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国民でないと海外旅行に行けない世界
こんばんなまらステ🩶Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨
WANTEDポスターで若い頃の顔が国民の脳裏に焼き付けられていた極左テロリストを名乗る老人が、公安警察のヒアリングの最中に死亡した話。
ちなみにこの病院は自分もお世話になったことがあるし、友人の見舞いにも行った。地元で一番大きな病院だからさ。
最初は他人の保険証を借りて入院していたんじゃないか、国に反逆したくせに国の医療保険に頼るとかとんでもない、という噂が出れば、
保険証を持たず自費診療だったという報道が出て、
ものすごく簡素な家に住んでいたため、こんなの拘留と何も変わらず、それなら死者が出ていない以上自首してたらとっくにシャバに出て左翼のヒーローになっていたかも、という話が出れば、
近所のBARを呑み歩き、歌い踊る楽しい生活もあった、と報道される。
警察もSNSを非常によくチェックしてるよなぁ。そして小出しにリークしてるわけ。
整形している以上、そこに協力者はいたはずだけど(高須クリニック氏でもセルフ整形は不可能だろう)、その他諸々逃亡のスタートアップをしたあとは、多分なんとか戦線をはじめ協力者はいなかった、というか一切の関係を絶ったのではないかと。
それまでの家族、親族、友人、知人はすべて切り捨て、何よりも国家との関係を絶った。
恋仲になりそうだった女性もいたけれど、見事に初期消火した。
逃亡犯って結構恋愛してるものらしいけど(昔TVでそんなアンケート見たことがある)、深い仲になってしまっては危ないからね。
職場や酒場で緩い人間関係はあったにしても、線引きをしっかりしていたのだろう。
要するに名前と顔を変えた彼はもう国民ではないわけだ。
国民ではなくても社会の端っこである程度生きてこられたということは、人間社会のあり方を考えるうえで興味深い話ではある。
我々は国民であるからこそ、様々なものを享受している。その代わり、人生を国家に管理されもする。
我々も擬似的に非国民を体感することがある。
身分証の入った財布を落としたり盗まれたりすると、生活がだいぶ不自由にならないだろうか。
市民権の完全な復旧って1ヶ月くらい要するよね。
その期間がすごくしんどいのは、国民であることのメリットに依存して生きているから。
彼のように社宅に住んでいなければ、家に住むのも身分証が必要。それがないから家に住めない人が少なくない。
何をするんだって国民じゃなければ享受できないものがたくさんある。外国人は他国の国民だから、日本に来ても準ずるサーヴィスを受けられる。日本人が外国へ行ってもね。
そもそも、今の国際社会は国民でなければ国を出ることがほぼできないんだよ。難民の存在はもちろんあるけれど。
でも、昔は違った。
むしろ権力の支配下にいない人々の方が、色々な場所を行き来していた。
歴史家の網野善彦が提示した海民とかさ。
自分はずっと、すべての人が世界中を自由に旅できる世界をつくる、ことを目標に掲げてきているけれど、そのとき国民国家という存在をどう考えるかというのは極めて難しい。
ないわけにはいかないだろう。
それこそ極左テロリストが自由に逃げ切ってしまえる社会がいいわけないよ。
だいたい国民国家及び国民国家同士の安定的な外交があるから海外に渡航できるという前提を忘れちゃいけない。
でも、例えばインドとキャナダがスィク教徒のことで揉めているからといって、キャナダ人にインドVISAを発給しない、とかさ。そーゆーのって自由な旅とは真逆でしょ。
国民国家の恩恵に感謝し、それに伴う義務も当然果たす。けれど、そこに生じる矛盾にも目を背けず、脱構築を模索する。
そんなスタンスが必要かなぁと。
安定的な社会を志向しながらも、海民的な存在が社会を緩やかに変革させて行けるようなシステムをデザインしていければなと。
それじゃあバイバイなまらステ🩶厚沢部煮切でしたっ✨