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石狩市にZipparはやめとけって

こんばんナマステ🤍Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ✨

札幌のハーフェン(外港)にして衛星都市でもある石狩市は、札幌近郊の市制としては唯一鉄道が通っておらず、長年にわたりその構想を打ち出し続けてきた。

とくに冬場の積雪で激しい渋滞あるいは道路自体が不通になることもあり、バス交通に対して大きな不満が渦巻き続けている。

長年検討されてきたのは札幌と石狩市を結ぶモノレールだったけれど、どうしても採算に乗らず常に絵にかいた餅であり続けた。

そんな石狩市が近年打ち出しているのはロープウェイで、コストが安く、スキー場で使われているのだから雪にも強い。

さらに石狩新港でバイオマス発電を行ない、それを札幌市内に送電することで稼ぎを増やそうともしている。

電鉄会社の草創期を髣髴とさせる話でもあるし、いいアイディアだとは思ったけれど、その後の雲行きが微妙なんだよね。

というのは現在石狩市が検討しているのは都市型自走式ロープウェイというもので、これは交通ヴェンチャーのZip Infrastructure株式会社が研究開発しているZipparが該当するし、それを指しているとみられる。

国内外で引き合いが来ている期待の乗り物だけに石狩市も飛びついていると思うんだけど、この案件についてはZipparじゃない方がいいと考えている。

予め言っておけば、自分自身はZippar信者だと思うし、上野動物園の新交通コンペでZipparが落選したことに対して東京都の先見の明の無さに怒りを抱いてもいる。

でも石狩市ではやめとけ、って思うの。

そもそもZipparってなに❓って話から。

ロープウェイは本来はロープを引っ張ることで動くもので、ゴンドラ自体は自走しない。

紀元前には谷底を回避して山から山へ移動するシステムとして始まっていたというから、車や鉄道とは比にならない歴史を持つ。

基本的には観光地やスキー場などに用いられることが多いのだけど、ボリビアの首都ラパスをはじめ中南米ではこれを都市交通として採用しているところがあり、日本でもにわかに注目されはじめてきている。

しかしながらこのシステムには根本的な欠点があって、支柱がないと曲がったり分岐したりできず、ゴンドラを増やしたり減らしたりして輸送力を調整することもできない。

多くの都市で都市交通として用いるのに二の足を踏んでいるのはこのため。

そこでロープを引っ張るのではなく、ロープを伝ってゴンドラが自走できるようにすればいいんじゃないか。

アメリカ・オレゴン州、そして高知でそのようなものが実用化されたけれど、いずれも短命で終わった。

ちなみに『ファイナルファンタジーⅦ』の都市ミッドガルには自走式モノレールと思われるものが走っている。

これとは別に自走ではないけれど、ロープをレールで覆うことで自由にルートを造れるスカイレールというものが広島で実用化したけれど、昨年惜しまれながら廃止されてしまった。

Zipparはこの2つが合流した乗り物といえ、基本的にロープを伝って自走していくけれど、曲線や分岐のときのみレールでロープを覆うことでそれを可能にしている。

したがってZipparが実用化されれば、比較的安価に都市の空中に路線網が形成できる。

ただこれを石狩市に導入するのは少し違うかなと。

やるならば既存のロープを引っ張るモノレールの方がいい。

なぜかというと、まず石狩市から札幌市へ向かう道路はほとんど直線主体で、自由に曲がれるというZipparの特性があまり活かされない。

次にロープに雪が乗ったり凍結したら自走自体が可能なのか。また、ロープを走る車輪に雪が詰まりそうな気がする。

札幌市内にZipparのネットワークを張り巡らせるのであれば、石狩にもZipparを入れた方がいいけれど、現時点で考えられている石狩市から札幌市への移動という点から鑑みて課題が多い。

Zipparを実用化すること自体まだまだ壁があるのに、それとは別の課題もクリアしないといけないというのは大変だよ。

通常のロープウェイで石狩市と札幌市をなる早で結んでほしいと思う。

それじゃあバイバイナマステ🤍暑寒煮切でしたっ✨


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