自動物流道🆚鉄道貨物
こんばんなまらステ🤎Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨
国交省から出てきた自動物流道構想。
高速道路の空きスペースに小口の荷物を自動で運ぶレーンを設定して、トラックの長距離輸送を抑制しようという考えで、スイスでも同様の構想がある。スイスの場合は地下だけどね。
昔のSFにはこんな感じで街の中を荷物が流れるシーンが描かれたりする。
これに対して全否定する意見も。
鉄道貨物の強化の方が効率的なんじゃないのかって。
実は今回の自動物流道構想と鉄道貨物の強化論はきょうだい関係にある。
2010年前後には東海道物流新幹線構想というのがあり、国家レヴェルで割と真剣に語られたんだよ。
新東名・新名神の余剰スペースに貨物鉄道新線を引くというもので、当時は高速道路のうち暫定4車線で敷かれた区間があったためにそんな話になったけど、結局は6車線化に落ち着いた。
物流新幹線とはいうものの、1,435㎜のスタンダードゲージで敷かれる新幹線とは異なり、在来線と同じ1,067㎜のケープゲージで敷かれるとされており、在来線との互換性を持ったものだった。
実は戦前の弾丸列車計画も貨物列車を走らせる予定だったし、東海道新幹線も貨物列車を走らせる予定でスタートした。ただし、世界銀行から融資を受けるための方便で、本気ではなかったともされるけど。
だからある意味では先祖返りの構想。
この時点では夢物語で終わった物流新幹線だけども、皮肉にもこの後からトラックドライヴァーの不足や環境負荷の観点から少しずつモーダルシフトが言われ始め、そしてパンデミックで旅客需要が取れなくなるとJR各社はこぞって新幹線で小型配送を始め出す。
そしてJR東日本とJR貨物が組んで貨物用の新幹線を本気で考え始めた。
従前から両社によるトレインオントレインという新幹線の車両のなかにすっぽりと貨物列車を入れる構想もあったけれど、これは貨物重視ではなく、青函トンネルにおいて貨物列車が新幹線の高速運転の邪魔になるため考えられていたもので、むしろ貨物軽視から生まれたもの。
インバウンドを除けば、旅客のこれ以上の伸びは見込めないなかで、JR各社が少しずつ貨物に惹かれていっているのは間違いない。
そんななかで貨物列車はとくに東京ー大阪間で、いま以上に増やせるのか。
答えはイエス、バット… かな。
まず東京側は小田原まで貨物専用線があり、多少特急湘南や相鉄・JR直通線、南武支線にリソースを明け渡しているものの、増発はそんなに難しくない。
大阪側も草津ー西明石間に長大な複々線がある。
名古屋では名古屋ー稲沢間は複々線化され、旅客と貨物の分離が行なわれているけども、当初計画されていた大府ー名古屋間は大半が完成するも実現しなかった。そして現状を鑑みると複々線化が必要なのはむしろ名古屋駅以南であると感じる。
小田原ー名古屋、稲沢ー草津間でも増発は可能だけども、静岡や名古屋では旅客列車の本数も多く、貨物列車を増発した場合は円滑な運行に支障をきたしかねない。
東海道物流新幹線が構想されたのはこういう状況があるからなわけで。
もう新東名・新名神の上に鉄道を通すのは現実的ではないからこそ、自動物流道という話になってるわけよ。
輸送力は圧倒的に貨物列車の方がある。しかし微々たる増発はできても、ガチ増発は難しい。
そこで最小限のコストで済むよう、ふたつのことを考えてみたい。
まず御殿場線を複線化する。
御殿場線は当初の東海道線であり、戦時中に資材拠出のため単線化された経緯があるため、用地自体はあるからね。
実際に東海道物流新幹線ができていたとして、その起点は御殿場JCTに近い御殿場線の南御殿場あたりになり、国府津ー南御殿場間は御殿場線の複線化で対応したと思われるので、一部実現と見てもいい。
沼津からは市街地びっしりで、複々線にできそうなところもない。天下の東海道線だけに追い越しできる駅が多く、これをフルに使ってなるべく旅客に迷惑をかけないようにやるしかない。
掛川からは天竜浜名湖鉄道を複線電化することで、東海道線のほか遠鉄との直通運転も可能になり、沿線の活性化にも寄与する。
新所原から大府までは再び東海道線上を走ることになるけども、静岡県内と比較して愛知県内の方が人口密度が薄く、ところどころ複々線化ないし片方だけでも追い越しレーンを設けられる。
大府から名古屋までは放棄された複々線化を実現させ、稲沢から米原までも大府までと似たような状況。
米原からは近江鉄道を複線化、貴生川からは草津線を複線化して草津の複々線に辿り着くようにする。
新名神上に物流新幹線が走っても寺庄からは草津線複線化で対応したと思われるので、ここも一部実現という感じ。
こーやってみるとボトルネックは沼津ー掛川間。新東名同様、内陸側に市街地を避けた新線を建設するとしたらここだろうけどね。
もーひとつの案として中央線・関西線の活用を挙げておきたい。
前提としてリニアが開通して、特急あずさ、特急しなのが走らなくなる世界線が求められる。そのためには飯田線の高速化も必要。
そして武蔵野線が合流する国立から立川までの複々線化は必須。
そのうえで茅野ー岡谷間は諏訪湖の南を通って複線化、塩尻から先も複線化させる。
そして城北線経由で関西線に入り、もちろん全部複線、亀山から先は電化も必要。そして草津線に入る。
こちらのルートはいくら特急がなくなっても、大月以東や名古屋近郊ではまだまだ輸送逼迫が続くため、サブにしかなりえない。それでも貨物ルートを二重系化する効果は大きい。
ここまで書いてきたことの費用は道路予算から回すべき。
そもそも道路予算を鉄道の維持発展に回すべきだと思うけれど反発も大きく、少なくとも旅客列車の維持発展に道路予算を回す社会的合意は取れてるとはいえない。
でも貨物輸送の維持発展に道路予算を使うことについては合意が得られやすいんじゃないかな。
もしかすると自動物流道は道路予算を使える方法として、鉄道から切り替えられた可能性がある。
自動物流道はロットが小さく、幹線輸送には適さないと思う反面、鉄道のローカル線を置き換えてみてはどうかと思う。
例えば芸備線みたいな輸送量は少ないけど、ネットワークにはなっている路線を自動物流道に変えてしまい、一部数名が乗れる旅客用ポッドも用意するとかさ。
まあ新東名などに自動物流道を併設すること自体はやればいいと思うけど、幹線での物流大量輸送は鉄道や海運の出番だということかな。
それじゃあバイバイなまらステ🤎厚沢部煮切でしたっ✨