし、南北線は高架区間での騒音軽減という命題もあるけどそれもないし、別にゴムタイヤ式にする必要はなかったのかもしれないけど、そこは何というか独自の技術に酔っている気がする。

その割には日本国内もそーだし、世界中にこの方式を売り込むつもりもないっていうのがね。

ちなみにゆりかもめをはじめとしたゴムタイヤで走る新交通システムはまた違ったシステム。そのなかで広島のアストラムラインは都心部で地下区間があり、広島の地下鉄と呼ばれることもあったりするけれど。

札幌市営地下鉄とJR北海道の鉄道路線の直通運行が議論された時期もあるけれど、これはその気になればできるという結論にはなっている。元ネタがパリメトロなので、地下鉄のなかでは鉄輪をしまって、JRでは逆にゴムタイヤをしまえばいいわけで。

ただ、わざわざそれをするメリットがあるのかといえばないのかな。

それよりも南北線を花川と藤野、東豊線を茨戸と大曲に延ばした方がいいでしょ。東西線はもういいかなぁ。

北海道日本ハムファイターズの移転を巡っては、札幌市は手稲稲積公園にスタジアムを建設して東西線を手稲稲積公園まで延ばすという案を開陳していたわけだから、そのための費用を出す気はあったんだし、札幌オリンピックだって実際やったらどんだけ金使ったのか。

それだったら雪の日でも安心して家に帰れる手段を整備してもらいたいもの。

そんななかで今回のパンクはポイント故障だということ。

既に老朽化のために使用を停止していたとのことだけど、一番古い南北線でこーゆーことが起きるってことは、経年劣化が激しいんだろうなと。

もちろん、これを受けて札幌市は全線のそれを点検するだろうけど、今後は頻繁にこのようなことが起きることを覚悟しないといけないかもしれない。

折しも北海道は道外と比較してもバスドライヴァー不足が深刻で、既に札幌市内のバスは大減便している。郊外から都心へ直通していた系統が地下鉄駅発着に切り替えられているのが大きな特徴で、その地下鉄がコケてしまえば元も子もない。

札幌ドームの運営についても迷走している札幌市だけど、色んな意味でここからが正念場かもしれない。

それじゃあバイバイなまらステ💚🧡💙厚沢部煮切でしたっ✨


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