小田急の路線バスは独立部隊
こんばんナマステ❤️Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️
この記事を見て思ったのは小田急バスと東急バスの性格の違い。
一般的に私鉄系のバスは、親会社の沿線の手足になって動くもので、私鉄沿線ビジネス自体が阪急の小林一三、東急の五島慶太、西武の堤康次郎によってモデルが確立されたといっていい。
ブルーラインの延伸予定区間でいうと、あざみ野の次の駅はあざみ野ガーデンズ、その次はすすき野とうきゅうという東急グループの商業施設の付近に設置される予定なので東急の牙城だけど、川崎市内に入ると東急の勢力圏ではなくなってしまう。
川崎市側の虹ヶ丘に東急バスの営業所があるけれども、そのほとんどが横浜市側の東急圏に向けての路線で、川崎市側に勢力を拡げるつもりがあまりないことがわかる。
https://www.tokyubus.co.jp/route/routemap/pdf/11_nijigaoka.pdf
そして今回は新百合ヶ丘、柿生への路線から撤退することでますます東急沿線に密着するものになる。
東急にしてみれば、川崎市内のバス停から東急バスに乗って新百合ヶ丘や柿生へ向かい小田急電車に乗り換え、東急系の商業施設でお金を落とさない人は東急グループに与えるシナジーが低いのでプライオリティが低い。
一方で小田急バスは昨年、町田営業所を新百合ヶ丘営業所に移転させて、ここを拠点に勢力を拡げたいと考えている。
小田急バスにとって、別にその人があざみ野や市が尾に向かって田園都市線に乗り、小田急ストアなどにお金を落とす人でなくても構わない。小田急バスさえ利用してくれて小田急バスが稼げればそれでいい。
なぜかというと、小田急バスは元々小田急電車の手足となるために生まれたバス会社ではなく、調布を拠点とする武蔵野乗合自動車というバス会社を小田急が買収したものだから。
今でこそ小田急沿線にもたくさん路線を持っているけれど、本拠地は京王エリアにあたる調布。
したがって小田急の手足になって動くつもりがあんまりなく、その代わり自社での採算性には厳しい。
ということで東急バスと小田急バスの思惑が一致した結果としての路線譲渡になった。
とはいうものの、小田急バスは逆に渋谷ー成城学園前間からは撤退して東急バスに任せる。
まずバーター取引であるということと、この路線のうち渋谷ー三軒茶屋ー上町は東急沿線、さらに農大前付近も渋谷志向が強い。このルートのうち渋谷ー三軒茶屋間は大山街道、三軒茶屋からは津久井街道を通っていて、江戸時代から渋谷に向かう動線がある。
そしてこの路線は小田急バス狛江営業所の管轄なので、地味に離れていて回送距離が長い。三軒茶屋に近い若林営業所に移管する手もなかったわけじゃないけど、そこは小田急直営の小田急ハイウェイバスに委託しているのでちょっと毛色が違う。
小田急バスとしても、手放す代わりに新百合ヶ丘営業所を強化した方がありがたいんじゃないかな。
小田急は東急や西武など他の私鉄と比較すると後発の鉄道会社なので、既存の大きな街道沿いに線路を敷設することができなかった。喜多見ー町田は前述の津久井街道、海老名ー新松田は大山街道(矢倉沢往還)に沿っているけど、あとは元々の動線じゃないところを繋いでいる。
後発なので自前のバス路線を鉄道のフィーダーとして設定することもできず、小田急グループの路線バス会社には小田急バス、小田急ハイウェイバスのほか、立川バス、神奈川中央交通、江ノ電バス、箱根登山バス、東海自動車があるけれど、これらはすべて買収だったり戦時中の統合の名残りで小田急傘下に加わったもの。
このなかで立川バスと東海自動車以外は小田急沿線を発着するけども、小田急バスと神奈中バスは独立気概が強く、
江ノ電バスと箱根登山バスは小田急傘下になった江ノ電と箱根登山鉄道の連れ子なので、小田急というより江ノ電や登山電車の手足であって小田急のために動こうとはしない。まあ登山電車の方は小田急と一体化が進んでるけどね。
ということで小田急の各駅にどの会社の路線バスが発着しているかを見てみる。(今回決まった撤退は反映済)
🔵小田急バス、🟣小田急ハイウェイバス、🟡神奈中バス、🟢江ノ電バス、🔴箱根登山バス、🟠他私鉄系、⚫️公営、🟤独立系 ※コミュニティバスは除外、神奈川中央交通東などの分社化は親会社に含める
新宿 🔵⚫️🟠🟠🟤
南新宿
参宮橋 🟠
代々木八幡 ⚫️🟠
代々木上原 🟠
東北沢 🟠
下北沢 🟣
世田谷代田
梅ヶ丘 🟣🟠
豪徳寺
経堂 🟣🟠
千歳船橋 🔵🟣🟠🟠
祖師ヶ谷大蔵 🟠
成城学園前 🔵🟠
喜多見 🔵
狛江 🔵🟠
和泉多摩川 🔵
登戸 🟡⚫️
向ヶ丘遊園 🔵🟡⚫️🟠
生田 🔵🟡⚫️
読売ランド前 🔵🟡
百合ヶ丘 🔵🟡
新百合ヶ丘 🔵⚫️
柿生 🔵🟡⚫️🟠
鶴川 🔵🟡
玉川学園前 🟡
町田 🟡
相模大野 🟡
小田急相模原 🟡
相武台前 🟡
座間 🟡
海老名 🟡🟠
厚木
本厚木 🟡
愛甲石田 🟡
伊勢原 🟡
鶴巻温泉 🟡
東海大学前 🟡
秦野 🟡
渋沢 🟡
新松田 🔴🟠
開成 🔴
栢山 🔴🟠
富水 🔴
螢田
足柄
小田原 🔴🟠🟠
五月台
栗平 🔵
黒川
小田急永山 🟡🟠
小田急多摩センター 🟡🟠
唐木田 🟠
東林間
中央林間
南林間
鶴間 🟡
大和 🟡🟠
桜ヶ丘 🟡
高座渋谷 🟡
長後 🟡
湘南台 🟡
六会日大前 🟡
善行 🟡
藤沢本町 🟡
藤沢 🟡🟢
本鵠沼
鵠沼海岸
片瀬江ノ島
川崎市内で小田急バスと神奈中バスが混在してるけど、現実には神奈中バスの本数は僅少。したがって小田急バス・神奈中バス・箱根登山バスの棲み分けはかなり明確。
新宿近くや多摩ニュータウンでは京王バスの方が勢力が強く、世田谷西部・川崎市内では東急バスと混在、小田原に近づくと富士急湘南バスが登場する。
相鉄バスは相鉄との乗り換え駅である海老名と大和で登場するけれど小田急の駅前には入ってこない。昔はもう少し乗り入れていたんだけど神奈中バスに譲っている。相鉄の筆頭株主は小田急なので、やはり棲み分けている感じ。
神奈中バスは川崎、三浦半島、足柄以外の神奈川県では大概見かけ、大半の神奈川県民にとっては小田急よりも存在感が強い。
私鉄グループの鉄の結束と呼べるバス路線網とは違う綿の結束が小田急グループの強みでも弱みでもあり、とくに小田急バスと神奈中バスという小田急のゾーンに囚われないマインドの持ち主が小田急グループの存在を大きくしているといえる。
これからも目が離せない存在❗️
それじゃあバイバイナマステ💙暑寒煮切でしたっ✨
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