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アクセシブルツーリズムをインプットするよ✨⑧見えない世界は旅の原点かもしれない

こんばんナマステ💙Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

1月23日に開催された東京都産業労働局主催「アクセシブル・ツーリズム推進シンポジウム」をインプットしていくシリーズ第8弾。

今回が最終回🌀

前回までの記事はこちら。

アーカイヴ動画は2月28日をもって視聴できなくなっているので注意。この記事は2月中に視聴して書き溜めたもの。

今回は、ミニセミナー「見えない世界のおもしろさ」について見ていきたいと思う。

講師は落合啓士氏。

元ブラインドサッカー日本代表キャプテン
ONE CLIP所属タレント

今までで一番明快な肩書きだし、早速話を聴いてみようじゃないかと。

落合「私は目が見えないのでプレゼン資料はなくマイク一本で喋っていく。是非メモを取る以外は目を閉じて傾聴していただければ。

難病指定されている網膜色素変性症を10歳で発症、夜だけ見えなくなる夜盲症から始まり18歳で完全に目が見えなくなった。まだしょうがい者差別が露骨な時代だから極力目が見えないことを隠そうとしてきた。自分自身受け入れることができなかった。こうした経験は、課題解決のマインドとしては役に立っている。

18歳で視力がほぼ無くなり、どんな仕事ができるだろうと考えた時母親から「盲学校へ行ってマッサージ師になったら❓」と言われた。つねづね「盲学校に行きなさい」と言われてきた命令形には反発してきたが疑問形で言われたことで受け入れることができた。

白杖を持つのが嫌だったが、25歳でブラインドサッカーに出逢い、見えない人と見える人の協力が必要で、できないことが練習を重ねてできるようになることに楽しさを覚えた。自分の努力次第で、ほんの少しのサポートさえあれば目が見えなくてももっといろんなことができるということに気付いた。

2003年から17年まで日本代表でプレイ、東京パラリンピックの代表選考からは漏れ、2020年で現役生活を引退した。今はTV、レディオ、YouTube、インターネットレディオなどに出ているが、それもブラインドサッカーのおかげで自分の可能性を広げられることを知ったから。

YouTubeではポジティヴぼっちとして旅行動画をUPしている。昨年の夏には飛行機で福岡と佐賀へ行った。目の見える人のように目についた店にパッと入ることはできず、Google Mapを駆使して新しいお店を捜すようにしている。視覚しょうがいとテクノロジーは親和性が高い。

最初はGoogle Mapの音声が指示する東西南北を理解するのもひと苦労だったが、今はApple Watchを使ってすぐに方角がわかるようになった。

難点がふたつあり、目的地の手前でナヴィゲーションが終わってしまうため、そこで5分、10分彷徨うことがよくある。もうひとつはGPSが時々バグること。バグる可能性は常に頭に入れているので、突然目的地までの距離が増えた時に戻るようにするといったスキルを身に着けた。

今日も会場までひとりで歩いてきたが、辿り着いたビルが合っているのかわからず、通りすがりの人に声をかけて確かめてもらった。

テクノロジーと人の力は両方が必要。旅先の人手不足でAI化が進むのは、アクセシビリティの観点からは問題がある。音声を付けようと思えば簡単に付けられるはず。

そうはいっても実はセルフレジが大好きで、自分でピッとやりたい。バーコードは慣れたが、野菜などを入力するのが難しい。基本はひとりでやって、最後のほんのわずかなところだけ手伝ってもらう。このバランスが好き。

白杖を持ってから一期一会が非常に多い。自分ひとりでできるようなことでも声をかけられたら、断らず頼むようにしている。なぜならそこで生まれる交流が楽しいから。声かけられた瞬間友達。現役選手だった頃はそういう出逢いのなかからブラインドサッカーの話をしたら興味を持ってくれてサポートスタッフになってくれた人がいる。悪徳勧誘じゃないですよ笑

また、慣れた道であっても集中力を使う。誰かに委ねたら集中力を開放することができる。

先日視覚しょうがいを持つ女性が鉄道会社の社員にセクハラされる事件もあったが、この社会で生きていくために一番大事なことはやはり人。AIが発達しても私達は言葉の世界で生きている。言葉がとても大切。

人と会った時、声や言葉からその人の顔を連想する。そして連想した顔を脳内に入れておく。子どもの頃の福笑いのように。

アクセシビリティはマイナスをゼロにするということではなく、プラスでなければならない。

先日、ラッシュアワーの駅で駅員に乗り場を尋ねたら、車両まで連れて行ってくれただけでなく空いている座席に座りますか❓と聞いてくれて嬉しかった。視覚しょうがい者はどの座席が空いているかわからないからドアの近くで立っているのがスタンダード。そこが一番安全だから。そんなとき、誰かが空いている席を教えてくれたらとても嬉しい。そういうマニュアルにないプラスアルファの対応が嬉しい。

最近のホテルのエレヴェーターはカードを読み込まないと動かない仕組みが多く、その位置がバラバラなので非常に困っている。一方で部屋番号が浮き彫りになっているようなホテルは触ればわかるので非常にありがたい。全盲者に優しいホテルはそうでない人にとっても優しいのではないか。部屋番号が高いところにあると子どもや車椅子の人にとっては見づらい。

アクセシビリティのなかで視覚しょうがい者の必要とする音声や触覚は意外と置いてかれがち。全盲者からのアイディアを聞いてもらえば、受益者は全盲者だけでなく子どもや外国の人にも役に立つはず。

一方で音声信号は聴覚過敏症の人にとっては苦痛。昼と夜で交通量が違うのに、どうして昼の基準で夜も音を鳴らすのか。音量を下げればいい。アイディアをアップデートしてほしい。

街を歩いていろんな障害物に出くわすのは、自分にとっての気づきであり成長の機会。

見えない世界はとても楽しい。

実は自分の病気はiPS細胞の移植手術で治る可能性が浮上しているが、見えないことが楽しすぎるので手術をする気はない。」

うーん、いくら見えない世界を楽しんでいたとしても、視力が戻るならやっぱり戻した方がいいと思う。

他人の力を借りなくてもビルに辿り着けるわけで。

もちろん突然見えるようになれば、それに気を取られて檜佐木修兵の急襲に気づかなくなるかもしれないけれど。

しかしながら、彼がしている旅や街歩きのスタイルは旅の原点、wonderingという気がするな。

不確実性こそ旅のワクワク。

しょうがい者を旅行に連れていくとしたら介助者はなるべく確実性を担保しようとするだろうけど、それは本当に正しいのか。

危険な目に遭わせろなんて言わない。でもね。

そしてそれはその人の立場に関係なく、そうなのよ。

業務渡航なら確実性しかいらないけど、観光ならまた話は別だろう。

笑顔を浮かべながら楽しそうに話すスピーカーを見て、自分まで楽しくなった😊

アクセシブルツーリズムシリーズの最後はこんなハッピーな感じで終えたいと思うけど、ちょっとひとつだけ。

今日実はシンポジウムに出ていた中村氏の話を聴く機会があったんだけど、このシンポジウムに相当刺激を受けたそうでアクセシブルツーリズムについて熱弁していた。

アクセシブルツーリズムが必要というより、ツーリズム自体がアクセシブルでなきゃいけないってことやね。

いやはや、知らないこともたくさん知れたし、自分のリテラシィの低さも痛感した。

ここで得た学びは今後のツーリズムを考えるうえでのベーシックにしていきたい。

それじゃあバイバイナマステ💙暑寒煮切でしたっ✨


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