おひさま暮れたら帰りまSHOW
こんばんナマステ🩵Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ✨
我々ツーリズム界隈でも結構注目されていたひなたフェスが恐ろしいくらい静かに終わった。
ひなたフェスというのは、この土日に宮崎市のひなたサンマリンスタジアム宮崎(宮崎県総合運動公園硬式野球場)で行なわれた日向坂46のコンサートと、それに付随して宮崎県総合運動公園のなかで飲食ブースとかパレードとかってやつね。
もしかしたら宮崎県出身のメンバーもいるかもしれないけども、基本的に宮崎県に縁も所縁もないはずで、単純に名前だけで誘致されたというところ。
グループ名の由来は麻布十番駅近くにある日向坂(ひゅうがざか)で、日向守毛利就隆の屋敷があったのでそう呼ばれたけれど、日向守は単なる官位であり毛利元就の孫である彼自身は現山口県の下松や徳山で藩主を務めた人であって宮崎県ととくに関わりもない。
とはいえ間接的には宮崎県と日向坂46は繋がっているともいえる。
国土軸から外れている宮崎県では大規模なイヴェントが行われることはほとんどなく、悲願達成といえるところだけども、それを目前にした5月22日にムードに水を差す事件が起きる。
山口市の山口きらら博記念公園で行なわれたキンプリことKing & Princeのイヴェントで交通が麻痺してたくさんの帰宅難民を出してしまった。
そしてその矛先はひなたフェスに向かうことになる。
鉄道インフラが整っていない地方で大規模なイヴェントなんてできないだろうと。
キンプリのイヴェントについて軽く振り返っておくと、きらら博公園は今でこそ山口市だけど元々は阿知須町というところで、玄関口である新山口駅の南約12kmのところにある。
徒歩約20分の所にJR宇部線の阿知須駅があり、新山口駅まで結ばれているけれど、単線で本数も車両編成数も少ないため、臨時電車こそ出したものの、JR西日本も主催者も表立った案内はしてなかった。
そのため会場と新山口駅を結ぶシャトルバスが多数運行されたけれど、激しい渋滞で新山口駅へ向かったバスが戻ってこれず、2回転目のバスの発車が著しく遅れた結果、最終の新幹線に間に合わず新山口駅で夜を明かす観客が続出した。
この悲劇はひなたフェスでも絶対に起きるぞと、交通に詳しい人を中心に指弾されたわけよ。
危機感を持ったひなたフェスの運営側は約半月後の6月10日にひなたフェス対策本部を立ち上げる。
時系列的に何に対する「対策」なのかは一目瞭然でしょ。
この対策本部には主催者である日向坂46の事務所、運営を担うキョードー西日本、会場を運営する公益財団法人宮崎県スポーツ施設協会は当然として、宮崎県、宮崎市、地元のバス会社である宮崎交通、JR九州、JTBさんは確実に入っているものとみられる。ひなたフェスそのものの協力会社に名を連ねてるからさ。
そして当然ながら警察、消防も入ってるよね。
まずキョードー西日本っていうだけで、キンプリの運営を担っていた夢番地よりは期待できる。全国規模で展開するイヴェンター(音楽プロモーター)としては恐らく最大手であるキョードーグループだから、ノウハウもコネクションも夢番地よりは遥かに豊富。
そしてイヴェント運営や輸送のプロが集まっているというだけじゃなく、一般からの提案も受け付けているのは素晴らしい。
情報発信も矢継ぎ早であり、危機感とやる気が窺い知れるというもの。
ここでひなたサンマリンスタジアム宮崎の置かれている環境を見ておくと、宮崎駅からは南約12km。JR日南線の木花駅まで徒歩約20分。山口きらら博記念公園とよく似たロケーションといえる。
ということは同じ失敗を犯す可能性が高い反面、ケーススタディとして山口を十分参考にできる。恐らく対策本部は山口に複数回足を運んで実地検証もしたはず。
そのうえで、以下の施策に結び付いた。
★木花―南宮崎間の列車大増便で4,000人を輸送
木花駅はICカードが使えないため帰りの切符を用意してほしい旨の情報発信も強く行なわれた
★延岡、鹿児島中央への臨時特急電車を運転
これによって宿泊地の分散を図れるようになった
★近隣キャンプサイトと提携、キャンプサイトへのシャトルバス運行
この季節だし、最悪マット1枚あれば死にゃしない
★九州各地からのバスツアー催行
人口の集中する九州北部の人を会場近隣のホテルに泊まらせないってことね
★飛行機のみならずフェリーも含めたきめ細かなツアープランの設定
フェリーは輸送力高いからね。ただ、帰りの時間が早くて終演に間に合わないのがネック。
★宮崎・鹿児島・大分・熊本各県のホテルの宿泊施設の空き状況の発信
放置せずとことん責任を持つということ
★クロークの分割と会場からの荷物発送受付
荷物を預かる際に必ず帰りの交通手段を聞いて、動線を混ぜないようにするんだってさ。そして帰りのクロークの混雑を少しでも避けるべく荷物を送れるようにするんだと。
いやはや、すごい。
非常に勉強になったし、今後のイヴェント運営の教科書になると思う。
それだけやっても、渋滞したらシャトルバスもマイカーも崩壊するんだけども、山口より遥かに道路状況は良いらしく、そのうえで入念な渋滞対策も行なった
ちなみにこのブログの分析力はだいぶヤバいので、自分の記事なんかここで読むのやめて構わないので、是非とも一読をおススメする。
だから今回自分は細かい分析をしないことにした。
ひとまず今回の勝因はこんなところになる。
★キンプリ事件を受けて危機感を持った準備と情報発信を入念に行ったこと
★キンプリのことがなくともひなたサンマリンスタジアム宮崎はプロ野球のキャンプである程度混雑対策のノウハウ、ケーススタディがある
ちなみにサンマリンは長嶋茂雄の命名、ちなみに昔宮崎と福岡を結ぶサンマリンライナーって高速バスがあったりもする
★周辺道路状況が非常にいい
★未成年の少女中心のティアラ(キンプリファン)と違いおひさま(日向坂46ファン)には大きなお友達が多い
事前に状況をきちんと下調べしたり、俯瞰して合理的な判断ができる人が多いということ
★小中高の夏休みを終えた土日開催かつ終演時間が早い
これが肝。
キンプリのときに最大の敗因として自分が分析したのは、平日かつ終演時間が遅いってことだったのよ。
帰宅ラッシュと重なるうえに、終電までの時間もなく。
今回夏休みを終えた最初の土日だから外出する人も減るだろうし、地元ではこれでもかとひなたフェスのことが流れていただろうから近隣住民も無用な外出は避けるか、逆行して福岡や東京に遊びに行ったりしてたんじゃないかな。
自分もイヴェント関係でいろんなとこ行くんだけど、地方都市における大規模イヴェントの認知度ってものすごいのよ。街の人がみんな噂しててさ。
終演時間の早さについては前掲のブログでも述べられていて、自分の視点は間違いじゃなかったなとひと安心。
当日の宮崎県の日没時間は18:30頃なのでそこからちょうど1時間後が終演というのは、日向坂46だから日が暮れて空が暗くなったらおしまいってことなのかもしれない。
今回ひなたフェスが成功したことで、宮崎県や宮崎市、キョードー西日本は様々なアーティストをひなたサンマリンスタジアム宮崎に誘致し始めるんじゃないかと思う。
宮崎の利点として気候が温暖なので、晩秋とかでも野外イヴェントができるしさ。
台風や豪雨のリスクがあるので、できればそれくらいの季節がいい。
とくにEXILE系はありうるかな。
LDHのスクールであるEXPGって今や全国にあるけど、東京に次ぐ2校目が実は宮崎なんだよ。交通が不便なところで人材を発掘したかったのかな。
だからEXILE系のメンバーには結構宮崎県出身者がいるし、十分ありうるよね。
EXPGはEXILE系のアーティストを育成するだけじゃなく、K-POPの予備校と化していたりもする。
最近のK-POPメンバーには大概日本人メンバーがいて、歌とダンスの基礎をEXPGで習得しているケースが多々見られるので、宮崎出身者がいるK-POPグループも既にありそうだし、なくても出てくるのは時間の問題。
だからK-POPアーティストの宮崎公演もありうる。
あとはサザンオールスターズ。メンバーにひとり宮崎県出身者がいるし、実現可能性は高い。
このときに是非考えてほしいのは、もっと帰宅手段を分散できるということ。
まず、宮崎県総合運動公園にはもうひとつ運動公園という駅がある。
こちらもひなたサンマリンスタジアム宮崎からは徒歩20分程度。
日南方面へ向かう人をこちらに誘導すれば、木花駅の混雑を少しは和らげられる。
日南方面への列車は本数が少ないから、木花駅のホームで滞留されると宮崎方面へ向かう人の誘導の邪魔になるし。
ひなたサンマリンスタジアム宮崎から北西約9kmのところにあるJR日豊線の清武駅も活用してほしいと思う。
鹿児島方面へ向かう人を清武に振れば、一度南宮崎へ行くよりショートカットにもなるし。
ちなみに特急停車駅なのでインフラはまあまあ整っている。
キンプリのときも似たような位置にあるJR山陽線の本由良駅を活用する手段もあったはず。
それと宮崎空港。
ひなたサンマリンスタジアム宮崎から宮崎市街へ向かう半分のところにあり、電車も乗り入れている。
6両編成が乗り入れることができ、駅はICカードも使える。
土日だから通勤電車を福岡から借りてくれば日南線とは輸送力が圧倒的に違うし、延岡方面への直通運転が可能。
シャトルバスは宮崎駅でなく宮崎空港との間をピストン輸送してもよかったのではないかなぁ。
当然ながら空港側の協力が不可欠なわけで、宮崎空港を運営する宮崎空港ビル株式会社を運営に迎え入れる必要がある。
この会社の筆頭株主は宮崎交通であるほか3位の株主が宮崎県、同6位に宮崎市となっているから取り込むことに何の支障もない。
宮崎空港発着なら別府までの特急の運転もありえた。
空港を20:30頃に出れば24時頃に別府に着くので、大分市・別府市のホテル・旅館群の活用が可能になるほか、空路を大分空港に分散させられる。
これらの分散を効率よくやる手段としては規制退場を活用すればいい。
退場動線の混雑を避けるべくブロック毎に順番に退場させるのが典型的なやり方で、出口が狭い東京ドームから広まっていったものと思われるけど、ここでは少し違ったやり方を導入したい。
帰宅手段毎にリストバンドで色分けを行なって、例えば赤いリストバンドの人を最初に退場させるというやり方。
遠くへ行く人から先に帰すのが原則。
宮崎空港から当日の飛行機に乗る人と別府方面(佐伯以北)へ向かう人は20時までにはバスに乗らなければいけないので最優先。
また清武から鹿児島中央経由で博多方面(久留米以北)へ向かう人も最優先でバスを出せば輸送可能。
日南方面への帰宅手段としては増発まではできないとは思うけど、終演後真っ先にくる運動公園20:32発が宮崎市内の青島止まりなのは痛い。
これは油津まで延長運転してもらいたいし、運動公園まで行く人も最優先かつ別動線で退場させたい。
九州北部からのバスツアーも優先度が高い。これはブロックを固めて、添乗員が引率していくのがいいか。
あと未成年のみで親御さんが迎えに来る人も専用のリストバンドを用意して優先退場させる。
この次に鹿児島中央経由で熊本方面へ帰る人、その次に延岡や鹿児島中央方面へ帰る人とし、宮崎市内に住んでるか泊ってる人は未成年を除いてある程度待たせておくのはやむを得ない。
このオペレーションに適しているのはEXILE系やK-POPよりサザンオールスターズなんだよね。
コンサート慣れしている年配者が多くて未成年のみの観客が比較的少ないからさ。
ということで次は是非サザンオールスターズを誘致してほしいなと。
最後に。
これ永遠に日向坂46駅でいいよ。
だって日向市って別に伝統的な地名でもなんでもなくここに日向国府があったわけでもないんだから、日向坂46駅のまま残した方がファンが半永久的に巡礼にきて地域活性になるじゃん。
宮崎県にはカープ油津駅もあるわけだし。
でも個人的には日向小次郎駅にしてほしいの💦
それじゃあバイバイナマステ🩵暑寒煮切でしたっ✨