世界遺産から仰天計画まで🚞インドの山岳鉄道🇮🇳⑤ヒマーチャル=プラーデシュ州へ向かう山岳鉄道
はじめに
こんばんナマステ🧡Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)です。
昨夜、 #Clubhouse 『 #インドの衝撃 ( #インド大学 )』を聴いていただいた方はありがとうございました❣️
早速ポッドキャストも上がってるので、是非是非聴いてみてね🌟(約24分)
んで、noteの方はまだ2月7日の前回講義「 #インド山岳鉄道 」のテキスト化が追いついてないので、まずはそっちをやって、終わったらスキー場に取り掛かる予定。
間隔が1週しか空いてないとどーしても滞留しちゃうよね😅
北京オリンピックに合わせて喋りたかったのでアンバランスになるのは仕方ない。次は3月1日なのでベストな間隔。
ではでは中2日で #山岳鉄道 再開。
これまでの記事はこちら❗️
そして音声版はこちら❗️(約49分、そりゃ文章にしたら何回もかかるわ💦)
全体の流れは山岳鉄道の概論〜インド山岳鉄道について概説〜インド山岳鉄道の未来、
前回からはインド山岳鉄道の概説に突入して今回はその3回目。
インドにある5つの山岳鉄道のうち時系列的には3番目に開通した #世界遺産 の #カールカーシムラー鉄道 と5番目に開通した #カングラ渓谷鉄道 について書いていくよ‼️
この2路線はともに隣の州からヒマーチャル=プラーデシュ州へ向かう路線で、762㎜の #ナローゲージ (特殊狭軌)という共通点もある。
それでは出発進行💨💨💨
世界遺産カールカー=シムラー鉄道について
カールカー=シムラー鉄道( #KalkaShimlaRailway )、略称 #KSR は
ハリヤナ州の #カールカー (標高656m)と
ヒマーチャル=プラデーシュ州の州都 #シムラー (標高2,276m)を結ぶ
ではなく、
彼はインド人が知っている唯一かもしれない日本の芸能人だったりもするけど、
ちなみにこの像が建てられた時、東村山でよく仕事してて、像を見るための渋滞が起きて大変だったんだよね。
多摩湖くらいしか観光地のない市を東京都のなかで八王子、立川、町田に匹敵する知名度をたったひとりで築き上げた人だしね。
ってゆーかこっちね❗️
なんか余計な話が入ったので、再度書き直すとKSRは標高656mのカールカーと標高2,276mのシムラーの間1,620mの高低差を96.6kmの距離で結ぶ路線。
シムラーもまたダージリンやニルギリ、マテラン同様の避暑地であったけれど、単なる避暑地ではなく英領インド帝国にとって「夏の首都」だった。
デリーは暑過ぎたので夏の間だけ「遷都」したということ。今のインド連邦政府は夏でも政治家や官僚がデリーで働いてるけど、ウッタラカンド州とジャンムー&カシミール連邦直轄領は今でも季節で都を入れ替えている。ジャンカシの場合は2019年までの州時代からそうで、夏はカシミールのシュリーナガル、冬はジャンムーなのでジャンムーとカシミールの間の政治バランスともいえるけど。日本も夏は釧路とかにしたらどうかな。
ということで他の山岳鉄道と違いデリーとシムラーの両都を繋ぐ都市間路線という側面もあるわけね。それは今でも変わってなくてシムラーは人口17万人の小都市とはいえ州都として都市間需要がある。この性格を押さえておくとKSRのことが理解しやすくなる。
2008年には世界遺産「インドの山岳鉄道群」のひとつとして拡大登録された。インド政府は残り2路線も世界遺産に追加する気満々だったけど、ユネスコからいい加減にしてくれと言われてしまいこれが最後の世界遺産登録になってしまった😭
世界遺産カールカー=シムラー鉄道の特徴
前述したようにレールの幅は #黒部峡谷鉄道 🇯🇵と同じ762㎜のナロー=ゲージ(特殊狭軌)で、
1,420mの高低差を走るものの102ヶ所のトンネルと864ヶ所の橋により勾配は平地の鉄道並みの最大30.3‰に抑えられており後期型山岳鉄道といえるか。
この当時世界最長の橋とトンネルが設けられ、96kmという長大な距離に山岳鉄道が敷かれた技術の高さは高く称賛されている。また、この当時としては最大限自然環境を破壊しないよう努めたともいう。
これまでの2路線と違い都市間列車で人も荷物もそれなりの需要があるため、1971年には蒸気機関車の運行が終了した。
世界遺産カールカー=シムラー鉄道の見どころ
KSRの始発駅カールカーは人口3.5万人の小さな町ながらデリーからの幹線が敷かれその終着駅になっている。事実上デリーとシムラーを繋ぐ路線としてデリー=カールカー線とKSRは一体化しているといっていい。
カールカーから5.69km進んだ最初の駅タクサルから山の国ヒマーチャル=プラーデシュに入り、松や楓、杉などの林を抜ける長いトンネルや橋が目白押しになる。特にカーブに架かる橋はローマの水道橋を思わせる美しさ。橋やトンネルには数字が振られており、数えながら進む楽しさもある。特にNo.226の橋とNo.33のトンネルはKSR最長で見逃せない。
カールカーとシムラーのほぼ中間にあるソランも避暑地で、きのこやトマトの栽培で有名。ソラン地区にあるバログ駅は全列車停車駅なので途中下車もしやすい。
世界遺産カールカー=シムラー鉄道のダイヤ
1日6往復のうち5往復で急行運転が行われ、ソラン、シムラーへの速達機能が重視されている。といっても速度は30km/hなのだけど💦
台湾では762mmの線路で70km/hの特急列車光華豪が走っていたので、KSRももっとスピードアップできそうに思う。
特にユニークなのは「レイル=モーター」で、1両編成のまるでボンネット=バスのような車両で走り人気がある。バログのみの停車で食事が提供される。
また「シヴァリク=デラックス=エクスプレス」、「ヒム=ダルシャン=エクスプレス」もバログにしか停車しない観光客向けの列車。
「ヒマラヤン=クィーン」はデリーとカールカーを4時間で結ぶ特急「シャタブディ=エクスプレス」と接続する列車で途中9駅に停車。それでもデリーとシムラーの間は半日かかってしまう。
デリーからカールカーまで3時間以内の超特急、KSRも台湾に倣った高速化で4時間以内を目指してほしい。
このほか10駅に停車する「カールカー=シムラーNGエクスプレス」と各駅停車の「カールカー=シムラー=パッセンジャー」が走り全部で6往復になり、また多客時に2往復が加わる。
「カールカー=シムラー=パッセンジャー」はコルカタ発デリー経由の「ネタジ=エクスプレス」と接続、デリーを夜に出て未明にカールカーで乗り換えてシムラーに朝着く。「ネタジ=エクスプレス」は長年「カールカー=メイル」と呼ばれていた。
ネタジとは独立運動の志士チャンドラ=ボースのことだけど、人民党政権になってから妙に推されてるので、その関連だよね。
それはまあ外国人が口を出すことではないけど、1,500kmとか走る列車なので遅れを引きずりやすい。デリー始発のカールカー行き夜行列車がほしいところ。
かつ、カールカーからも急行に接続してシムラーにもっと朝早く着けるようにしてもらいたい。
近年古い蒸気機関車を直して試験運行を行っており、全区間でないにしても蒸気機関車の観光列車が走る可能性もある。
世界遺産カールカー=シムラー鉄道へのアクセス
カールカーへはデリーから比較的容易に行くことができるし、シムラーには空港もある。カールカーの手前には世界遺産の芸術都市 #チャンディーガル があり、KSRの行き帰りに寄っていくのもいい。
カングラ渓谷鉄道について
カングラ渓谷鉄道( #KangrValleyRailway )、#KVR はパンジャーブ州 #パタンコート (標高383.2m)とヒマーチャル=プラーデシュ州 #ジョギンダーナガール (標高1,184.2m)の164kmを結ぶインド最長の山岳鉄道。
他の山岳鉄道と違い、水力発電を目的に1928年に部分開通、翌29年に全線開通。
他の4路線と比較するとかなり後の時代にできた末っ子ってことになるね。
近くに大都市がなく、世界遺産に推薦されたことがないので知名度は低いけど『世界の車窓から』でKVRを取り上げたことがあったらしい。
カングラ渓谷鉄道の特徴
同じヒマーチャル=プラデーシュ州を走るKSRと同じ762㎜で、このレールの路線としては世界最長を誇る。
黒部峡谷鉄道🇯🇵とはレールだけでなく水力発電という目的まで同じであり、やはり同じ目的の #大井川鐵道井川線 🇯🇵も開業当初は762㎜だったという点できょうだいともいえるのではないだろうか。黒部は関西電力の完全子会社、井川線は中部電力が赤字を全額補填する。
また、インドの他の山岳鉄道が避麓から高地を目指すものなのに対し、カングラ渓谷鉄道は渓谷を登り降りしていき、最大で40‰の勾配となる。
1976年に蒸気機関車の運行は終了しているが近年チャーター用に復活している。是非定期的な旅客運行を望みたい。
カングラ渓谷鉄道の見どころ
何といっても雪に覆われたカングラ渓谷の美しさに尽きるが、インド初の鋼鉄製の鉄橋など、最後発の山岳鉄道だけに他と技術の進化を較べてみてほしい。
パタンコートから乗って2駅目のカンドワルからヒマーチャル=プラーデシュ州に入る。
全線を乗り通すと約10時間かかり余程好きな人でないと厳しい。途中下車をするならKVRからも見えるカングラ城があるカングラ駅が筆頭。チベット亡命政府のあるダラムサラやヒマラヤのピラミッドと呼ばれるマスルール寺院群など見どころは多いので泊まるのがベストだけれど。
カングラの先からはダウラダール山脈、パランプールからは茶畑の姿が印象的。終点ジョギンダーナガールからシャナン発電所まで3.2kmの貨物線があったが既に廃止されている。マンディ方面への延伸構造がないわけではなく、その時は廃線が活用される可能性がある。
カングラ渓谷鉄道のダイヤ
各駅停車パッセンジャーのみ。通し運行は1往復のみで約10時間。パタンコートーバイジナス=パプロラ間に4往復、パタンコートージャワラムキー=ロード間が1往復の運行となっているため、パタンコート寄りでは6往復、路線の大半が5往復、末端が1往復ということになる。
カングラ渓谷をもっとゆったり観られる観光列車があるといい。
カングラ渓谷鉄道へのアクセス
起点のパタンコートは空港もあるが、首都デリーからの列車があるけど列車で一気に来るには遠い。沿線のカングラにも空港がある。
シク教の総本山ゴールデン=テンプルのあるアムリトサルあたりで乗り継いでパタンコートに行くのがいいかも。
違うって❗️
ついでだから書くけど、この寺の正式名称鹿苑寺は釈尊が初めて説法をしたウッタル=プラーデシュ州のサールナート(鹿野苑)に由来する。
んで、仏教の聖地じゃねーよ。シク教だよ、はいこれ。
終点のジョギンダーナガールはマナリに近いようなところで、最寄りはカングラ空港になる。
あるいは丸一日かけて州都シムラーまで陸路で出るということになる。
ということはKSRから乗り継ぎができる。是非ハシゴしてもらいたい。
最短で日本発着1週間あれば、KSRとKVRをハシゴできるけど、余裕持ってもう2〜3日はほしいところ。KVRは何かトラブった時に逃げ場があんまりないので。
おわりに
ようやく5路線について書けた✨
明日はインド山岳鉄道の未来、に入っていくよ。
どんな未来になっていることやらね。
バイバイナマステ🧡暑寒煮切でした❗️